風月庵だより

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軍隊か病院か

2009-11-06 17:50:39 | Weblog
11月11日(木)雨【軍隊か病院か】(いつもルナの写真ですみません。少し国際的な話ですので、後ろに地球儀があるということで)

先日、友人の息子さんがオ-ストリアから遊びに来てくれました。5歳の時まで日本にいまして、可愛いけれどもやんちゃな坊やでした。本人も自分は”naughty boy"だったでしょう、というくらい確かにやんちゃでした。 それがとてもすてきな19歳の青年に成長していて、母と私は感動したといってもよいほどでした。母は特によく子守をして、「ばあちゃん、ばあちゃん」と言って慕われていましたから尚更です。

食後の洗い物も「これは僕がするから休んでいて」とさっさとしてくれますし、お茶を飲みましょう、と言えばお茶碗はだしてくれるし、年寄りを労ってくれるし、お小遣いをおばあちゃんから貰っても、こんなに要らないからと本当に遠慮の心はあるし、とにかくいろいろと感心することが多く、これはママがきちんと躾もしたのだろうし、本当の意味の愛情を持って育てたのだろうと思いました。

ところで、彼は5年制の専門学校を卒業したので、1月からは病院のボランティアに行くのだそうです。オーストリアでは18歳になるか、または高校等を卒業した後は、軍隊に6ケ月か病院のボランティアを9ケ月することが全員に課せられている義務なのだそうです。その後、大学に行きたい人は行くということです。彼は軍隊よりも病院のボランティアを選んだのだそうです。

このような話を聞きますと、日本の現状とつい比べてみたくなります。勉強さえしていれば「良い子」のように見る社会はどこかおかしいのではないでしょうか。そして勉強さえしていればよいとして、甘やかされて育った子どもたちはどうなるでしょう。

昨日、イギリス人の女性を殺害した犯人が逮捕されました。2年8ヶ月の逃亡生活の後に、ようやく逮捕されました。逮捕の報道に、彼の両親がインタビューに答えていましたが、「皆さんは鬼のような男と思うかもしれませんが、私どもにとってはかわいい息子です」「きちんとメモをとって仕事に励んでいたと聞いて、やはり我が子だと思いました。死なないで生きていてくれて有り難いと思いました。」というようなコメントをしていました。

このコメントに対して、どう思うかはそれぞれにお任せします。子どもを虐待する親もいれば溺愛する親もいたり、親だけではなく、現在の日本の社会が子どもたちをスポイルする材料がいくらでもある、これでよいのだろうか、日本は、と思った次第です。