ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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[韓国語]「桃骨(ポクスンア・ピョ)」って、どこの骨? ・・・・新しい標準語(1)

2012-04-16 14:12:39 | 韓国語あれこれ
 しばらく前から、ファーストフード店で店員さんに「お持ち帰りですか?」と聞かれて「はい、持ち帰りです」と答える人が少なくないことに気づきました。自分のことなのに尊敬語を使うのはヘンだなーと私ヌルボは思うのですが、「テイクアウト=お持ち帰り」ということになりつつあるのでしょうか?

 日本人が間違いやすい日本語の例はたくさんあって、関係の本も多数出ているように、韓国でも同様の本がいくつもあるようです。
 以前入手した전방징「우리말 달인 1(ウリマル達人 1)」という本もその1つ。
 パラパラと流し読みしていて、目にとまったのが下の絵。

     
  【日本語のくるぶしと同じく、足首の方は内側だけでなく外側も<복사뼈>といいます。】

 手首外側に出っ張った骨の方はさておいて、足首両側に突き出た骨は「くるぶし」ですね。
 韓国語では、日韓辞典に載っている言葉としては<복사뼈(ポクサピョ)>があるだけです。
 <복사(ポクサ)>といえば、中級の韓国語学習者なら<複写>という漢字語が思い浮かぶくらいで、ヌルボも実はそれ以外に知らなかったのですが、「ウリマル達人 1」によると<복사>は<복숭아(ポクスンア.桃)>の略語なのだそうです。で、<복사꽃>といえば桃の花のことです。

 では、なぜくるぶしが「桃骨」なのかというと骨の形が桃の種に似ているからなのだそうです。ヌルボとしてはこの理由づけに今ひとつナットクできないので少し韓国サイトをあたってみたら、やはり同じ説明がなされていました。

     
   【多くの言葉についてかなり細かく説明しているわりには読みやすい本。】

 さて、この本によると、<복사>=<복숭아>であることから、<복사뼈>のことも복숭아뼈>と言う韓国人が多いとのこと。
※Google検索のヒット数は<복사뼈>が24.5万件であるのに対し、<복숭아뼈>は約82万件と3倍以上です。
 ところが、「<복숭아뼈>の方は標準語ではない」と書かれているんですね。
 学術用語として<복사뼈>が正式なものとされているので、それと連動してこれのみが標準語とされた、ということです。
 したがって、市販の辞典でも<복사뼈>しか見出し語にないというわけ。

 しかし、昨年9月1日の「朝鮮日報」の報道等によると、8月31日に国立国語院「日常ではよく使われているが、これまで標準語に認定されていなかった単語39を標準語に入れることにした」とのことで、その中にこの<복숭아뼈>も入っていました。これで「桃骨」も晴れて標準語に仲間入りしたというわけです。

 また、「ウリマル達人 1」には「目(눈)にはしっぽ(꼬리)がない」という見出しで、「よく目じりのことを<눈꼬리(ヌンコリ)>と言うが、標準語では<눈초리(ヌンチョリ)>である」と書かれていました。
 これも上の記事によると、新たに追加された標準語の中に入っていました。
 <눈초리>の方は「ある対象を眺める時に目に表れる表情」という意味が強く、「目つき」や「まなざし」と訳した方が合っていることが多いようで、「目じり」の場合はむしろこの<눈꼬리>の方がよさそうですね。

 しかし、いったい何をもって「正しい」韓国語、あるいは「正しい」日本語というのかは論議がありそうですね。文化審議会国語分科会(2001年までは国語審議会)に対しては、漢字だの文法だの仮名遣いだの、今に至るまで実にさまざまな論議・論争があったし、たぶん韓国でもそうなんでしょうねー。

 あ、手首の外側に突き出た骨も<복사뼈>というんですかねー。日本語では何か言い方があるのかな?


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