遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
更新は猫以下の頻度です。

突然の死

2007-01-28 22:06:26 | 友人・知人
友人が突然なくなった。


山の仲間で、温厚な人であった。

前の晩、その山仲間の新年会で酒を酌み交わし、
今年の山行きの計画を話し合ったばかりだった。

彼には、冬の上高地へのスノートレッキングを
担当してもらうことになった。
楽しそうに計画を話し、宿泊や、交通手段の
段取りの概要を話してくれた。

ネパールのことも経験者だけあり
(彼は大学山岳部の有力メンバーで、
今度発刊する記録誌の取りまとめ役でもあった)、
エベレストを見るためのゴーキョピーク山のことも
よく知っていた。

会社のこと(彼は工具製造会社の社長)
ネパールのこと、生い立ちのことなど、
夜が深けるのを忘れた。

ごま塩になった髭を指で触りながら、
彼は何時になく、饒舌で良く喋った。


翌日、9時からの社内会議の席上で倒れ、
そのまま帰らぬ人になった。
腹部動脈瘤破裂だったという。

知らせを聞いて仰天。
暫くショックで言葉がなかった。


昨夜「人間は変われるものだよ」
と力説された事が妙に耳に残っている。

今までの彼の低い、ゆっくりした口調の語り口や行動が
次つぎと思い出され、眠れなかった。


土曜日お通夜に行った。

急なことなのでか、奥様が一人で、
涙で顔を真っ赤にして弔問客と話をしていた。

彼は安らかな顔で眠っていた。

お通夜の儀が終わり、大部分のお客が帰った後、
山岳部の仲間たち15,6人が棺を囲み肩を組んで
大学の寮歌を歌って、彼を送った。

彼にふさわしいお通夜であった。

その後友人であろう長身の人が、
尺八を棺の前で演奏した。

嫋々と、切々と響く尺八の音は、
まさに鎮魂の調べであった。

彼の人柄を表すように、
20名くらいの友人が何時までも会場に残り、
思い出を語り、別れを惜しんでいた。

深い悲しみと、人間の強い結びつきを感じさせる、お通夜であった

人間の命のはかなさと、
生きているときの姿勢の大切さを強く感じた。


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
どなたですか (仲村あきら)
2007-02-05 20:32:55
ご無沙汰していました。私もよく存じ上げている方だろうと思います。そうですか。大動脈瘤破裂ですか。さぞかし厳しい死に様でしたでしょう。と言うのは私の父が、長い事闘病していて、最後は物凄く苦しんで死亡しました。主治医が不審を抱き、解剖させてくれといい、腹部大動脈瘤破裂が死因だった経験をしていますので。
返信する
わかりました (仲村あきら)
2007-02-06 12:52:48
本日、関係者へ連絡を取り、どなたか確認しました。私が予想した方でした。奥様あて、おくやみの手紙を書きました。葬儀では香典供花一切お受けしなかった旨もあわせお聞きしましたので、手紙のみです。奥様と彼とは別姓を通されていた事、承知です。昨年賀状を頂いてあります。
返信する
葬儀に人生を見る (遅い猫)
2007-02-08 12:14:29
 葬儀は、殆ど山岳部関係の人だったらしい。いかにも彼らしい、素朴で、心のこもった送りになった。
返信する

コメントを投稿