湯尾で走ったため早朝からの強行軍(何の意味もなかった)のため、少々疲れを感じながら次の撮影地細呂木へ向かった。ここもクルマで一度来ているが、車で来る必要などないほど駅から近い。なのに来る人も9割方クルマ利用だ。鉄道撮影を行う人間は鉄道が好きなのか車の運転が好きなのかよく分からない人間が多い。実際そういう人も多いだろうが、中には運動嫌いも多く、一歩でも歩くのを渋る人間も多いことだろう。クルマは確かに便利だが、鉄道を撮るのだから鉄道を利用するのが基本だろう。また、クルマでは撮らせてもらっている鉄道会社に一銭にもならないというシビアな現実もある。廃止前に人が群がるというのは鉄道ファンのある種の心理であるが、廃止にならないように鉄道を助けるのもファンの行動のうちなのではないかと最近つくづく思う。高速無料化などが実施されればますますクルマ利用の鉄道ファンが増えるのではないかと思われる。鉄道を苦しめ、環境を苦しめるファンを果たして鉄道ファンと呼んでいいのかという気がしてならない。今の撮影地の状況を見る限り、そこにいるのは鉄道ファンではなく、カメラとクルマとガソリンに金を突っ込むたちの悪い連中といった人が異様に多い。中にはまっとうに鉄道を利用している人もおり、嬉しく思うこともあるが、そういった人は割合的には非常に少ない。撮って追いかけるだけでなく、もっと鉄道を好きになって欲しいと心から思う次第だ。
話がそれたが、クルマ来訪が異様に多い細呂木は思ったよりは空いており、意外にも駅間近のカーブ の方が人が多いぐらいだった。撮影地特有のぎくしゃくした雰囲気もなく、まったりと2時間近く過ごし、上下雷鳥、下りトワイライトを撮って、当地を辞すことにした。撮影者は光線状態にこだわる人が多く、あまりうろうろする人は少ないが、私は同じ写真をなんぼ撮っても同じということで、色々巡るタチで、細呂木から牛ノ谷峠へと急いで歩くのであった。