田郁「あい」永遠にあり ハルキ文庫 2015年刊
みおつくし料理帖の著者が手がけた幕末の医師 関寛斎夫婦の物語。関西は実在の人物で、幕末から明治まで活躍した人物。苦労の末に医師となった寛斎は戊辰戦争で多くの人命を救ったが、栄達には目もくれず、医療に邁進する。その影に生きた妻あいはそんな夫をよく理解し、支え、力づけ、寄り添う。
俗世的な生き方を嫌う夫をよく理解し、深く愛した彼女は、夫が最後に決心した北海道開拓にも添ってゆく。
この作者独特の心理描写と、健気に生きるさまは、まるでみをつくし料理帖の澪そのものである。どの人物も同じように見えてくるのだが、それでいてすっきりと共感を覚える。日本人として普遍的な生き方=全力を上げて工夫と努力をし、決して贅沢や奢りに走らない。を訴え続けて居るように見える。北海道の寛斎記念館にも行きたくなってきた。
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