小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

日本人の精神が宿る日本の伝統建築

2008-01-04 16:21:55 | ニューヨーク暮らしの日々

日本にて、
 
日本滞在中,最も嬉しかったことは、北鎌倉に住む友人,石黒ひで
さんに誘われて古民家建築家で、「民家移築」“合掌作りと暮らす”
(講談社)の著者、滝下嘉弘氏の家を訪ねるチャンスを得たことだっ
た。滝下氏は日本古民家保存協会長を務めている。
 この法人は、古民家の保存に関する事業を行い、古民家を建てた
時代の日本人の価値観、美意識、人との交わり、自然観など彼らの
ライフスタイルを学び世代と世界の人々に誇りをもって伝えることに
より学術、文化、芸術の発展に寄与することを目的としている。

 白川郷から60年の初めに移築したと言う養蚕業の民家を、建築
家の滝下さんの審美眼で、現代の暮らしにあったスタイルに改造し
て暮らしている。美しい暮らしの空間はそこにいるだけで感動的であ
った。
 
かつてNYの友人が日本に来て、「日本はなんと醜い家屋が沢山あ
るのでしょう!日本人は美意識が高いと信じていたけれど、醜い家
に住んでいる日本人の美意識を疑いました。しかし京都の二条城で
感動しました。あの建築には日本人の精神が宿っている」と。

 旅行好きの彼女は世界中を旅行するために夏、2ヶ月休暇を取れ
る職だけを選んでいたコンピューターサイエンティストで1980年代
に博士号をとった、私のアパートのすぐ下に住んでいた友人である。
旅行が楽しみだった彼女は癌を宣告され、ある日ジョージワシントン
ブリッジから飛び降り自殺をした。
 日本の旅行からウラジオストックに向かう日、
「さようなら。美しい日本。また来る日まで」・・・連絡船のデッキより。
の一行を死後、遺された彼女の日記から発見した。
それは彼女の最後の旅でもあった。
 
美しい日本の家屋には本当に日本人の精神が宿っている!
美しい滝下さんの合掌作りの民家で、ゲルダへの鎮魂の祈りを捧
げた。
 43年ぶりのお正月を日本で向かえ、嬉しいことが沢山あった。
美しい日本は、まだどこかに残っている。
深大寺や私の家のお寺、厄除け祖師、堀の内の妙法寺にも墓参り。
見事な松並木の皇居を一周したり、お正月に散歩が出来た事は、
ことのほか嬉しい事だった。

一分の隙間もなく草も生えぬ石垣の桜田門。美しい!

東京では浅草寺に次ぐ古い歴史を持つ深大寺。奈良時代
(天平5年)創設

江戸時代から人気を持つ名寺、杉並堀の内の妙法寺

ここにも美しい日本がある。
 

 


 


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