自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆2020 先読み~賀状は世相を映す

2020年01月05日 | ⇒トレンド探査

   いただいた年賀状を読み返してみると、ほのぼのとするのもの、嘆き節などさまざまな思いが込められていて面白い。千葉県に住む知り合いから「ワォッー!」という賀状をいただいた。文章はないが、五輪のマークが入っていたので、おそらく今年はオリンピックがやって来る、という意味を「輪」と「ワ」で表現したデザインなのだろうと推測した。

   というのも、千葉県ではオリンピック・パラリンピックの競技が8つも開催される。開催都市である東京都に次いで2番目の競技数だ。幕張メッセでのフェンシング、テコンドー、レスリングの3競技に加え、釣ヶ崎海岸で五輪史上初となるサーフィンが開催される。パラリンピックでもゴールボール、シッティングバレーボール、テコンドー、車いすフェンシングの4競技が行われる。「ワォッー!」はおそらくオリンピック大歓迎の意味だろうと解釈した。

   開催地・東京の友人からは、皮肉たっぷりな賀状をいただいた。タイトルは「STOP! 東京五輪」。小池百合子都知事のつぶやきのような文面になっている。

   「東京五輪 開催は返上するヮ だって良く考えたら、オリンピックってお金はメチャクチャかかるし、観光客が大挙押しかけてきて、街も道路も大混雑。ただでさえ暑い東京の夏が『灼熱地獄』になるヮ。クーラーなしの陸上競技場で熱中症になったり、大腸菌ウヨウヨのお台場で泳いだりーーバカじゃないの。マラソンは札幌に取られたし、東京でやる意味なんかない。もう開催は返上。『五輪はご臨終ョ!』 あら、正月早々縁起でもない。ゴメン遊ばせ。でも、7月の都知事選で私が勝ったら話は別だワ。東京五輪、バンザーイ!」

   思わず笑ってしまった。前半の文面はおそらく東京都民の本音だろうと解釈する。ただでさえ混み合う東京で、しかも暑い盛りにオーバーツーリズム(観光公害)が起きて、都民の生活に悪影響をもたらす。まさに、灼熱地獄とはこのことだと嘆きが聞こえてきそう。後半では、開催には都民の税金が使われて、マラソンは札幌に持っていかれ、「五輪はご臨終」という言葉に自虐的な気持ちが伝わり、同情する。小池知事もいま同じ気持ちでいるだろうけれど、7月の選挙に勝てば、「東京五輪、バンザーイ!」だろうな、政治家は打算的だから、と皮肉交じりで。ユーモラスでしかも短文、感服した。

    さて、2020年は東京オリンピックを頂点にさまざまドラマが政治、経済、社会の各分野にもたらされることだろう。実り多き一年であることを願いつつ、ブログで世相を活写していきたい。

⇒5日(日)午後・金沢の天気   くもり時々あめ

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