自民党が政権に返り咲いてから一ヶ月になった。
矢継ぎ早に、いろいろな政策を打ち出す。改革や変化をもたらすものも多くはあるが、そうでないものもたくさんある。
①防災、国土強靭化と称して公共投資の復活を大々的に行う。今まで10年以上やりまくってきて、経済的効果は極めて薄い事が実証されているのにである。
②自動車税の特定財源化。小泉政権がやっとの思いで、利権剥がしをして一般財源化をした、制度の復活。自動車族の利権復活。
③原発容認、発送電分離の延期。電力業界の圧倒的な政治力の支持を取り付けるためか。
「エネルギー事情を勘案し慎重に検討する」というのは、八ッ場ダムの工事例を見ても、発送電は分離しないと言っているようなものだ。
消費税の低減税率は先延ばしにして、対象業界をこれから決めるそうだ。業界の利権に絡む選択を選挙後まで引っ張り、選挙を少しでも有利にしようという魂胆が見え見えである。
確かに民主党の政治では、素人がプロである官僚に取り込まれてしまった。だが、自民党も財・官・政の鉄のトライアングルを壊す勇気が、さっぱり見えない。特に、諸悪の根源ともいうべき官僚の悪弊を、制度上から改革してゆく意欲が全く見えない。ここが日本再生の天王山とおもうんだけどなあ。
自民党が取り戻したかったのは「権力」「利権」「票」だったのではないか。国を何のために動かすのか。
その意味では確かに「国民の生活が第一」だ。しかも「未来」の子供達に対してである。制度疲労を起こしている統治機構を総点検せねばなるまいと思うが、官僚の反撃を恐れてか、この方面の改革には手を付けず、やたらに新しい法律の制定に勤しんでいる。
この古い自民党体質に我々はもっと目を凝らして見つめねばならないと思うのは私だけだろうか。