散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

議会改革活動の変化~十年ぶりの会議参加から

2021年08月12日 | 地方自治

 去る7月末日、議会改革を旗印に活動している「市民と議員の条例作り交流会議」開催の会合 (zoom会議)に十年ぶりに参加した。テーマは「デジタル及びダイバーシティ」、それに沿って報告が組立てられていた。
 その内容を聴いているなかで、十年前と何か判らないが、微妙な違和感を持ち、「何だろうか?」と考えているなかで思いついたことを以下に綴っておく。

 筆者が出席していた2010年頃は「議会基本条例」を中心に、全国的調査を基軸に改革度合の進捗が報告され、また、個別の報告においても、改革に関連する報告が主であったと思う。特に市民の議会への関心を励起することが目指されていたと思う。

 今回の会議の基調報告、廣瀬克哉・法大総長においても、依然として「議会と地域社会とのコミュニケーション断絶」について触れられていた。そんな状況は十年前と日本全体の地方自自体の基本構造は変わらないように見受けられた。

 「自分が暮らす自治体の議員の名前を一人も知らない人の割合は?」、「今年6月議会が扱った話題を一つでも挙げられる人は?」などと述べて、誰が何をしているか、ともかく地方議会の実際を知らない人が多いのが依然と変わらない実情だ。即ち、議会の活動が自らの生活にどのように影響しているか意識している人は少ない状況に変わりない。
 そこで廣瀬氏は「少数のこれに該当する人だけを向いて議会活動をしているのではないか」と問題を提起、今回のテーマ「デジタル及びダイバーシティ」へつなぐ。

 そこからメインテーマの報告、デジタル化に取組む議会の実践及びダイバーシティの代表としての議員の報告が行われ、其々の報告は立派なもので面白かった。一方、筆者は廣瀬氏が提起した問題に対してインパクトを知りたかったが、そこまでの言及はなく、基調報告との微妙なズレを感じた。

 筆者が参加していた2010年頃は「自治体議会改革フォーラム」がワーキンググループとして「変えなきゃ!議会」とのキャンペーンを行い、その活動の一環としてのイベントであった。また、活動の中で地方自治体・全国調査を行い、その改革度合をまとめると共に評価、それらをまとめて『議会改革白書』を毎年出版する。

 しかし、その活動は2016年度に終止符を打った。その最後の白書には「議会基本条例10年」として「議会基本条例で進んだ改革、これからの課題」と書かれている。その後の活動は現在の組織形態で継続的に維持され、現在に至る。

 今回の会議で感じた違和感は、「議会と地域社会とのコミュニケーション断絶」が大きな課題として残されている状況のなかで、以下の包括的な形態を廃止、時事的な課題を取り上げていたことに起因するのであろう。


 (1)地方自治の根幹の課題「議会基本条例」の提起
 (2)議会改革の全国調査を基盤において推進

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