Keiママのお料理ノート

お料理大好きなKeiの日々の食卓、趣味の日記。

「ポイズンドーター・ホーリーマザー」

2019-11-26 23:09:27 | 趣味
イヤミスの女王ここにあり。

湊かなえ氏「ポイズンドーター・ホーリーマザー」
読めば読むほどにイヤになり、
さては自分も、こんな風に思われているかも?と考えてしまう。
相変わらずの、ダーク&ベビーっぷり。
それでいてグイグイ引き込まれ、
どんどん読みたくなる面白さって、なんなんだ。

衝撃的な短編集。
6編の話の中でも印象的なのは本のタイトルにもなっている
「ポイズンドーター」と「ホーリーマザー」
一組の母娘がそれぞれ娘目線と母目線から描かれている。

親子と言う一番近しい人間関係は、その近さ故に、
些細なズレなら修復も容易いけれど、
大きなズレが生じた時のダメージも大きい。

お互いの思いが伝わらず、
どんどん噛み合わなくなり、最悪、壊れる。
娘目線だと何て勝手な親?
ポイズンドーターじゃなくて、
ポイズンマザーじゃないの?と腹立たしく思うけど、

親目線になると
見え方が180度違ってしまう。
人間関係て、なんて難しいんだろう。

私が、ひとつだけ間違いないと思うのは、
親の気持ちは、親になってみなければわからない、
と言うこと。

一生懸命になればなるほど、想えば想うほど、
それは、抑圧という名前の歪んだ力に姿を変えやすくなる。
かけられる方は全力で跳ね返したくなる。
時と場合と程度は違えど、
親の想いは完全には、子供には理解してはもらえない。
その気持ちは、親になって初めてわかるものだ。

ならば子供の気持ちは、
親は自分が子供だった頃を思えば理解できるのか。
いや、子供は100人いれば100人それぞれ違うもので、
自分がこうだった、は子供には当てはまらない。
だからズレが生じるのだろう。

そして親もまた、色々な親あり。
これもまた、紛れもない事実である。