もうネクタイをしなくなってどのぐらいたつのだろう?
今はもう朝の通勤電車でもネクタイをしている方は減ってきました。
卒業してから母親にせかされてスーツとネクタイを買いにデパートに行った記憶があります。スーツは吊るしの紺色を購入し、ネクタイは目立たない濃い臙脂のニットものを買いました。父に教わった結び目のコンチネンタルノットは、締め終ったネクタイの長さ調整が難しく、短くなってしまい、恥ずかしいので、研修期間は上着を脱がずに過ごしました。配属先に行くと、上司ほど派手な柄とか幅広のネクタイをみて、階級色や柄があるように思いました。一年ほど経ってから思い切ってピエール・カルダンの明るいベイジュ系のネクタイを購入。受付嬢に好評で、いい気になって毎日絞めていましたが、得意先との会食で、洗面を使うと、ノットが顎に擦れて薄汚れているのに気が付きました。恥ずかしくて、会食では会話役だったにもかかわらず俯き加減を通して、大失敗。それからネクタイは清潔第一でそろえるようになりました。高価なブランドのネクタイをするようになったのは海外へ赴任してから。ネクタイで人柄や所得を見分けられないように、スーツ同様に自分への投資として買うようになりました。最後には、やられたらやり返すなどと自身を鼓舞するために、目の覚めるような黄色地に細かな文様のネクタイに落ち着きました。失敗だった?
今はテレワークやクールビズやらで、ネクタイをする機会は少なく、楽な服装で仕事をされてるようですが、自己表現や自意識ツールを失って、逆に損をしていませんか?
薔薇の黄色に昔のネクタイがそしてファイトが浮かんできました。