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痛快・日本人論

2012-09-26 10:46:27 | 

ポール・ボネ「がんばれ!!日本人」不思議の国ニッポンVol.21 1994年角川文庫刊

山本周五郎を貸してくれたとは別のもう一人の義兄が「面白いぞ」と薦めてくれた本。確かに面白い。というより痛快というべきか。

日本在住のフランス人の著者は親日家と言わず愛日家と称す。
20年前に書かれた本書の内容は社会、政治、教育、経済などなどについて、西欧人(ヨーロッパ人)らしい視点からズバズバ指摘をする。

しかも日本の評論家のように、やたら日本の欠陥を指摘し、嘆くのではなく、世界的な視野から比較をしながら客観的に評価をしている。
ボネの論拠を聞いていると、自虐史観という言葉を思い起こす。その問題点の指摘があまりに的確なので(書かれたのが20年前とは思えないほどである)快感さえ覚える。日本人には少なからずM的な血が流れているのかもしれない。

だが、根底には愛日家の心情が流れている。世界の人々の日本人に対する評価は案外こんなところなのかもしれない、と少々うれしくなる。ただ彼の労働観(キリスト教的な贖罪意識)は我々には受け入れがたいが、そこを除けば概ね彼の意見には賛成できる。

少し昔の本なので、私の様に図書館で探して読むだけの価値がある。21巻のシリーズだが、今の世情を読み解くものとなろう。

そんな意識でいたら、機会を得て同じ著者の「最近ニッポン事情」という本を手に入れた。読むのが楽しみである。