散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

消費税増税を決断した野田前首相~政治芝居という政治過程の前で

2013年10月08日 | 政治
消費税増税の安倍首相による“確認”は事前の大騒ぎに比べて、事後の静けさが目立っている。何故かと言えば、その騒ぎの主体は首相とそれを取り巻く人々の「確認を決断」に演出する芝居の色彩が強かったからだ。

先の記事で以下の様に述べた。
「増税分が福祉目的税として機能し、今後の社会保障費の全体的見直しに繋がり、日本の財政が安定方向へ向かうとすれば、あるいは外国から信認されれば、それは安倍現首相ではなく、野田前首相の功績になるのだ。安部首相は単なる露払いに過ぎないことになる(太刀持ちは山口公明党代表)。」
 『消費税増税の政治学~安倍対野田、どちらが歴史に残るか?130824』

知識人の中には権力者の提灯持ちを勤める人が必ずでてくるが、今回は真壁昭夫・信州大教授が務めているようだ。
「今回の消費税率の引き上げについても与党内に若干の異論はあるようだが、安倍首相が決断したことの意味は大きい。少なくとも現在の政治は、苦い政策でも決断できるとの仕組みを持っていることを、国内外に示したことは評価されるべきだ。」と述べる。

既に三党合意(民主、自民、公明)により立法化し、状況が大きく変わらなければ実行するだけの話を決断と評価するなら、閣議で署名をするだけで、決断になる。真鍋氏の言う様に、与党内に若干の異論を抑えるだけであれば、単なる確認に過ぎない。結論が判っていたから、事前の騒ぎに比べて、事後が静かなのだ。

本来なら、海江田・民主党代表が、安倍首相の芝居に苦言を呈し、本当に決断力があったのは増税法案を成立させた「野田前首相」であること、それがマニフェストを覆した民主党の苦渋の成果であることを国民へ報告すべきことだ。

そのうえで、社会保障政策全般に対する民主党の考え方を説明し、今回の景気対策5兆円の批判を展開すれば良い。記者会見の記録を読むと、消費税増税を策定した主体ではなく、野党として政策を突きつけられた受け身の姿勢に終始している様に見える。主客転倒なのだ。海江田氏は、この政策は官僚機構が作ったと思っているのだろうか?他の野党の党首と同じ様に。

      

コメント
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