デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

« Le Centaure et l'animal » (2010)

2020-08-28 18:14:56 | 観覧雑記帳
28日まで無料配信ということで、フルバージョンの室伏鴻とバルタバスの共演による「ケンタウロス」を見た。ふたりが共演した作品があるということを知って、知人から紹介してもらい、高田馬場のルノアールで初めて室伏さんと会っていろいろ話しを聞き、この作品だったら日本でも公演できるのではないかと思い、いくつかの劇場に話しをもちかけたことがあった。その時プロモーションの映像をもらい、見たときは驚いた。室伏さんの話しではあまり公演はしていないが、公演はいつもすぐにソルドアウトになったという。生のステージをぜひ見てもらいたいね、たぶん今度は南米じゃなかったかなというような話しを聞いて、俄然行く気になっていた。その時室伏さんは、バルタバスの馬が相当年だから、早いうちにやらないと言っていたのに、室伏さんのほうが南米で急死してしまった。
フルバージョンを見て、やはりすごい作品であることがわかった。バルタバスは完全に馬と一体化していた、これは彼の哲学といっていいだろう、まさにケンタウロスになることが彼の究極の願いだったのだと思う。衝撃的だったのは、それまで舞台の前舞台の方で室伏が踊り、その奥の馬場でバルタバスが馬と一体となったパフォーマンスを演じていたのだが、突然室伏が馬場の方に入り、馬とバルタバスを挑発するシーンだった。室伏は完全に獣になっていた。この動きが圧巻であった。馬とバルタバスの静謐な佇まいと、見事なまでの獣性の対峙であった。モノローグのようなセリフがときおり流れるのだが、これは詩のような感じがしたのだが、なんだったのだろう。
生で見たかったとしみじみ思う作品だった。
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