デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

相模原障害者殺傷事件

2020-08-14 22:16:04 | 買った本・読んだ本
書名 「相模原障害者殺傷事件」
著者 朝日新聞取材班 出版社 朝日新聞出版(朝日文庫) 出版年 2020

障害者施設「津久井やまゆり園」で起こったおぞましい殺傷事件の犯人植松の裁判の公判から判決までを追いかけていた朝日新聞横浜支局の記者たちのルポである。神奈川版のこの記事はずっとスクラップをとって読んでいた。この事件をどうしても見逃せないと思ったのは、植松被告がまったく反省していないこの事件をどう裁くのか、その裁きに対して被告がどう向き合うのかを我々がどこかで自分のこととして考えないと、そして彼が意思疎通ができない人間は生きる価値がないという主張を根底から否定しないと、大変なことになる、このようなおぞましい事件がまた起きてしまう、そんな思いがあったからだ。この記録を読むと、この裁判はそうした危機感をもたず、早く処理すればいいという判断で進められていたというしかないように思えた。彼が何故こんな恐ろしい殺人を犯したのか、逃げずに追求すべきだったのではないか。やまゆり学園の園長をはじめ職員の人たち、植松の小学校の先生、両親たちの証言をさせるべきでなかったか。取材していた記者たちもこの特異な被告と面会を繰り返して、なぜ彼がこんな犯罪を犯したかつかみきれなかったのではないか。この本のかなり重要な部分となっている記者たちと植松の刑務所での面会の記録で見えてくるのは、まったくかみ合っていないことから来る、もどかしさである。植松自身がなぜ犯罪を犯したのかわかっていないのではないか、そこがとてもこの事件の大事なところで、もっと裁判で明らかにしなければならないところだったはずだ。この裁判でひとつだけ明らかになったこと、それは殺傷された、犯人から意思疎通ができないと判断された犠牲者のひとりひとりが、一生懸命に家族の支えで生きていたこと、そして家族の人たちが間違いなく犠牲者の人たちと通じ合っていたことだ、犯人が言うように意思疎通がなかったことなんかない、ちゃんと繋がっていたということを家族の方がひとりひとり自分の言葉で話していたことだ。ひとりひとりが懸命に生きていたことが裁判の中で明らかになった。だからこそこの家族の前で植松が本当にひれ伏して、自分の犯したことを反省する、そういう場を、私たちの社会がつくることがいま一番必要とされているのではないか。
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オンラインミーティング

2020-08-14 10:30:14 | デラシネ日誌
久し振りに南部市場で買物でもと思ったら、日曜までお盆休みらしい。いまはお盆なのである。
14時からサーカス学会のオンラインミーティング。13時半からマイクとかカメラのチェック。今回はグーグルミーティングを使う。全員で11名が参加。初めに日本大道芸フェスティバルに参加したしんのすけ君の報告を聞く。大きな広場を使ってのフェスティバルで、やはりコロナ対策でかなり手間とお金がかかりそうだということ、観客との距離の問題など実際に参加しないとわからない話しをたくさん聞けた。やはり野毛とか大須のような小さな路地などをつかったフェスはかなり厳しそうな感じだし、コロナ対策のガイダンスをある程度みんなで共有していかないといけないということも感じた。音楽界で特にいろいろ試みられているオンラインライブについて、大道芸の世界ではどうなのかということもいろんな意見が聞けてよかったと思う。後半は世界のサーカス界の対応について自分が知っている限りのことを報告、コロナにどう対応していくかを、世界のサーカス界でいろんな情報を共有していくために、サーカス学会として何ができるかを考えていきたいといういまの自分の私感を報告させてもらった。久し振りのみんなの顔を見ながらのこういう集まりはいいものである。今後も続けていくべきだろう。いまはいろんな情報を共有して、それをクロスさせて、なにか試していく、そんなことを増やしながら知恵を生み出していくことが大事なような気がする。それがこんな場から生れるのかもしれないという気がした。ぜひまた近いうちにオンラインミーティングをやりましょうということで、およそ1時間半で終了。

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