散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

20代「18%」と60代「53%」との間に~川崎市長選挙、前回投票率

2013年10月04日 | 地方自治
川崎市長選挙は10/27が投票日。引退する阿部市長が後押しする候補者は自民、公明、民主各党が推薦する。前回は民主党推薦で阿部市長に続いて次点であった候補者が党派推薦なしで立候補、更に、いつもの様に共産党推薦候補者がいて、3名による争いだ。しかし、極めて低調な雰囲気だ。

前回は自民党が市議会の長老議員を候補に押し立てたが、公明党は内々、阿部市長を支持した。従って、公明党の態度は理解できるが、自民党,民主党が手のひらを返して、12年間の阿部市政を高く評価するのは、首を傾げたくなる。

一方、有権者側にも基本的な問題がある。それは投票率が低いことだ。先の横浜市長選挙も選挙日当日の昼頃のニュースでは、最終投票率が20%を割るかと思ったほどだ。まあ、最近では期日前投票が一般化されてきて、筆者も大いに利用しており、数%程度の投票はこれで稼いでいるようだ。

市も選挙管理委員会が投票呼びかけPRを行っている。昨日、「市政だより10/1」を見た処、一面にPR記事が掲載されていた。そのなかで、以下に示す投票率が示されていた。最近は選挙がある度に、若者の投票率が低いことが話題になる。

そうはいっても、具体的なデータに接していなかったので、どの程度のものか理解していなかったが、下に示すように、若者、子育て世代の投票率が低く、年代と共に増え、団塊の世代を含む60代が最大であるのに、改めて驚かされた。

 川崎市長選 推定投票率(川崎市版
 年 度 H17 H21
 年 代 率(%) 率(%)
 全 体  36  36
 20代  17  18
 30代  26  28
 40代  37  35
 50代  42  42
 60代  56  53
 70以上 54  48

これが現状を示す一番大切なデータだ。前回の選挙では、20,30代の投票率は若干の改善が見られるが、60代には及ばない。

選管は「鉄拳」のポスターを使ってPRをしているが、「街の絆は投票から」という訳の判らない標語を並べ、情緒的で上っ調子な方法よりも、リアルに上記の数字を見せて、若者のホンネに迫らないと、インパクトにはならないであろう。

市長は取りあえず4年の任期だ。しかし、投票する権利は、その間隔が4年あっても、終世のものだ。若者ほどその任期は長いのだ。従って、若者ほど責任は大きいはずである。これは若者にとって逆転の発想かも知れない。

一方、年をとれば、「残された生の時間」という意識が鮮明になってくる。それは人を時間に対してケチにするかもしれない。そうすると、逆に生に執着するようにも思える。社会保障・社会福祉に敏感になる所以だ。

しかし、川崎市公認の「鉄拳PR」ができると、何も考えずに、それを使ってPRするだけになる可能性もある。FB,Twitterなどを見ていると、市議会議員さんたちは、その代表例のようにも見える。「○○の一つ覚え」のように、出来合いの資料を使うだけのPRもまた、「危機感を持たない惰性的行為」の産物になるだろう。