今日は早朝から雨の中所用で出掛け、所用を済ませた後に京浜急行電鉄・新逗子駅の裏にある越前蕎麦をいただくことの出来る『そば席御清水庵・あん彦』さんで一人昼食を取りました。
お店に到着して扉を開けると、開店時間の11:00を少し回ったところということもあって先客は無く、「お好きな席にどうぞ。」と案内されたので、テーブル席でも良いか確認してから明るい2人席に着きます。
「木」を基調とした落ち着いた内装のテーブル席に着いて早速メニューを広げます。
今日は初めから「越前づくし」と考えていたので越前直送料理のページを確認し、お茶を持ってきてくれた愛想の良い女の子に「へしこってお昼から食べれます?。」と確認すると、「(出汁巻き卵などの)17時以降の夜メニュー以外は大丈夫です。」とのこと。しかし、お店のご主人らしき方が、「時間があるから(夜メニューも)大丈夫ですよ。」と言ってくださったので、お言葉に甘えて本来は17時以降の料理である「出汁巻き卵」と、越前直送料理の中から「へしこ(鯖のぬか漬け)」と「ホタルイカの沖漬け」をお願いします。
そして今日はビールを飲まずに最初から福井県の地酒「黒龍」をいただいてしまいます。
まず運ばれてきたのは「ホタルイカの沖漬け」で、特別変わった様子の無い、どこにでもある普通の「ホタルイカの沖漬け」という印象ではありますが、味の濃い新鮮さの感じられる美味しいホタルイカで、キリッとした旨口の本醸造「黒龍」がついつい進んでしまいます。
続いて登場した、今日一番の楽しみであり、初体験でもある「へしこ」。
「へしこ」とは鯖のぬか漬けのことで、ふぐ刺しのように薄~くスライスされて出てきました。その「へしこ」を1枚食べてみると薄味ですが、2枚一緒に食べてみるとこれまたお酒の進んでしまう、実に美味しい料理です。
最後に運ばれてきた「出汁巻き卵」は、甘さの抑えられた玉子焼きでしたが、湯気がモクモクと立ち上る温かくホッと落ち着くことのできる「出汁巻き卵」で、厚みを感じるどっしりとした食感と共に美味しくいただきました。
温かいうちにいただきたい「出汁巻き卵」を先にいただいてしまいましたが、「ホタルイカの沖漬け」と「へしこ」がもう少し残っていたので「黒龍」と同じ福井県の地酒「雲の井」を追加でお願いします。また、併せて越前直送料理の「花らっきょう」もいただこうかと思いましたが、お客さんの出入も多くなってきた事から一品料理の追加はせず、越前の郷土料理「おろしそば」を一緒にお願いします。
「おろしそば」をお願いする時、「田舎蕎麦にも出来ますが・・・。」と聞かれましたが、始めて訪れたお店ということもあって普通の蕎麦でお願いしました。また、プラス200円で「とろろ昆布おにぎり」と「きび団子」を付けたセットに出来るようなので、セットでお願いすることにしました。
なお、初めていただいた福井県の地酒「雲の井」は、淡麗やや辛口という印象ですが、まろやかな旨味と造り手の酒造りに対する愛情の感じられる、優しい日本酒でした。
料理が無くなり、「とろろ昆布おにぎり」がまず運ばれてきて、続いて「おろしそば」が運ばれてきました。
目の前にドン!と置かれた「とろろ昆布おにぎり」は、御飯がまったく見えない程、大量のとろろ昆布で覆われていて、香りがとても良く食欲をそそります。
メインの「おろしそば」は、タップリの薬味と大根おろしの入った蕎麦汁と太目の蕎麦の組み合わせです。
まず大根おろしの入った蕎麦汁をなめてみると、確かに辛いです。
続いて何も付けずに蕎麦をいただいてみると、しっかりした歯応えの感じられる蕎麦で美味しいです。
次に、普通のもりそばのように蕎麦をつまんで大根おろしの入った蕎麦汁に付けて食べてみると、辛さと蕎麦の相性が良くとても美味しいです。
そして、残りは全てぶっかけ。
蕎麦が蒸篭ではなく深みのある皿に盛られているので大根おろしの入った蕎麦汁を全て蕎麦に掛けてしまい、更にはタップリあるカツオ節をパラパラ控えめに振り掛けていただきます。
「大根の辛さは季節によって異なり4月は普通。」(ちなみに「夏は激辛」)と説明書きに書かれていますが、適当な辛さと思います。そして一般的な「おろし蕎麦」や「辛味大根蕎麦」とは異なる美味しさです。
確かに適当な辛さの美味しい蕎麦ではありますが、食べているうちに辛さが感じれるようになります。
で、そこで登場するのが、「どうやって飲むんだろうか?。」と思っていた、湯呑みに入って蕎麦と一緒に運ばれてきた蕎麦湯。この蕎麦湯は色々な飲み方がありそうですが、ぶっかけで蕎麦をいただきながら「辛い!。」と思ったらそのまま飲むという飲み方もありなのかな?と思います。
そして蕎麦を食べ終えた頃に「蕎麦湯を注ぐ形でお持ちしましょうか?。」と声を掛けられたので「お願いします。」と思わず応えてしまいましたが、大根おろしの入った蕎麦汁は蕎麦に掛けてしまったので蕎麦猪口は空っぽだし、そのまま飲むのも有りとは思いますが、やはり蕎麦汁と蕎麦湯を合わせていただきたいです。
ということで、結局、大根おろしの入った蕎麦汁を皿から蕎麦猪口にまた戻し、そこに蕎麦湯を注いでいただきましたが、少々行儀の悪い飲み方をしてしまったように思います。
そう思うと、やはりぶっかけにせず、普通に蕎麦を大根おろしの入った蕎麦汁に付けながらいただき、辛いと感じたら湯呑みの蕎麦湯を飲み、そして最後に蕎麦湯をいただいて蕎麦猪口で飲むのが良いのかもしれません。
まぁ、どうやって食べるか、どうやって蕎麦湯を飲むかは人それぞれの好みと思いますが。
そうそう、セットの「きび団子」ですが、口の中いっぱいに広がった「辛さ」を和らげてくれる、甘さのくどくない美味しい「きび団子」でした。
今日は『そば席御清水庵・あん彦』さんで美味しい越前料理とお酒をいただきながら日曜日のお昼をのんびり過させていただきました。また、料理はどれ一つ取っても丁寧に作られているという印象の美味しい料理ばかりで、「訪れて良かった!。」と満足させてくれるお蕎麦屋さんでした。
ごちそうさまでした。