佐伯泰英、いつか新聞の書籍宣伝欄で、「ビジネスマンが一日の勤めを終えて、
息抜きに楽しめる小説を目指している」と制作姿勢を述べていた作家である。
言ってみれば週刊誌の連載小説というところであろう。図書館の書棚で並んでい
た2冊の本を読んだ。「ユダの季節」「テロルの季節」20年、15年前の作品
で、主人公が同じの、姉妹編だ。
作家が実際生活をしたスペインを舞台に、闘牛とクラッシクカーを題材とした冒
険小説である。闘牛場でのテロの瞬間と闘牛の進行のクライマックスは迫力があ
る。当時日本でも活躍していた、日本赤軍と、スペインのバスク独立運動の過激
派ETAとの連携も絡んで面白い。
最近この著者は時代小説、「密命」「吉原裏同心」などで人気を博していると聞くが、一度読んでみたいものである。
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