散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

福田新市長への投票「4票の働き・10人の効果」~川崎市長選挙の投票行動

2013年10月28日 | 地方自治
今回の選挙結果は正直、驚いた。1週間前のある会合で「自公民相乗りで、面白くない。前回は現市長、自民推薦、民主推薦(今回当選の福田氏)、共産推薦の候補が争って接戦になった」と報告した。市民活動をしている友人とも電話で同じ様な話をした。恐らく、選挙に関心を持つ市民の方も同じ様な思いだっただろう。

投票率が低く(棄権 76.2万人)、福田・秀嶋の接戦であったから、当選者の得票数も有権者数からみると非常に少なかったはずだ。
前回と数値を比較すると以下である。

      今回(H25/10)  前回(H21/9)
川崎市人口 144.5万人 140.7万人(推定)
有権者   113.8万人 110.8万人
投票数    37.3万票  40.0万票
投票率    32.8%   36.2%
当選者得票  14.2万票  14.5万票

人口増加により、有権者は3万人増えているが、投票数は逆に2.7万人減少していることが、投票率に表れている。投票者は遂に1/3を割ったのだ。前回、福田氏は次点(11.7万票)で今回の得票よりも少ない。しかし、前回の得票が、全部とは言えないが、基礎票になったと考えられる。

「選挙はやってみなければ判らない」とは、よく云われる言葉だ。従って、投票はある種のギャンブル性が付き纏う。そこで、当選者への投票が、ギャンブル性に伴う「付加価値」を、どの程度あったのか、数値で当たってみよう。

先ず、当選には最大、有権者の過半数(56.9万票)の投票が必要だ。ここで、14.2万票でその役割を果たしたから1票に付き「4票」の働きがあったことになる。
次に、市民全員(144.5万人)に影響を及ぼす市政の舵取り役・市長を14.2万人で決定したから、ひとりに付き「10.1人」分の効果を及ぼしたことになる。

たかが投票、されど投票!これだけで「4票の働き・10人の効果」があるのだ。
一方、非当選者票は死票か?そんなことはない。数値に表すことは難しいが、当然「政策的批判票」として機能するはずだ。ギャンブルに外れたとしても悪い話ではない。

では、今回76.2万票相当であった棄権の評価はどうか?
これは白票・無効票よりも意味を付けにくい。そこを強いて云えば、仮想投票において白票を投じた、とでも言おうか。しかし、これは「政策批判」にはならない。「制度批判」とも考えられるが、単なるお任せ・無関心と区別できる“表現”になっていないことが、致命的であろう。

従って、選挙での棄権は、効果を与えることが可能な公的行動において、何も「表現」しないと云う点で極めて損な行動である。以上の議論は今回の選挙だけのことではない。選挙を通して共通する事項である。私たちは「棄権」も選挙における一つの行動であり、そうであるならば、より効果のある行動へ向けて互いに誘うように務めることが大切だ。

      
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