「春眠暁を覚えず」とはよくいいますが、寝室内の気温が外気の影響でちょうど寝やすい気温になっているからでしょう。 寝やすい気温は12.5~21度(結果としてはエアコンは18.3度ぐらい)とありました のは今朝のロイターニュースのコラムでした。
睡眠に関するローターニュースでは、この室温以外にも参考になる記述がありましたので、ここにその抜粋を添付します…
QTE: 焦点:人はなぜ眠るのか、図解でひもとく睡眠の秘密
ロイター編集
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[8日 ロイター] - 医師たちはこれまで以上に、十分な睡眠をとることが非常に重要であると認識し始めている。米国心臓協会(AHA)は2022年、患者の睡眠時間を把握することが、血圧や喫煙状況、食事・運動習慣を確認することと同程度に重要だと医師たちに助言した。
<脳と細胞が持つ「時計」>
日の出・日没時刻の日ごとの変化がさほど大きくないため、人間は数百万年もの間、一定のパターンで光にさらされてきた。つまり、私たちの遺伝子は、日中は活発に動き、日が暮れると休むように仕組まれているのだ。
私たちの脳内や細胞一つ一つの中にある「分子レベルの時計」は、ホルモンから血圧、血糖値や体温に至るまで、体組織の調整をつかさどっている。
英オックスフォード大学で睡眠と概日リズムの研究をする神経科学者、ラッセル・フォスター氏は、生活サイクルが体内時計と同期できている人について、比較的疲れにくく、機嫌が良く、健康的な体重を維持することができ、薬物治療でより多くの効果が得られ、思考もはっきりし、長期的な健康も改善しているといった傾向があると指摘する。
朝型の人は早寝早起きした場合が最も調子が良く、夜型の人は朝遅くまで寝ていられた場合の方が好調だ。
ただ神経科学者のフォスター氏によると、生活リズムが生物学的サイクルと一致しない場合、体は、人類の祖先が危険を回避するため進化した反応を使って対処しようとする。つまりストレスホルモンが分泌され、空腹ホルモンが分泌され、血液中の糖分が増やされ、血圧が上昇する。
ひいては心血管系疾患、精神疾患、糖尿病、肥満、その他の代謝異常に対して脆弱(ぜいじゃく)になるとフォスター氏は言う。
<睡眠を妨げる様々な要因>
米国睡眠医学会(AASM)によると、米国だけでも5000万人─7000万人がなんらかの慢性的な睡眠障害に悩まされている。
●呼吸障害
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)に苦しむ人は、世界全体で10億人と推測される。OSAとは、気道が短時間閉塞することで十分な空気が肺に到達せず、心疾患のリスクが高まる病気だ。それよりまれな疾患としては、脳の機能障害に起因して呼吸が突然止まり、再開する中枢性睡眠時無呼吸症候群がある。
●不眠症
米国精神医学会(APA)によると、米国では成人の約3人に1人が、寝つきが悪い、眠り続けることができない、もしくは早く目が覚めたあと再び眠れないと報告している。世界的に見ても、不眠症の割合は10%から60%にも上ると考えられている。
●過眠症
過剰に眠る、かつ不都合もしくは運転中など危険な時に眠ってしまう症状は過眠症と呼ばれる。過眠症の原因は、覚醒を調節する脳内物質の不足から、季節の変化(冬は脳に目覚めの信号を送る日差しが弱い)などさまざまだ。AASMは、定期的に一晩9時間以上眠る状態を過眠と定義しており、過眠は別の健康問題が生じている兆候を示す場合もある。
●睡眠時随伴症
睡眠時随伴症は、人が眠っている間に起きる望ましくない現象を指す。起きているように見える状態で動いたり、話したり、感情をあらわにしたりするが、実際は眠っている。
●運動障害
最もよく知られている疾患の一つは、レストレスレッグス症候群で、横になると脚が熱く感じたり、かゆくなったりする。その他、夜中にひどい痛みとともに足がつる、制御できない筋肉の動き、歯ぎしりや食いしばりなどがある
<十分に眠らないとどうなるのか>
十分な睡眠をとる重要性は、数十年にわたる研究によって裏付けられている。必要な時間は人によって異なるものの、米国立睡眠財団のガイドラインでは、18歳から64歳までは毎晩7─9時間、それ以上の年齢は7─8時間の睡眠を推奨している。
睡眠不足は、酔っているときと同じような認知機能障害を引き起こすことが分かっている。起きている時間が長いほど、反応時間と短期的な記憶と論理的推論が悪化し、血中アルコール濃度(BAC)が上昇したときと似た状態になる。
米国立労働安全衛生研究所によると、成人の場合、17時間起きていると、運転に支障が出るレベルのBAC0.05%に近い状態になるとされる。国によっては、0.05%は法的な酒気帯び状態の基準値とされている。
6800件以上の交通事故を調べた米国のある研究によると、事故の前夜の睡眠が4時間未満だったドライバーは、7時間以上眠ったドライバーよりも、事故の原因となる確率が15倍高かった。
深刻な睡眠不足は命取りになる。不十分な睡眠は、免疫系から筋力まであらゆるものに影響を及ぼす。
<より良い睡眠を得るには>
良い睡眠の習慣を持つことが、質の良い睡眠につながることが研究で判明している。良い習慣には、同じ時間に就寝し、同じ時間に起床することに加え、静かで暗く、適温でリラックスできるような環境に寝室を整えることも含まれる。また、日中は活動的に過ごし、就寝前に胃にもたれるような食事やカフェイン、アルコールを取らない事も重要だ。
良い睡眠習慣を実践しても効果が得られない場合は、認知行動療法などのカウンセリング治療や光療法、鼻やのどを広げる器具の装着、手術や投薬治療などの手段がある。ライフスタイルの変更や減量が効果的なこともある。
閉塞性睡眠時無呼吸症の最近の治療法としては、睡眠中に体勢が仰向けになると振動する機材を装着する方法や、舌と軟口蓋を前に押し出す口腔内装置を装着する方法、植込み型舌下神経刺激療法などがある。
米国では、米国睡眠医学会が睡眠医療認定医や認定を受けた睡眠障害治療施設のリストを公開している。
(Nancy Lapid記者, Simon Scarr記者, Adolfo Arranz記者, Jackie Gu記者、Caitlin Gilbert記者、翻訳:大澤優花、田頭淳子、本田ももこ、宗えりか、山口香子) :UNQTE
若い人は学業や仕事があるのでどうしても夜型の生活(午後体調が良くなる)になるのでしょうが、年長者は概してその概日リズムは朝型(午前の方が頭が働く)です。年長者も、少子高齢化社会の進行に合わせて、最期まで働く時代になりましたので、若い人は7-9時間の睡眠をとって、年長者も7-8時間の睡眠をしっかりとって、健康体で、既日リズムを組み合わせて、頑張りましょう・・・