
釧路市西部にある「鳥取」という地名が冠された地域。
1884年から翌85年にかけて、105戸513名もの士族が釧路地方に移住して北方警備と開拓にあたり、このことに端を発する結びつきの強さから、1963年に釧路市と鳥取市は姉妹都市提携を結び、現在も各方面において交流が盛んに行われているということは、以前にも触れましたが、写真にある「鳥取大通」とは、釧路と滝川を結ぶ一般国道38号を中心とするこのあたりで、その南北には「鳥取南」「鳥取北」という地区もあります。

そんな鳥取大通にある「鳥取神社」。
1891年、鳥取県士族移住者が、島根県の出雲大社より、 御祭神『大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)』を「産土神(ウブスナノカミ)」として拝請し、創建された神社です。
移住してきた士族たちが、村を鎮守する神社がなかったことから、出雲大社に御祭神の拝請を願い出たとされています。



本殿です。
「神明造」という建築様式で、日本国内では、かの伊勢神宮がこの様式による神社として有名です。
御祭神である「大国主大神」は「だいこくさま」とも呼ばれる、因幡の白兎の神話でもお馴染みの神様で、そのご利益は、出雲大社といえばの縁結びをはじめ、文化・智識、商業経済の神、大地、漁業、年穀豊熟、薬事、医業、機械、福徳と幅広いものと言われています。


境内にある「神楽殿」。

これは、「釧路美容協会」が建立した「くし塚」。
毎年9月4日の「くしの日」に、使い終えた櫛をはじめとする美容用具を神前に供える「くし供養祭」を行ってきていましたが、1993年、同祭の二十五回記念と同協会の創立三十五周年を記念して、同年8月31日に除幕式が行われました。

これは、釧路書道連盟による「筆塚」。
1996年に、筆をはじめとする書道用具を供養する目的で建立されています。

人形を供養する塚もあります。
毎年6月30日に、「人形焼納祭」という、人形やぬいぐるみにお祓いを行い、魂を抜き因縁を取り払う儀式が行われているそうです。
「鳥取神社」の場所はこちらですが、境内には、神社の他にもう一つの歴史スポットがあります。
そこはまた、次の記事で。