遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
更新は猫以下の頻度です。

蒼穹の昴

2011-01-07 11:28:46 | 


ご存知、NHKのドラマでも取り上げられた、清朝末期の中国宮廷内の物語であ
る。

稀代のストーリーテラー浅田次郎の力作である。

追放された、元皇帝付きの星占い師が、一人の貧しい男の子(李春児)の行く末
を占うところから始まる。この糞拾いの少年が、清朝の財宝を意の儘にできる、と卦が出ているというのだ。その星は昴。またその幼友達(梁文秀)はやがて宰相になる。とも占う。

文秀は科挙の試験を主席で卒業し、高級官僚の道をまっしぐらに進む。春児は宦
官になり西太后のお側に付く。やがて星占いの言ったように、清の歴史は回転し、
状況が変化してゆく。尤もこの占いにはちょっとしたからくりがあるのだがそこがまた面白い。

司馬遼太郎のような歴史を俯瞰する視点ではなく、そこに生きている人たちの、
欲望、不安、野心などが行動を決めてゆく有様を、きめ細かく語る。
浅田次郎の語り口の上手さは遺憾なく発揮され、TVのドラマよりテンポが良く、
惹きつけられるようだ。
ワクワクしながら読み終えた。エンターテイメントとしては極上である。


追伸 この本も図書館で借りてきているが、この頃図書館に通うことが増えた。
図書館の利点。 1 本を買わなくて良い=無料:年金生活にはありがたい。 2 読んだ本が家に堪らない。(本を整理するにはちょっとしたエネルギーが要る。) 3 堂々と立ち読みができる。内容の目処をつけてから本格的に取り組め、ハズレが少ない。4 貸出期限があり、だらだらできない。 などであり、すこぶる快適である。

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