mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

目下の目標と体力の見切り

2024-06-10 10:01:13 | 日記
 先週木曜日に山へ行った。昨日になって、やっと、その疲れが取れていると思った。恢復するのに3日かかる。仕事をしていた頃は、土日に山へ行くとその翌週の1週間は身体の調子が良かった。月曜日からげんなりするようなこともなかった。山歩きは仕事の疲れを恢復する最良の方法と思っていた。むろん毎週山へ行くことはできなかった。せいぜい月に一回。多くて二回。
 仕事をリタイアした60代は、週に何日も山へ入った。テントをもって行ったりもして1年ほど取材活動をし、「奥日光自然観察ガイド」という本を編集、出版したこともあった。年上の、やはりリタイアしていた山仲間に誘われて、海外へも出かけるようにしたのも、ほとんどがリタイアしてからであった。
「黄金の60代」と後に呼んだ。これは体力というよりは、時間がフリーに使えることを言祝いだ言葉だ。体力は、50代より少しは、強くなったように感じていた。屋久島に友人と二人で行ったのは、60代の前半。荷を背負い、山中に泊まり、あちこちに上った。面白い山行であった。独りで25kgくらいを背負って飯豊連峰を縦走したのは60代の後半だったか。このときはヘトヘトになって下山口に着き、体力の限界を歩いているように感じた。
 そういうこともあったから、70代に「山の会」を主宰したのは幸運であったと、振り返って思う。自分の体力の衰えもあって闇雲に歩くことがなくなり、同行者へ気遣いもできるようになっていた。これは『70代の山歩き――山歩講9年の記録』にまとめている。それも実はあとで読み返して、自分の山歩きの変わり様を、無意識の振る舞いを含めてチェックしてみようと思ったのが、発端であった。それはまだ、手がけていない。でも「銀鼠色の70代」と呼んでいいほどの渋い輝きをもっていたと感触をもっている。
 しかし70代の体力は、歳と共にほぼ着実に衰えてきたと実感している。遭難事故もあって、心身ともに、山歩きに関しては画期となった。体力ばかりか、バランスがひどく悪くなった。持久力も、未だ恢復していない。恢復するかどうかも、わからない。去年やっと、笠ヶ岳に行ってきた。ああ、この程度はまだ歩けるかというくらいの感触。
 リハビリにと思って出かけた四国は十八ヶ所の歩き遍路も、去年終えた。そのときに、私は歩くしか能がない。わが身は空っぽと「さとり」を開いたように思った。それで「エンプティ・エイティーズ/空っぽの80代」と、うれしそうに呼んでいる。
 今その80代の二合目。では、1週間ほどの北アルプス縦走はできるかと課題を設け、この夏挑戦しようと考えている。それが、私の目下の目標。7月の梅雨明けに3泊4日ほどの縦走をして、仕上げにかかる。今はまだ、その手前、2日間の入山を計画して、お試しをしなくてはならない。
 こうやって、「お試し」期間中だという気分が、緩やかに歩くレベルを上げていくプランニングの楽しさといい、自分を見つめ直す視線といい、程よい感触を覚えている。ただ、疲れの恢復にこんなにかかっていいのか。自分の体力の絶対的低下を、どこでどう見切ったらいいのか、そこがわからない。
 ま、天気のいい日をみて、まだしばらくは日帰りのハイキングをするほかあるまい。

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