江戸時代、諏訪高島藩から将軍家に土用そばとして献上されていた歴史をもつ。
最近、地元の農家、製粉会社そば店が一体となって復活させたというこだわりの十割そばである。
秋に収穫された玄そばを「大寒」の時期に清流に晒し、「立春」の時期に寒風に晒し、夏まで土蔵に保存しておき、
この7月に供する。
とまあ、PRチラシにはのべてある。7/13~22日までの期間限定で茅野市の蕎麦屋11店で提供されると聞き,これは食わずばなるめいとでかけた。
最近ちょくちょく行く駅前のよもぎ庵でポスターを見た記憶があり、そこへ直行。午後3時到着。何やら店先に小さな張り紙。
近づいてみると「閉店のご挨拶」。え!ここ繁盛していたのに。そういえばこの店の親父は、孫と遊ぶのを優先していったっけ。
やむなく、駅の観光案内所で聞く。「えー、この時間では更科さんは午前中で売り切れと聞きましたし、少し遠くなりますが呉竹房さんならできると思いますが」との御宣託。
多少のことは問いません。そこはどれ位かかりますか?「車で10分くらい」なーんだと、その店に向かう。別荘地へ向かうビーナスライン沿いの店。寿司屋さんでもある。
先ず入ったら「観光案内所から来た人でしょう」「今丁度打ち上がったところです」。見ると先客が一組待っていた。私らの後から若い二人連れがもう一組。
蕎麦つゆ、猪口、薬味、それに何やら黄色の酢みたいな色の液体の入った器が乗ったお盆が来る。これは何ですか?と聞くと、「寒晒しそばは優しい味わいなので、タレをきついと感じる方はこのだしで少し薄めてください」
と店の人はおっしゃる。まず「これを」と出てきたのが「水蕎麦」。水の中に蕎麦が一箸分沈んでいる。寒晒しそばを生(き)で味わってくださいという趣向だ。何もつけずに啜ってみると、ほのかに甘い味わい。続いてザルの上に盛られたそばを、たれで味わう。う~む、なかなかのものだ。寒晒しだから特別ではないと思うのだが、それでもきりっとしたそばの美味しさが十分出ている。堪能した。
寒晒しそばには、血圧の降下、肝機能・腎機能の改善、血糖の抑制、精神安定などに効果のある注目の成分「ギャバ」が通常のそばに比べ2.7倍も含まれているそうだ。
などと散々効能書きをきかされたが、そんな事より結構美味しかった。もう今週末で終わりというのが残念である。