自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★コロナ危機を逆手に遠隔教育を

2020年03月07日 | ⇒ニュース走査

        2月28日付のこのブログで、新型コロナウイルス感染の拡大を防ぐため、今月2日から全国の小・中学校と高校などが臨時休校となるので、NHKは3月から放送と通信の同時配信に入るのチャンスにEテレ(教育テレビ)の動画コンテンツを特別編成してはどうかと提案した。ブログを読んでくれた知人から「大手出版社はすでに漫画コンテンツを期間限定で無料公開を始めているよ。さすがに対応が速い」とメールをもらった。 

   さっそくネットで調べてみる。集英社は『週刊少年ジャンプ』の2020年1号から13号を無料公開している。今月2日正午から同31日23時59分まで、マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」と同社の総合電子書店「ゼブラック」上で無料で読めるとツイッターで紹介している=写真=。小学館も『コロコロコミック』の1月号や『Sho-Comi』の3・4合併号・5号・6号、『ベツコミ』の2019年12月号から2020年2月号などを無料公開に踏み切っている。

   突然の休校で手持ちぶさたになった子どもたちの間で、この漫画コンテンツの無料公開は話題になっているのではないか。子どもたちの興味がスマホでのゲームなどに流れ、少年誌が部数減になるなど「漫画離れ」の現象が起きている。そこで、出版社としては子どもたちを漫画の世界に呼び戻すきっかけにしたいとの思惑があるのだろう。無料公開されている漫画コンテンツは子どもたちだけでなく、大人も楽しめる。意外と熱中しているのは大人かも知れないが。

   ところでNHKの対応はその後どうか。3日に「学校休校に伴う特別編成」をNHKが発表し、Eテレでは午前9時から10時15分までの学校放送番組、午後2時から3時までの高校講座を休校期間中も放送し、自宅学習をサポートするとしている。ウェブサイト「NHK for School」でも、特に未履修の単元を自宅で学習できるよう、教育現場の先生たちが薦めるコンテンツを学年別にセレクトして掲載する。また、子どもたちが「NHK for School」に感想文などを投稿できるようにする。

  面白いのは、Eテレのサブチャンネルを活用するコンテツだ。午前10時25分から子ども向け番組として『すイエんサー』『バビブベボディ』『自由研究55』や海外ドラマを、そして午後1時5分からは「子どもたちにストレスを発散してもらえる番組」として『パプリカ』『おしりたんてい』『なりきり!むーにゃん生きもの学園』などを編成する、としている(3日発表のNHK報道資料より)。ただ、サブチャンネルで番組が提供されていることはあまり知られていないので、ぜひPRもしてほしい。

  Eテレ活用の発案者の一人である、『月刊ニューメディア』編集長の吉井勇氏からのメールマガジンによると、5日官邸で開催された未来投資会議で、複数の民間議員から「コロナ対応で、遠隔診療と遠隔教育の推進を」との発言が出て、とくに遠隔教育でのNHKの活用に言及があったようだ。これを機会に教育の多様な有り様をぜひ実現してほしいものだ。

⇒7日(土)朝・金沢の天気     はれ

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