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響きあう心を育てよう

2006-04-05 11:12:34 | 講演録
川崎市の男児投げ落とし事件、岡崎の同僚社員を刺した事件など、
どうも当事者の心理がわからない事件が多発しています。

一体過去にどんな、成長過程があったのでしょうか。

春は、卒業の季節であるとともに、入学、入社の季節です。
今回は子育てについての貴重な意見を紹介します。
ご自分の子供・お孫様についても参考になると思います。


■川崎医療福祉大学 特任教授佐々木正美教授のお話

子育て、青年、家族についての精神医療を担当する専門臨床医です。
佐々木教授は、3人の先輩学者の論理から説き起こします。

◎ハート・サリバン
「人間はこの世に生まれたからには、生きる意味、価値がある」
それは人間関係を通してのみ、確認、調整できる。

◎エリック・エリクソン
人間関係は、与える者と与えられる者が「相互に」良い関係を
作っている時に最も効果が現れる。赤ちゃんと子供、先生と生徒、
医者と患者、上司と部下はお互いに影響しあっている。
(例)生徒から教えられると感じている先生は良い授業が出来る。

◎アンリー・ワロン
赤ちゃんの成長過程は次の段階をたどる

  • 無意識の微笑み返し(0~2ヶ月)親が笑うと赤ちゃんも笑い返す。生後まもなくの殆ど自意識のない赤ちゃんでも反応する。
  • 傍に居て欲しい(2~3ヶ月)離れると泣いてけん制する。
  • 喜ぶことをやってくれという自意識の芽生え(3~4ヶ月)多くは抱っこの欲求。望む事をやってくれ。
  • 私が喜ぶことを、喜んでくれ(共感してくれ)という欲求(4~6ヶ月)

この段階を経たのち、他人の悲しみが解る様になる。
情緒が円満に育ってゆくといわれます。

ただ、本人が喜ぶ方法は色々あります。
御両親と祖父母、御近所の人ではそれぞれ違います。

両親は将来の幸せを願って、我慢などさせ、
祖父母は今、現在の幸せを味あわせようとする。
色々な形があってよい。大切なのは、自分が喜ぶことを
心から喜んでくれる人が周りに沢山いることです。

その延長で行くと、
保育園、学校の先生と両親の仲が良いこと
=親が先生を信頼している事がわかると、
子供は物凄く安心し、情緒も安定する。

自分を喜んでくれる仲間だと安心します。
親と先生の一言二言の会話がどれだけ子供に大きな影響を与えているか
意識すべきです。



翻って考えると、新入社員についても同じことが言えるのではないでしょうか。

本人の成長をともに喜ぶ先輩、上司が居る。
上司と先輩とは信頼しあって仕事をしている。

これらのことが私たちの間に響きあう心を育てて行くといってよいと思います。