遅いことは猫でもやる

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2014-12-09 10:43:34 | 雑感
平和の泉から見た平和祈念像
 祈念公園入口エスカレータ
 平和の泉横の石碑

長崎に来たならここを外す訳にはいかない。真っ青に晴れた晩秋の空の下、祈念公園に向かった。
入り口にエスカレーターが設置してあり、被爆者、遺族の高齢化を感じさせられた。

入ったすぐに「平和の泉」の噴水があり、そこに被曝当日の体験を綴った少女の作文の一部が刻まれていた。
広島の「過ちは二度と繰り返しません」の言葉とは対照的に生々しい。噴水が陽に煌めき、虹が掛かっていた。こんな方向に進んでいくと嬉しいが現実はどうも逆行しているように感じる。外国人、若者の参拝者が目についた。この公園は、原爆投下地のすぐ脇で、長崎刑務所浦上系刑務支所の跡地だ。爆撃で跡方もなく(レンガ造りの土台部分のあとは残っているが)なっているが、その向こうに北村西望の平和祈念像が立つ。

 虹が薄っすらかかる平和の泉
 平和祈念像
 集会をする小学生

佛像のような微笑をたたえたこの像は、たしかに圧倒的な存在感だ。天を指す右手は原爆を、水平にのばした掌は平和を、顔は原爆犠牲者の冥福を祈っていると言われる。像の前では二つの集団、小学生、中学生が、平和祈念の小集会をしていた。ミュンヘン郊外のダッハウ強制収容所で、ドイツの高校生がナチスの台頭についてのクラス討論をしていたのを思い出した。小集会はやや形式に流れてはいたが、こうして歴史を直視するのは悪くはない。

この公園の両側は長崎市の呼びかけに応じた世界各国、各都市から平和を象徴するモニュメントで埋まっている。旧ソビエト、キューバ、アメリカセントポール市、イタリア、オランダ、アルゼンチンなどから寄贈を受けている。各国の芸術性が様々なのが面白い。

 爆心地跡モニュメント
 原爆資料館

公園すぐ下の爆心地へ立ち寄り、原爆資料館へ。ここの展示は広島に比べて一層生々しい。映像よりも実物が多いせいか原爆の無差別性が際立つ。またアメリカ軍人の「原爆投下は戦争修了に必要な措置であった」とのコメントのビデオも展示しているのも、単純に「原爆は悪い」と連呼するだけより深く考えさせられる。確か初期の広島はこんな展示だったような気がする。

ちょっと重い感覚を残して、浦上天主堂に向かい、東洋で屈指の教会を参拝して帰途についた。まさに祈り続ける長崎の意思を感じた一日であった。
 浦上天主堂