小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

暮らしの詩・アメリカンフックド・ラグがなぜ暮らしの詩なの?

2013-08-30 10:24:03 | フックド・ラグ

歴史が大切な理由

生まれつきなんでもうまい人がいますが、アメリカでラグやキルトを作ったときは、本もなく学校も先生もいませんでした。
どうして作るか考えながら、なんとかして家に花を添えるように楽しくしたくて、ありあわせのリサイクル布でフックド・ラグも作られました。

デザインスクールもなく、デザインは自分のアイデアを暮らしのまわりから取り入れました。
子供が絵を描くように、ナイーブペイントのように無名の人たちが暮らしの中で感じたものをデザインしたので、見るものの心に作者の暮らしの詩が聞こえてくるようです。

ウエスターン映画でご存じのように、馬とアメリカ人は密接な関係です。西部移動も馬なしには考えられません。力のパワーもホースパワー、馬力が基準でした。
馬が車に代わった今は想像しがたいことですが、アメリカの暮らしの夢でした。家を建て、花を植え、馬小屋がある。家の中にはその暮らしの夢をデザインしたラグが各部屋にありました。

   
上のラグはアミシュのラグです。下絵が印刷されたものです。アミシュの人たちはキルトでご存じの通り、「これはどうだ!}と見せびらかしのデザインはご法度でした。しかし、キルトのデザインだけは素晴らしい独自のデザインが発展しましたが、お化粧をしたり家の周りを見せるために美しい花壇を作ることもありません。家具も質素です。現代ごく最近になって仕事のための車は許されますが近代的「もの」を否定して暮らしていますから馬は彼らの暮らしの一部です。競馬もなく、ホースバックライディングのレジャーもありません。


キルト歴何年、ラグ歴何年などの単位が表現の上手さ?と関係ないことがお分かりになりますか?
誰でもできる、創造性ある個性こそがアンリカン フォークアートのエッセンスなのです。
そして自分の手で作る出すものは、精神的自立につながっていきます。

 

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿