自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆オリンピック延期、聖火は宙に浮く

2020年03月24日 | ⇒ニュース走査

    面白いもので、きのうのブログで「オリンピック銘柄」の話題として、翻訳機「ポケトーク」を開発・販売している「ソースネクスト」(東証一部)を取り上げた。今夜、安倍総理とIOCののバッハ会長が電話で懇談し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて東京オリンピックを延期する方向で話し合うとの観測がニュースなどで流れた。すると、オリンピック銘柄が動いた。ソースネクストは前日比で8.75%も値を上げ、286円で引けた。東京市場では日経平均が前日比で7%、1204円上昇し、歴代9番目の上げ幅を記録した(24日付・日経新聞Web版)。

   きょう午後8時からの安倍総理とIOCのバッハ会長の電話会談では、東京オリンピックを1年ほど延期することで一致したようだ(24日付・共同通信Web版)。夏の東京オリンピック・パラリンピックを「完全な形」で開催するためには延期が望ましいと判断したようだ。これを受けて、バッハ会長は、IOCとして4週間以内に結論を出す方針で、理事会メンバーとも協議する。オリンピックは
戦争で中止になった例はあるが、延期することになれば史上初めてとなる(同)。

   ということは、来年の東京オリンピック・パラリンピックが安倍総理の「花道」になるのではないか。安倍氏の自民党総裁としての任期満了は2021年9月末だ。2017年の党則改正で総裁任期は連続3期9年までとなっている。まさに「モモとクリ三年、ユズ九年」(安倍氏が1月の仕事始めで述べた言葉)、ユズの花道ではある。

   一方の小池都知事もことし7月5日投開票の東京都知事選で自民党本部の支援を得て戦うことになりそうだ。オリンピック・パラリンピックが延期開催となる中で、選挙戦になれば、IOCにとっては開催都市の知事が変わるかもしれないので、相談や申し入れがこの間できなくなり、不安定な状態が続くことになる。それを避けるには自民は現職の小池氏を支持せざるを得ないだろう。

   それにしても残念なのは「聖火」だ。延期が固まったことで、大会組織委員会は26日に福島県で始まる予定だった聖火リレーを中止した。121日間をかけて47都道府県を回り、オリンピックムードを盛り上げる予定だったが、土壇場での取り止め。聖火はしばらくは福島県に留め置かれるそうだ。まさに宙に浮く聖火か。(※聖火は日本に到着したもののリレーは中止となった=写真はIOC公式ホームページから)

⇒24日(火)夜・金沢の天気    くもり

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