1月7日(土)晴れ【ロドス島とmediumそして人類の滅亡】
今日は東京地方にも雪が降るであろうという予報が、全くはずれて久しぶりの青空である。多少なりとも青空でないとロドスのことは書けない気がして、去年の暮れの宿題をそのままにしておいた。
ロドス島はギリシャの南東に位置していて、トルコに近い。ギリシャ最大の島、クレタ島や他の小さな島と共に地中海とエーゲ海を区切っているような位置にある。もっともこれが地中海、ここがエーゲ海と人間が勝手に名付けただけのことで海の水は区切れているわけではない。トルコに近いこともあるが、ロドス島はトルコに属していたこともある。ローマ帝国の支配を受けていた時代もあるし、第一次大戦ではイタリアに占領されている。他民族の支配を常にうけていた島であるが、第二次大戦後にようやくギリシャに戻されたという歴史がある。
私が訪れた1981年には、ただ静かなリゾート地であり、抜けるような青い空、それが今でも私の記憶に残っているロドス島である。私が友人たちと泊まったのは、新市街にある海辺のホテルだった。その時はスイスやオーストリア、ドイツの友人たちと一緒であったが、彼らの夏休みは一ヶ月以上あるので、日本とは随分違う。
その時のロドス訪問の目的は、友人たちとロドスで夏の休暇を過ごしながら、食事や心身の健康について学ぼうということであった。食事がいかに肉体的にも精神的にも影響を及ぼすかということを学ぶことは大事なことである。肉食中心の食事をしてきた人が、玄米菜食中心の食事に切り替えて数年たつと、顔つきが変わるほどの変化があることは、先祖から菜食が中心であった東洋人では判らない変化である。ある友人が数年間の顔写真だけを並べて見せてくれたが、同一人物とは思えないほどの変貌ぶりであった。この頃ようやく食育ということを日本の社会も気づくようになった。長い間既にそのことの重要なことを唱え続けてきてくれた人々のおかげである。
さて、ロドスに行った友人たちのなかに、medium の役をする人がいた。日本語に訳すと霊媒とか巫女というような訳になるだろう。霊能者という訳もやはり medium になるだろうか。今、研究社の和英大辞典で調べてみたが、霊能者という項目はなかった。おそらくspiritualisticがつくのだろう。霊媒と霊能者はその働きにおいて違うといえよう。霊媒は単に霊的な現象に対して敏感であり、それを伝えることのできる者のことであり、霊能者はさらにそれによって、他者への働きかけのできる能力のある者という区別が可能だろう。しかしそのような現象をまやかしとみる見方もある。肉体の目で見、耳で聞くこと以外の現象はありえないという受け取り方である。証明しがたいことだから、どのように受け取ってもそれぞれの自由な分野である。
新市街の南にスミス山がある。そこは古代、ロドスのアクロポリスだったところである。ここの古代遺跡には古代スタジアムやアポロン神殿の遺跡があった。孔雀もいたような気憶がある。廃墟となった遺跡に坐って、私たちは古代からの風を楽しんだ。友人たちはみな長い足を組んで 結跏趺坐(両足を腿の上のせる坐禅のの組み方)を組んだり、半跏趺坐(右足または左足だけを腿の上にのせる坐禅の足の組み方)を組んだり、それぞれ自由に坐っていた。こんなロドス島の青空のもとで、坐禅をすることは坐禅堂の坐禅とは違った趣である。かつてインドで釈尊が坐禅をなさったとき、今の日本や中国にある坐禅堂のようなところでの坐禅とは違ったはずである。坐禅堂にはそれなりの静けさが漂っているが、閉塞感もあるように感じる。それはそれなりの伝統があるが、たまには大空のもとの坐禅もよいのではないかと思う。
坐禅の後で、mediumの友人が語ったことが、「人類の滅亡」であった。
かつてロドスが海の底にあった話から、ふたたび隆起したこと。そしてふたたびロドスが海に沈むとき、人類が滅亡するという話であった。それを何千年前かのオラクルという霊が下りてきて、彼女の口を通してそれを伝えたのだった。
ロドスの空の青さとともに、私の脳裏に強くインプットされたことが人類の滅亡であったのである。
霊界人の時間的感覚はどうも現代人とは違いがあるようだし、 信じるか、信じないか自由なことであるが、この小さな地球をこれ以上汚さないように一人一人気をつけられることは気をつけたいものだ。しかし、兵器による汚れがかなりひどいのではないか。原爆を落とした国が、ベトナムでも多くの化学兵器を使用し、またイラクでたびたび爆弾を使用し続けている 。他の国でも兵器を平気で使っている国があるが、産業からの大気の汚れより、兵器による汚れのほうがひどいのではなかろうか。どれほど大気が汚れているかわからない。兵器による汚染には、人々の苦しみ、悲しみが張り付いていることを見逃してはならない。
今日はもう七日、一日中禅語録との格闘でお正月も終わった。