都会の暑さを逃れて山に来た。こちらに来てみたら日中は34度近くあり東京と同じだ。だが、湿度と最低気温が違う。日陰にはいると爽やかである。そして空気と水が美味しい。至るところに緑だ。雨の音にさえ和む。
奇妙なのは蝉の声が聞こえないことだ。前回は確か煩く鳴いていた記憶があるが、今回は静かなもんだ。
そんな一日夕暮れ時、西の空があかくなった。と思っているうちに一面に広がり西の空から一面南にかけて、真っ赤に染まった。
夕焼けだ。俳句の世界では確か夏の季語だと思ったが、小中学生の頃夏休みの終わり頃、よく夕焼けを見ていて、宿題の写生画に画面いっぱいの夕焼け空を描いたような記憶がある。しかしながら目の前の赤の輝きはどの記憶より鮮やかなもので、まさに「空が燃えている」ようだ
一瞬で消えてゆく、夕焼け空を見ながら、宿題に追われない幸せを感じながら燃ゆる夏空を送った。