遅い昼食を取るために訪れた、東急田園都市線・宮前平駅近くにある『手打蕎麦・一寸棒』さん。
日曜日とはいえ、14時ならそれ程混雑していないだろうと思いながら窓ガラス越しに店内の様子を伺ってみると、蕎麦を待っているお客さんの姿が見られるなど、まだまだ昼食時が終わっていない様子です。
しかし、満席という訳でも無さそうなので早速お店の扉を開けてみると、20人程で満席となる店内は半数が埋まっている状況で、席は十分に空いているものの食べ終わった食器類が置かれたままになっていて、花番さんがバタバタと忙しそうに動き回っています。
そんな、少々飲み難い状況ではありましたが、店内中央に配置されている12人掛けの大きなテーブルに使用可能状態(?)の空席があったことから、席に着いて周囲の空気を読みながらメニューを広げます。
メニューを眺めながら店内を今一度ザッと見渡してみると、お店には食事のお客さんしかおらず、花番さんも後片付けが追いつかないほどバタバタと忙しそうで、空気をどこからどう読んでも「とりあえずビール」という雰囲気は全く感じられませんが、折角来たのだから・・・と思い、「時間掛かっても大丈夫ですから。」と一言添えて、生ビールと一緒に「そば焼き味噌」と「鍬焼き(やきとり)」をお願いします。
どんなに混んでいてもさすがにビールは直ぐに出るだろうと思いましたが、よほど忙しいのかビールが出てくる前に「そば焼き味噌」が出てきてしまったので、いくらなんでもそれは無いかな?と思い確認してみると、どうやら忘れていたようです。まぁ、そういうことも時にはあるのかな?。
注がれたばかりの冷たいビールをいただきながら「そば焼き味噌」をつまんでみると、ピリ辛な口当たりで、焦げ目の苦味と併せて日本酒が欲しくなる「そば焼き味噌」でした。
花番さんは何だかとっても忙しそうでしたが、料理にそれほど時間が掛かることは無く、さほど待つことも無く次の「鍬焼き(やきとり)」が運ばれて来ます。この時点でビールはまだ残っていましたが、相変わらず忙しそうだったので、少々早めに、みなさんおとなしくお蕎麦をいただいている最中ではありますが、そんな雰囲気を気にすることも無く、宮城県の地酒「純米吟醸・伯楽星」をお願いします。
いただいた「純米吟醸・伯楽星」は、口当たりの甘いまろやかな味わいでしたが、日本酒用の冷蔵庫が店内では無く厨房にあることが影響しているのか冷え具合がやや緩く、もう少ししっかり冷えていると良いかな?という「純米吟醸・伯楽星」でした。
また、柔らかい鳥肉を甘いタレに絡めていただいく「鍬焼き」は、食感も良く、甘さ具合も適当で美味しいことから、もう少し量がほしいかな?って感じでした。
お店に到着した時は席の半分が埋まっていましたが、さすがに14時半近くになると新たに訪れるお客さんの数はグッと少なくなり、何となく「まもなく閉店です」という雰囲気が感じられたことから、確か中休みは無かったハズだけど・・・、と思いながら花番さんに確認してみると、「通常はありませんが、蕎麦が無くなると、一旦お店を閉めて蕎麦を打ちます。」とのこと。
そういうことですか、今日は忙しそうだから中休みがあるのかな?。
蕎麦をいただく前にもう少し料理をいただきたい腹具合ですがどうしようかな?と迷っていると、次に訪れた年配男女4人組のお客さんへ、4人に同じ蕎麦を出すことができず、「せいろ」と「変わり蕎麦」を組み合わせて4人前を用意することになってしまうと説明しています。
えっ?、それって蕎麦が無くなってしまったということなのかな?。
と、少々不安に思っていると花番さんが蕎麦の確認にやって来たので、日曜日限定の「北海道雨竜産・細打ち粗挽きそば」が希望であることを伝えると、「大丈夫です。取ってあります。」とのこと。
それって、「このお客さんの〆はおそらく粗挽き蕎麦。」と読まれているってことでしょうか?。
蕎麦の確認ができてホッとしていると、最後に訪れたお客さん達が蕎麦の他に天婦羅やビールをあれこれ注文していたことから、ならばもう一杯と思い、「純米吟醸・伯楽星」のおかわりと壁に張り紙されていた「グリーンアスパラ天」を追加でお願いします。
追加でいただいた「グリーンアスパラ天」は、薄い衣でサクサク感はさほど感じられず、柔らかい食感ではありましたが、素材の持ち味がしっかり活かされた新鮮さの感じられる美味しいアスパラ天でした。
最後にいただいた日曜日限定の「北海道雨竜産・細打ち粗挽きそば」は、その名前の通りの細麺で、「粗挽き」という言葉から想像する荒々しさは感じられず、喉越しの良い食べ安い蕎麦でした。
今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打蕎麦・一寸棒』さんは、こじんまりとした店内ではありましたが、清潔感の漂う小奇麗なお蕎麦屋さんでした。そして、花番さんもご主人も常に丁寧な接客を心掛けているようで、お店を出る際、お二人に深々と頭を下げられるなど、美味しい料理をいただきながら気持ちの良い一時を過ごすことのできるお蕎麦屋さんでした。
また、その丁寧さは料理にも表れていて、正直、もう少し量が欲しいかな?というそれ程重要ではない希望はあるものの、いずれの料理も美味しく、納得の蕎麦前&蕎麦でした。
ごちそうさまでした。