さんぽ道から

散歩中の雑感・モノローグを書いてみました

トランプさんの政策が浮かんできました・・・

2019-08-30 11:05:22 | 抜き書き



<「いいかね、アメリカ人と言ってもさまざまだ」ストーンは言った。ある者は、ウェイコでやったように、女性や子供でいっぱいの施設に焼夷弾を落とすのを正当と考える。ある者は、自分たちがわれわれの社会の倫理観を体現していると考え、それゆえに過ちを犯すはずはないと思っている。彼らは自分の行動に疑問を抱くこともなく、年月がたつにつれてその行動はさらに悪逆無道になっていく。またある者は、人間の命の大切さを知っている。そして、みずからの行動において倫理的な重要性を考慮する。>ジョン・クリード著鎌田三平訳「シリウス・ファイル」P345より

社会の多様化に呼応して、(民主国に限ってですが)どの国にも、意見や主義主張をはっきりさせる傾向が出てきていますが、アメリカは世界最強国ですので、特に政権内での、その違いは、世界に大きな影響力を発揮します。

トランプ大統領になって、その違いを渓谷の高低差に例えるなら、川は浸食され、ますます谷は深くなり、崖は地殻の隆起でさらに盛り上がったような気がします。特に中国・イラン・不法移民・地球温暖化の‘エリア’での地形の変化の大きさには目を見張るものがあります(参考まで、オバマ前大統領は‘ロシア’地区の深淵化を進め、ブッシュ元大統領はイラク・イラン・北朝鮮は地底国としました)。

トランプ大統領は、

・中国は貿易の不均衡に無神経・輸出に有利な為替操作をしている・米国の先進技術を盗用しているし、米国技術の提供無くしては米国企業の中国参入は不可としている、中国は自国企業に国家予算を提供し製品開発や生産体制の整備という分野で国際競争を有利に展開している、中国産で米国に入ってくる通信機器には市場や個人情報を特定サーバーに集約させる機能を内蔵しているし、中国国内の法律でこの機能は正当化されている、などと中国を非難している。

・イランに対しては、核兵器開発を止めろと、オバマ大統領時に締結した核合意は核開発を止めさせるものではなく単に核開発には時間がかかる様にした取り決めにすぎないものとし、合意を破棄し、核開発を止めさせるべく経済制裁を課している。

・メキシコ国境から米国に入ってくる中南米諸国からの、経済が回らない・専制国家からの、移民は年々増え続け、万里の長城ならぬ米墨国境の壁の建設を進めている。生活苦の難民的な移民を人道的な立場から米国に受け入れるべきだとする民主党の一部の議員との議論で、民主党の主張する人種差別反対・弱者救済的議論に、トランプ政権は、不法移民=治安対策(移民より現住民優先)策を主張している。

・地球温暖化対策をしなければならないが、中国をはじめとする後進国の二酸化炭素排出量の抑制になぜ、先進国は大金や時術を拠出しなければならないのか、その根拠が分からない(従ってパリ協定には参画しない)。要は後進国と先進国の線引きは不明瞭で、後進国と主張すればすんなり通るような国際協定には参画できない、

等と主張しています。


米国(や世界)のメディアは、トランプさんが世界協調路線に外れ、自国第一が過ぎ、悪いとしていますが、問題の大本を考えると、それほどでもないような気もします。

ただ、トランプさんの支持基盤が農業牧畜産業地域で、文盲率も高くて、女性も早ければ15歳ほどでお嫁に行ったりする、カントリーで、諸問題の大本の解説より、明確な分かりやすい決断だけが受ける地域だということから、トランプさんは結論だけを大仰に演説するスタイルになりがちになり、字数が制限されるツイートざんまいになり、最終的に、損しているような気がします。
また、平然と他国を侵略し領土とし、異国の選挙システムに入り込み混乱を起こす一方、非人道国(シリア・ベネズエラ・北朝鮮)への援助をいとわないロシア・プーチン政権になぜトランプ氏が好意を示すのかは謎です。プーチン下のロシアで、経済裏コネをトランプ一族は享受しているのでは?

トランプさんへのロシア疑惑捜査は、大統領選や調査当局への越権行為の有無などより、観点を変えて、トランプ一族のロシアでの裏取引ビジネスの有無に焦点を絞った方が良かったような気がします(が、どうでしょう)。今からでも上下院で調べたら?

トランプさんの米国について、いろいろ考えさせてくれた「シリウス・ファイル」の一節でした。
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怒り

2019-08-24 11:28:10 | 抜き書き


<小説を読む人、読まない人。どちらと友だちになりたいかと訊かれれば、私は読む人と答えるだろう。小説を読む人間のほうが、毎月どこかの才人がベストセラー書で垂れ流す子供だましの哲学をうのみにせず、自分の頭でものを考えることが多いような気がするからだ。>スティーヴン・グリーンリーフ著黒原敏行訳「匿名原稿」P75より

この一節では、自分はなんで小説を読んでいたのだろう との思いに駆られました。
初めは日本語の勉強と先生から勧められたことでしたが、だんだん、気分を落ち着かせるためであったような気がします。あまり意味を考えなかった読書でしたね。友人はほとんど理工系で、それほどの読書家はいませんでしたが、皆さんご自分の考えはもっていた…ここで作者は、読書という言葉を借りて、最近目に付く 子供だましの哲学に警鐘を鳴らしてるようにも思えます。この一節は、この物語の最初の途中下車となりました。


<ホームレス――都市の厄災、国家の恥。その発生の原因と効果については、私(私立探偵)とチャーリー(ベテラン刑事)のあいだで何年も前からよく話題になっている。チャーリーはもっぱらレーガン時代の低所得者層いじめを弾劾した。レーガン政権は住宅補助金を75パーセント削減し、失業保険や食料切符といった福祉給付の受給資格を制限し、資格のある人々に対して手続きをひどく煩瑣にした。貧窮地区の家賃は急上昇していくのに、福祉給付や最低賃金は低水準に抑えられた。その間に金持ちは何もせず、ただ自分たちの税金が半分以上も軽減されるのを喜んでいた。チャーリーはこの新しいアメリカを憎んでいた――貧困層と富裕層の格差が資産の面でも消費の面でもどんどん広がってゆくアメリカ、ウォール街のビジネスマンにはジャンクボンドやストック・オプションという名の紙幣をすることを許す一方で、読み書きの満足にできない貧しい女性には、子供を養うために食料援助を受けなければならないことを六ページの書類に記入しろと要求するアメリカ、所得の低い階層ほど収入に対する慈善支出の比率が高いアメリカ、政治家たちが国民に国旗に対して忠誠を誓わせたがる一方で、忠誠を誓って勇気ある行動をとり血を流した兵士に建物の軒先や地下鉄のトンネルや廃用になった下水溝で雨露をしのがせて平気な顔をしているアメリカ。忌まわしいアメリカ。私の憎悪はチャーリーのそれほど深くはないが、考えてみれば、チャーリーと違って、私はそういう忌まわしい面の後始末に駆り出されるわけではない。>スティーヴン・グリーンリーフ著黒原敏行訳「匿名原稿」P272~273より

1991年前の米格差社会を記した一節です。表記は30年ほど前のことですが、今以て変わっていないということは、二重構造を歯車とする資本主義はこれからもその基本は変わらないということでしょうか? 流血や恐怖をツールとする専制主義体制下の大衆より、貧困層の方がまだましとする考えが、この資本主義の格差を定着させているのでしょうか? ここでも作者グリーンリーフ氏の怒りを感じました。

同感です。

怒りは 燃やし続けましょう・・・

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奇跡

2019-08-19 13:49:05 | 抜き書き


<古来の信仰を持ちながらも、モルターティはまぎれもない現代人だった。奇跡が自身の信仰になんらかの役割を果たしたことは一度としてない。むろん、教義では奇跡が語られている・・・手のひらからの出血、復活、聖骸布・・・。にもかかわらず、モルターティの合理的精神はそういった出来事を神話の一部と断じてきた。それらは人間の最も大きな弱点――証拠を求める願望――の所産にすぎない。奇跡とは、真実と願うがゆえに、だれもがしがみついている物語にほかならない。>ダン・ブラウン著越前敏弥訳「天使と悪魔」下巻P214より

注)このモルターティ氏は、枢機卿で物語のむすびではローマ教皇に選ばれる方です。

ここで読書が止まったのは、奇跡(人知を超えた超自然現象)って今まで期待した?経験した? そういえば奇跡に近いことを期待したことはあったなぁ… 証拠を求める願望とはどんなことを言っているのだろうか? の思いでした。

奇跡的なことを期待したことには…
・勉強も練習もしないで、学業もゴルフもレベルを上げることでした。
 経営に必要なのは、重用される者は、視点を変えた意見や異見を持つことでした。
  結果は 奇跡的なことは起こりませんでした。
  社内では エレベーターから降ろされてしまいました。
・奇跡的な出会いを大切に育てたかったのに、プライドが邪魔して、出会いをフイにしてしまったこともありましたね。
  詳細は省略。

・母が亡くなってから数日後に母のドアをたたく音がしましたが、母はいなかった~
  母はドアをトントンとたたくと同時にトントンを言うので、母がそこにいたのは確かなのですが、奇跡は起こりませんでした。

証拠を求める世界?
因果律・数理学的・科学的な論証が人々の考え方の主流となってきたということを言いたいのだろうか?証拠を求める世界では奇跡はお話の上だけのこと?奇跡を信じないということは悲劇的なこと?

奇跡は、誰でもが持てる別世界かぁ…
別世界と意識することが大切なのでしょうね そんな気にさせてくれた 一節でした。


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散歩道8月d

2019-08-18 16:21:14 | ダイアリー

勢いを感じるダリアです







向日葵も元気です


百日紅も若い!


木槿



芙蓉 小学校の同級生に芙蓉ちゃんがいました。木槿より芙蓉が好きな理由かなぁ?




白もいいですね


ただ 薔薇は元気がありませんでした。四季咲きなのに~ 熱中症?



傷んでますね

ピースまでこのありさまです。エゴ出しが収まらない世界情勢を反映しているのでしょうか?


エキナセアは虫食い症状?


可憐なコスモスは環境に敏感なのでしょう…


トラノオは もうだめ症状…


ヤブミョウガは野生なのに バテている?


紫陽花はいい年(?)ですから 元気がないのもしょうがない?


あまりの暑さに 向うに見える方は 坊ちゃんのマドンナ~



今日は炎天下の植物園でした。

元気なお花と
げんなりしているお花と
はっきり分かれていました。

この暑さですから(ね)

元気なお花はこれから旬を迎えるものが多く、
げんなり組には ピーク越えのものが多かった。
ピーク越えには手入れやケアーが必要だからでしょうか?

人間と同じです(ね)

野球帽子が汗でぐしょぐしょになりました。
帽子なしでは 幻覚も出てくる暑さです…

次回はタオルの他 帽子の控えも持ってゆくことにします。



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何かのベースがあっての調和でしょ?

2019-08-12 17:36:23 | be short


‘調和’とは 全体(または両方)が、具合よくつりあい、整っていること とありますが、この調和が、このところ気になっています。

小説やレポートを読んでも/TVドラマや映画を見ていても、頭に入りやすいのは 書き出しや冒頭の部分から、全体が/結末が、創作者の意図がぼんやりと/なんとなく浮かんでくるものです。対立するものが/各情報が 結末に向かって、調和して、展開して、己の先読みとか感性とかが、物語/映像とかみ合い始めると作者の創作‘意図’がすっと入ってくる。

これって調和が創作物のキーなのでしょう(ね)

ただ、調和は、社会や生活環境が変わることによって、大きい単位でいえば文化や文明の進展によって、その形を変えると思います。いつまでもAという調和があるのではなく、変革や改革によってBという調和に変わるのでしょう。

変革のプロセスは、
調和A→うっ憤→発露→混とん→共生・正義・秩序意識の共有→意識の最大公約数化→整理→相互の折り合い→調和B でしょう(か)

因みに、
トランプ政権は、米国は一独立国であるとの見地から、国内問題を、諸外国との移民や交易問題を公平性の観点から再調整中と言えるのでは?米国は今まであまりにも多くの不公平を飲み込んで、内にため込んで、人種問題や国際間の取り決めを纏めてきた という考えが、うっ憤が、国内で大きくなってきたということでしょう。トランプ政権誕生の基盤でしたね。米国が向かう新たな調和はどんなものになるのでしょう(か)
日韓関係も、日本を、公平性を問題視する米国に置き換えると、問題の構図が分かるような気がします。新たな調和は考えられるのでしょう(か)

世界(国連や世界国際機関)が、これ以上の悪行(原爆開発・隣国侵攻・条約違反etc)を止めるから、お金を出せ・支援せよ・制裁を/敵視を止めよ と意見する国をまともに取り上げて、現状の悪行をそのまま天秤にかけて、いさかいを収めようとしているように思います。新たな調和・和平を目指すには、何か前提がおかしいような気がします。折り合いをつけてもすぐに鬱憤は吹き出てくるでしょう(ね)

このところ読んだ小説を振り返った‘調和’についての所感です・・・
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精神異常者ですか?

2019-08-10 14:03:49 | 抜き書き


<投薬治療も役に立っていた。暴力的な精神病患者をあつかう秘訣は、たまにおかしくなるシナプスをやわらげ、怒りを鎮め、暴力を命じるささやきを黙らせる薬を見つけることである。しかし、暴力を排除したからといって、落ちつきが手にはいるわけではない。精神科医が精神病の陰性症状と呼んでいるものが残されている。無関心、単調なムード、気の抜けた声、にぶい動き、お粗末な思考、ニュアンスやユーモアの欠落した言語。驚きや喜びのない存在。>ジョナサン・ケラーマン著北澤和彦訳「モンスター」P79より

この一節は、主人公が殺人を犯した精神病患者を収容する州立病院を訪ねた時 病棟の静けさを記述した一部です。

この一節が気になったのは、陰性症状(ここでは<無関心、単調なムード、気の抜けた声、にぶい動き、お粗末な思考、ニュアンスやユーモアの欠落した言語。驚きや喜びのない存在。>と説明されています)が 最近の自分の症状にそっくりだからです。

自分はうつ病なのだろうか?うつから暴力(興奮や怒りがシナプス伝達で暴力)に発展する可能性はあるのだろうか?シナプス伝達の前段に、因果律と規範意識のフィルタリングがあるはずですので大丈夫だとは思いますが…

最近 京アニ事件犯青葉を筆頭に 精神的におかしな者の犯罪が多発しています。今年4月の12名の死傷事故を起こした池袋暴走車犯、87歳元官僚も精神異常(アクセルを踏み込んだのにブレーキが効かなかったと言ったり、杖歩行者にもかかわらず事件前には新車の購入を考えていたりは異常でしょう?彼の周辺にも異常者?彼を逮捕しない警察も異常者では?)でしょ?

年金などの将来不安を抱える高齢者の増加、安楽な環境・過保護で育った落ちこぼれ・引きこもり者の増加、転職が上手く運ばない中年の引きこもり、グローバル経済環境下での競争社会に耐えられないストレス患者増、優しすぎる社会が生み出す発達障害者増、人手不足が生み出す不適在不適所の業務などは異常者を生み出す温床となる気がします。

そういえば近くに心療内科や精神科の医院が増えています。将来重罪犯を収容する ケラーマンが描く 精神病病院は増え続けるのでしょうか?
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偉人と遺産・・・

2019-08-03 10:41:44 | 抜き書き


<「ヴィヴァルディは(捨子や孤児たちを収容し、教育する慈善院で)、ほんの数カ月しか教えていませんでした。十代の孤児の女の子たちに手を出し、みだらなオカルト儀式に参加させた という よからぬ噂が流れたのですが、証拠はまったくありません。歴史修正主義者どもの歴史観とやらには、うんざりしているんです。英雄たちをことごとくこき下ろそうとしているみたいじゃないですか。モラルが欠如した現代社会は、歴史上の巨人たちを高みから引きずり下ろすことで、安心しようとしているんでしょうね。そういう非難は、文化的遺産を残してくれた偉大な男たちや女たちよりもむしろ、わたしたち自身の時代に向けられるべきものではないかと思います」>マイケル・ホワイト著横山啓明訳「メディチ家の暗号」P279より

この一節は、ヴェネチアのヴィヴァルディ協会会長が古病理学者に、ヴィヴァルディなる人物を説明する会話の一部ですが、偉人が再評価されるTV番組を最近よくみるので、再評価=こき下ろし は現代の傾向か?、おもしろいなー と思いました。

火のないところには煙は立たぬ はあるだろうし、新たに見つかる文献や文献の新解釈などによって史実は日々変わるといってもよいのでしょうね。また 好き嫌いから 史実にかかわる情報を故意に取捨選択したり・各情報の軽重を変更したりして、史実を変えてしまうこともあるでしょう。情報化社会では誰でもそれが可能ですし…

皆さん 好奇心旺盛でしょうから、一般的には 新しもの好きなので新説はもてはやされる?マスメディアも商売ですから 新説を掻き立てる?政治にかかる歴史になると、為政者に都合の良い解説が相次ぐ?我々は何を元に歴史を読んでいったらよいのだろう?誰がどんな機関が、歴史の本流=史実を明かし続けてくれるのだろう?どんな歴史(新解説)を見るにしても、先ず自分の確たる視点がないと振り回されますよね?確たる視点はどうしたら築けるのだろう? こんなことを考えてしまった一節でした。

この一節は、また 現代のモラルの乱れにも触れていますが、人口増、自由平等の絶対化、表現の自由の行き過ぎ、義務より権利を・そして弱者を重視すぎるマスコミ、プライバシー権の拡張化、医療や生活保護の充実などで、以前は自然に淘汰されていた異常者が社会に増えてきていて、モラル水準は以前より後退しているように感じますので ‘一節の通り’だと思いました。

が、

昔は社会のあちこちに、絶対権力者や大金持ちや聖職者の治外法権的なスペース、閉ざされモラル何でもありのスペースは、結構あったでしょうに… マスメディが皆無だったことも社会の上層部の好き勝手を増長させたりして… 経済も最たる規模ではなかった昔は、性も生きる手段であった方も大勢だったでしょうに… 性のモラル云々は、今と昔とでは同じ基準でははかれないのかも… 

この一節を契機に 改めて四季を聞きましたが、自身のヴィヴァルディには変わりは出ませんでした。

偉業はその人となりとは独立してあるものとしていいのだろうか?
また遅読とはなりました。

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