久々に、ノンフィクションを読んだ。
知人から提供された佐伯泰英が面白くて、離れられなかったのであるが、全14巻
の吉原裏同心シリーズを読み終え、さすがにちょっと時代物は休憩、という気分
になった。
そこで、TVや書評で見つけた、明るい闘病記「困っているひと」大野更紗著
ポプラ社刊 ¥1400+税 を読んでみた。著者の大野更紗は自分を突き放して客観的に見る
ことのできる人だ。激痛と苦しさ、展望のない中で、ここまで明るく闘えるのは
何故だろう。難病ものは、「愛と死をみつめて」「1リットルの涙」など、純愛
と悲劇がセットになっているが、これはあえてお笑い路線をいこうとしている。
「困ったひと」ではなく「面白い人」である。それも半端ではない。感情に流されていないのがスゴイ。
しかし最後の2章で、恋物語が入ってくる頃から、鉄のお笑い路線から微妙に変
化するのが、何故かホッとする。25歳の乙女の部分が現れるのが、愛らしい。
帯に書いてある書評の一部を紹介しておく。
壮絶、絶句、涙。潔さ、優しさ、切なさ、面白さ。理不尽・・・・。
人としての強さ、美しさ。すごいパワー。(30代女性)
これはお涙頂戴の話じゃないぞ。人の生とは何か、とお前に問いかける話だぞ。
(20代男性)
「地獄のような状況」に圧倒されるも、半面、お茶目で独特の文体、ほっとする
世界に癒される。めちゃくちゃスゴイ作品だ。(60代男性)
想像を絶する難病者の日常なのに、ここに書かれているのはあなたや私の姿だ。
この現代の「神曲」に私は幾度も救われ続ける。(星野智幸 作家)、
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