遅いことは猫でもやる

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風の盆 アゲイン

2012-09-06 10:38:53 | 行ってきました

狭い道の両側に人々は座って街流しの踊りがくるのを待つ。

きたきた。

おわら節の歌い手、三味線、胡弓、鼓の伴奏者の列

昨年の感激を思い出し、再び越中八尾の風の盆最終日にやってきた。

昨年泊まった宮田旅館の女将さん(柴田理恵の実家らしい)が、踊りを見るなら月見の盆、雰囲気を味わうなら風の盆最終日、と教えて頂き、最終日に来たのだ。この日は11の町内の町流しが一斉に各町で行われ、鉄道駅では始発の列車を送る踊りで締めくくりをする、といわれている。

何万人が押しかける風の盆なのに、町内で泊まれるのは僅か1000人足らずとのこと。私たちは運良く、八尾ゆめの森、ゆうゆう館(公共宿泊施設)の抽選に当たったのだ。風の盆が催される八尾町の町並から、歩いて15分ほどの丘の上にあるこの施設から、夕方6:30頃出発。一路諏訪町通りを目指す。

午後の豪雨も上がり、すでに大勢の人が押しかけている。我々も道端に席を取り、街流しがくるのを今や遅しと待つ。法被を着た町内のおじさんが声を枯らして、交通制限をし、やっと人通りが収まった。ぼんぼりの明かりが輝きを増してきた8時近くになって、ついにやってきた。静かに、嫋々と、三味と胡弓、太鼓の音にあわせた、おわら囃しにのって、差す手引く手も鮮やかに、しずしずとやってきた。さあこれから目の前を通り過ぎると思った瞬間、列は左折して諏訪神社のなかへ消えた。聞けば少し休憩を取るとのこと。また待たされた。

15分ほどして隊列は神社から出てきた。男女の踊り手、伴奏者、おわら節の歌い手、最後の踊り手、皆真剣である。見物の人が思わず拍手をすると、件のおじさんが、音を立てるな、と鎮める。写真撮影のフラッシュもできるだけ控えるようにとの指示もあった。あくまでも静かな踊りなのである。またも運が悪かったのは諏方神社から隊列の最後が出た頃、列は止まり同じ場所で踊り始めた。我々は列の後半、伴奏者が眼の前である。


上新町

西町

今回待っている間に隣のお兄さんが風の盆について、色々教えてくれた。その中で各町内踊りでは、諏訪町と鏡町が双璧である。鏡町は見る場所が限られているので、早く行かないとよく見れない。ということであった。そこで、上新町、東町、西町をざっと見た後、鏡町に向かった。すでに「おたや階段」はじめ見物席は満員状態。やむなく列の後ろにたって待った。さすがここは風の盆でも最高峰と言われる踊りを披露するところだけあって、観客席に囲まれた広場に事前に出てきて、立ち位置や仕草の確認をする踊り手がなんにんもいる。又大型カメラを持った人が観客席に陣取り今や遅しと待ち構える。一時間以上も立ったまま待ったが、さすが鏡町である。女踊、男踊りともピシっと決まり、見せてくれる。待ったかいがあった。今回はじめて見るがこの踊りはやはり見ておくべきものだろう。女性は女性らしく、男は男らしさが十分に出ていた。


鏡町の演舞。後ろの階段がおたや階段。

男女が絡む踊りもある

余韻冷めやらぬまま、上新町がやっている一般の人も参加する「大輪踊り」(盆踊りのように観光客も参加して踊る)や西町のご贔屓様への御礼などを横目で見ながら、我々は石垣の坂道を通ってタクシー乗り場へと向かった。ぼんぼりは煌々として明るく、あちこちでおわら節が聞こえる。

翌日、町に出てみたら、ぼんぼりはほとんど撤去されていた。宴のあとという何か寂しい風が街を吹いていた。これもなにか日本的で風情を感じた。この風の盆の三日間毎日雨が降って、1、2日は満足に出来なかったが、3日は幸いにも出来たとのことだ。我々は運が良かった。

ヨハンにも煌々と点く石垣の坂道のぼんぼり

翌朝ぼんぼりはは綺麗に片付けられていた

町内の片付けが始まっていた

9/3(月)のPhotomemo日記

2012-09-03 15:30:02 | 雑感
15:26鱒のすし本舗。越中八尾へ行く途中、鱒のすしミュージアム併設のレストランで昼食を取った。明るく綺麗な建物で観光バスが沢山止まり、九割方座席は埋まる大盛況。片隅の一般席で食べた定食が秀逸であった。ますのすし、こぶじめ、ほたるいか、しろえび、氷頭、鱒の塩焼き、きんぴらごぼう、だし巻き、おまけにうどんまでついている。味付けも素晴らしい。ゆったり、満足して、店をでた。源と言う屋号だが、食品メーカーのプライドを感じた。
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from Photomemo/gaiki

おさん

2012-09-02 07:25:15 | 


山本周五郎「おさん」新潮文庫 昭和45年刊

借りていた佐伯泰英の「密命シリーズ」を大分前に読んでしまったので、この頃はもっぱら山本周五郎である。

ちょっと癖のある、決して明るいとは言えないが、信念を持っている人間を描く作者の力量、人生観に共鳴することが多い。
本編は、色々な可愛い女性を描いている。必ずしも主人公として登場はしないが、取り上げられている10篇の主題は女性の生き方を描いている。
色々な側面があるのだなあ。さすがプロの作家だ。

表題作「おさん」は、躯の相性に目覚めた妻を持て余した男が、一時上方に行くが、留守中耐え切れなくなった、おさんは男を渡り歩く。情欲に翻弄される様は、失楽園を思い出させるほどだ。人間の生き様のやりきれなさを描いて余すところがない。他の小篇では、カラッとした女性、一方的に男に惚れ抜く女性、自由奔放・わがままな人、など色々なパターンが登場する。

女性経験が少ない私には、羨ましいような珍しいような世界である。

だが、概ね登場する男は、いなせな職人で、女性にモテる。勿論そうでない男が喜劇仕立てで出てきたり、出世欲に駆られた男が昔のことをすっかり忘れてしまうというケースもある。が概ね一角の人物である。どうしようもない男の面倒を見る、という筋立てはない。

いろいろな女性を紹介し、作者は押し付けがましくなく、それぞれの生き方を問うているようだ。