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ハギ(萩): “エドシボリ(江戸絞り)”、“ミヤギノハギ(宮城野萩)”

スーパーの山野草販売コーナーを先日覗いたら、「3種の“ハギ(萩)”をどうぞ!」と、大きく値札に書いて売られていました
秋の七草“ハギ”って、結構種類が、あるんですね
置かれていた3種の“ハギ”ってなんだろうと思ったら、“アンデスの乙女”、“エドシボリ(江戸絞り)”、“ミヤギノハギ(宮城野萩)”でした


“アンデスの乙女”は“ハギ”の仲間とは云え、花の形も随分印象が違っています

“エドシボリ(江戸絞り)”は日当たりのいい水はけの良い所を好む小振りの“ハギ”で、樹高は50~60cm程です
花は白地に紅絞りの珍しい花で花付きも良く、更にちょっと粋さも有って茶花にも使われるようです



“ハギ”は万葉の時代、「秋の七草」の代表として最も良く知られ、“ハギ”の歌が一番多く詠われているのだそうです
小さく楚々とした感じの野の花が風になびき咲く姿は、秋の深まりゆく様を侘しく感じさせたのかも知れません
そんな様々な想いを寄せて、きっと多くの万葉人がたくさんの歌を詠んだのでしょう
ちょっと探してみたらいくつかがすぐ見つかりました

「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」         (万葉・巻八 1538 山上憶良)

「春日野に咲きたる萩は片枝はいまだ含(ふふ)めり言な絶えそね」     (万葉・巻七 1363)

「見まく欲り恋ひつつ待ちし秋萩は花のみ咲きて成らずかもあらむ」     (万葉・巻七 1364)




また万葉では“ハギ(萩)”の字として、「芽、芽子、波疑、波義」の字が使われているそうです
“ハギ(萩)”の漢字は平安時代以降使われたそうで、方言でも「ハギッコ、ハギッチョ、ハグシコ、ハゲコ」などの呼び名もあって親しまれていると言います

「秋萩の古枝に咲ける花見ればもとの心は忘れざりけり」          (古今和歌集 219)

「宮城野のもとあらの小萩 露を重み風を待つごと君をこそ待て」        (古今和歌集694)

“宮城野萩”は平安時代に生まれたのでしょうか!?
“宮城野萩”の可愛さが群をなす時、侘しさだけでなく哀歓を感じる人もいるらしい

「咲き初めしハギ叢(むら)を縫うしじみ蝶ひとつふたつのもの想いあり」   (鳥海昭子)
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