権助の冒険

ノンセクションでぼちぼちと。

「陸軍登戸研究所」

2013-08-28 06:18:03 | 映画

昨晩、時間ができたのでみた。
こういう商業的には絶対成功しそうもない映画を見れるのは、東京近郊に住んでいなければ無理。
さて、この映画、面白かったか?と問われれば「面白くは無かった」、、見て良かったか?と問われれば「見て良かった」、そんなだった。
3時間ものインタビュー映画と言えば、観る前からある程度創造は出来たが。
いろいろな秘密兵器の話が出てきたが、「風船爆弾」と「偽札製造」が軸になっていて、実に様々な人々が巻き込まれていたのが印象的。
映画のトーンは穏やかな「反戦」で、あの戦争を秘密兵器の開発製造と言う側面から眺めている。

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YouTube: 『陸軍登戸研究所』予告編

「風船爆弾」なんかは”成功した秘密兵器”として知ってはいたが、費用対効果の点で狂気の沙汰、というのが本作を見た印象。 和紙とこんにゃくで水素気球を造るなどと、まさしく我が国の伝統工芸のなせる技、これを大金掛けて開発して、大勢の人々が関わって製造して、9000発も打ち上げて、実際の記録に残った被害は微々たるもの。(実際、米国の一家族が被害にあっただけらしい)

「偽札製造」
これは我が国にしては割と知恵をつかった謀略らしくて、不謹慎ながら感心した。
ただ何とも情けないのが、アジアに進出した日本軍が現地で食糧・資材の調達にこのニセ札が有効活用されたと言う話。どうやら日本軍の食糧補給は現地調達で賄うのが普通だったらしい。
これを現地通貨(ニセ札)で賄うのだから、物は手にはいるはインフレは起こせるはで一石ニ鳥。 まさしく謀略戦。
で、このニセ札開発に関わった幹部は戦後米軍に協力して、戦犯として裁かれることも無く豊かな余生を送ったらしい。この辺は731部隊の幹部と同じ。
インタビューワ―が米軍への協力に関して「当時(戦後)の日本政府が関与していたと思いますか」と問うと、「もし関与していれば年金が10年も途切れることは無かった」との答え、これには真実を感じた。

この映画は膨大なインタビュー記録からたった3時間にエッセンスを抽出した物で、商業的な成功はまず望めない。こんな映画を作る人々には素直に脱帽。

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