自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★身構える冬~上~

2009年12月18日 | ⇒トピック往来
 私が住む北陸・金沢は昨日(17日)からうっすらと雪化粧が始まった。市内で5㌢、山沿いでは10㌢ほどだろうか。雪は人々の生活を一変させるから不思議だ。まず、「(雪が)くるぞ」とばかりに人々は身構える。たとえば、自家用車で通勤している人は、天気予報で雪マークが出始めるとノーマルタイヤをスタッドレスタイヤに履き替える。多くの人は近くの自動車整備工場に予約を入れ、順番を待つ。相場はタイヤ4本で3000円ほど。春には同金額で外す。

 庭木のある家では「雪つり」を施す=写真=。雪つりは北陸特有の水分を含んだ重い雪から樹木を守るため。地球温暖化だから雪つりはいらない、あるいは、気象庁が暖冬を予想したから雪つりを怠ったという家庭はおそらくない。雪は多かれ、少なかれ降るのである。この雪つりの形状が三角錐で、冬の金沢の風物詩にもなる。庭師を雇ってのことなので経費はかかる。補助員を含めて3人がかりなら5万円ほどになる。春には外すので合計10万円ほどになる。

 家庭ではスコップを用意する。自宅前の除雪用だ。面白い現象がある。除雪をするのは金沢では女性が多い。おそらく除雪は伝統的に家事の一つとしてとらえられているからだろう。一度に大量の雪を運んで捨てる「ママさんダンプ」という除雪用具があるくらいだ。樹木に雪つりが必要なくらい金沢の雪は重く除雪は結構な重労働だ。ちなみに、整骨院が繁盛しだすのもこのころ。除雪は腰に負担をかけるからだ。おそらくこの事実を降雪地帯ではない人たちが知ったら、ブーイングが起きるに違いない。「金沢の男性は重労働を女性に押し付けている」と。もちろん、家庭によっては我が家のように男性が除雪の家事分担をする家もあるにはあるが、見渡しても少ない。

⇒18日(金)朝・金沢の天気   雪
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