どこに注目するかで、風景は、全然違って見える。同じテレビ画面であっても、観客席に知人がいるという情報がはいって、そのあたりを探す。
なるほど、豆粒みたいな知人の姿がみえた。あらかじめ、場所や、何を着ているかの情報があったので、見つかったのだが、それでなければ、とても判別はできかっただろう。
それにしても、土俵だけに注目していたのが、観客席に関心を移すと、今まで、見ていなかった風景が見えてくる。観客席の人々が何を着ているか、どんな振る舞いをしているか、一挙に見る対象がふえて、土俵に注目しなくなっていた。
相撲内容に目がいかないのである。不思議な体験であった。こんなことは、日常生活で、いくらもあるのだろうなと推測できる。なにごとかに拘ると、何事かを失うのである。
おもしろい発見であった。新しい体験ともいえる。もっともっと視野を広げていきたいと思った。