散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

議会基本条例の意義~基本理念の提示

2021年08月22日 | 地方自治

 前回(8/12付)に書いた“違和感”、参加した「市民と議員の条例作り交流会議」において、「全体像はボヤっとしている中で、個別の課題が議論されていたこと」を考えてみた。
 以前は上記の交流会議の組織の中に「自治体議会改革フォーラム」を特に設置して活動していたはずだ。毎年、冊子『議会改革白書』も出版していた。

 そこで「フォーラム」から「会議」への転換となった2016年に戻ってみた。
 即ち、改めて十年前の『議会改革白書2016年度版』を図書館で借りて読んでみる。
 以下の考え方で運営されていた。
 (1)地方自治の根幹の課題となる「議会基本条例」を全国的に普及させる
 (2)議会改革の全国調査を基盤において推進する
 なお、議会基本条例は北海道栗山町議会によって初めて制定された (2006年)。

 その第1章「議会基本条例10年をふりかえる」の冒頭の論稿、
 「議会基本条例で進んだ改革、これからの課題」(自治体議会改革フォーラム呼びかけ人代表・廣瀬克哉氏)に全国的な改革へ至った理由が深掘りされている。

 議会基本条例時代(2006年~)になってからの議会の項目は、議会報告会、議員間討論、議会での市民発言等これまでに無い項目が挙げられる。議会基本用例がこのような作用をもたらした理由を氏は以下の四点に整理する。
 1)新しい改革理念の明示
 2)議会改革を総合的に提示するパッケージ化と改革の推進
 3)市民との対話の場の多様な展開などの新しい改革実戦の普及
 4)改革の制度的定着

 「理念の明示」が肝心であることは論を待たない。2)以下はそこから導かれる。その肝心な部分を氏の文章から引用する。

 「何よりもまず、議会基本条例の登場によって議会という機関の使命を明文化して提示することが始まったという意義」を挙げる。
 即ち、憲法93条、それを受けた地方自治法に議会の規定はある。しかし、それらは議会という機関の使命について示してはいない。一方、議会基本条例のほとんどは、前文を持ち、議会・議員の活動原則を条文化している。それらを通して、議会の位置づけ、役割、使命等を市民へ示している。即ち、最初の議会基本条例である栗山町議会の前文には、合議制代表機関として独任制代表機関の首長に対峙させている。

 その理念を基に、改革を総合的に提示していることから、個々の問題をとり上げる際にもその位置づけが明確になる。即ち、この廣瀬氏の論稿は、議会改革の議論をする際には常に振り返るべき原点と繋がる役割を果たしているのだ。現在に至っても!

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