ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画の興行成績 [9月18日(金)~9月20日(日)]と人気順位 ►話題の「ムーラン」は「テネット」に及ばず2位 ►再開発予定地区で飼い主に捨てられた犬や猫を撮ったドキュメンタリーに注目

2020-09-22 23:31:31 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶韓国の秋夕(チュソク)、今年は10月1日(木)で、その前後&土日も合わせて9月30日(水)~10月4日(日)の5連休になります。映画も稼ぎ時なので例年ヒットが見込める作品を公開するので、今年はと見てみると韓国映画では「担保」や「国際捜査」といった公開予定作品に期待が集まっていますが、政府は新型コロナの状況下、政府は移動を自制して家で過ごしてほしいと国民に呼びかけているとか。まあ帰省しないでソウルにいる人たちはその分映画を観に行く人は増えるかもしれないが、はたしてどうなる?

▶この1週間で観た映画は「二人ノ世界」だけ。これは文句なく★★★★★。主演2人(永瀬正敏・土居志央梨)の迫真の演技から目が離せませんでした。この作品について過日下のようなツイートを発信したら土居志央梨さんから<いいね>をいただき、うれしかったです。

▶今回初登場の韓国映画注目作は「犬と猫のための時間」(原題: 개와 고양이를 위한 시간)です。<タルトンネ(月の街)>と呼ばれる高台の貧民街がこの数十年の再開発により次々になくなってアパート団地になっていきました。その過程のもろもろの物語はいろんな小説や映画等々の素材にもなってきましたが、このドキュメンタリーはタルトンネから退去した人たちが捨てていった飼い犬・飼い猫たちが野良犬・野良猫になって・・・という話。その関連で動画ニュースを見たりKAKAO地図でオンライン探索したりして新知識が得られたのは収穫。それにしても、かわいがっていた犬や猫を置き去りにするとはかわいそう。いろいろ事情はあるので飼い主だけは責められないでしょうが・・・。

         ★★★ NAVERの人気順位(9月22日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) チア・アップ! 9.73(11)
②(1) カイラスへ行く道(韓国)  9.69(123)
③(2) 私を救わないでください(韓国)  9.56(70)
④(3) メフィスト(韓国)  9.56(25)
⑤(6) 少年の君  9.38(1,254)
⑥(7) 私はポリ(韓国)  9.35(139)
⑦(新) 犬と猫のための時間(韓国)  9.30(10)
⑧(4) 恐竜が教えてくれたこと  9.23(93)
⑨(9) ハラボジの家(韓国)  9.06(243)
⑩(-) 燃ゆる女の肖像  9.05(1,688)

 ①と⑦の2作品が新登場です。
 ①「チア・アップ!」は、日本では7月3日から公開されています。説明は省略します。韓国題は「치어리딩 클럽」です。
 ⑦「犬と猫のための時間」は、韓国のドキュメンタリー。この頃多い犬や猫のかわいい姿を撮った作品かなと思いましたが、そればかりでもないのです。2017年春頃、マスコミでは野犬関連のニュースがとくに多く流されました。都市の再開発が進む中、そこから立ち去る人たちに捨てられた飼い犬が増えました。そんな主人を失った犬たちは山に入って野犬の群れになるのです。都市に野犬とはなんだか矛盾した話だと思いつつ、そんなで野犬を探しに行った先が<ペクサマウル>。蘆原(ノウォン)区中渓洞104(ペクサ)番地一帯の通称で、ソウルで最後まで残っているタルトンネ(丘の貧民街)として知られています。空き家が1軒おきにあるこの集落には、放浪犬と首輪につながれたままの犬がここかしこにいます。はたして都市で人間と動物が一緒に幸せになることはできないのだろうか?との思いを抱きながら、その答えを探しに出て1年余り。その時間がカメラにそのまま収められ、その旅の先には路上で苦しい生活をしている犬や猫たちを慰めるため飼い主たちも集まって音楽会が開かれることに・・・。原題は「개와 고양이를 위한 시간」です。下の動画はこの映画の予告編ですが、現地のようすがわかります。※この地区の再開発工事着工は2022年とか。関係動画→YouTube。これにも猫が映ってますね。まだ住民の生活感が残っていた2016年の映像は→コチラ


     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22(9)
②(新) 恐怖分子  8.22(9)
③(3) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
④(4) その手に触れるまで  7.50(4)
⑤(新) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑥(5) TENET テネット  7.18(11)
⑦(6) 水の中のつぼみ  7.14(7)
⑧(7) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)
⑨(8) マティアス&マキシム  7.00(4)
⑩(9) ボヤンシー 眼差しの向こうに  7.00(3)

 ②と⑤の2作品が新登場です。
 ②「恐怖分子」は、台湾のエドワード・ヤン監督の1986年の作品。日本では1996年公開されましたが、韓国では「台北ストーリー」同様今回が初公開です。うーむ、34年ぶりか・・・。韓国題は「공포분자」です。
 ⑤「逃げた女」については後述します。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月18日(金)~9月20日(日) ★★★
         「TENET テネット」が4週連続1位 話題の「ムーラン」は2位

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・TENET テネット・・・・・・・・・・・・8/26 ・・・・・・・・122,181 ・・・・・1,536,373・・・・・14,155 ・・・・・1,073
2(新)・・ムーラン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/17 ・・・・・・・・120,551 ・・・・・・・152,040・・・・・・1,347 ・・・・・1,418
3(2)・・オ! ムニ(韓国)・・・・・・・・・・・・・9/02 ・・・・・・・・・29,369 ・・・・・・・284,925・・・・・・2,309 ・・・・・・・540
4(4)・・奇々怪々 整形水(韓国)・・・・・・・9/09 ・・・・・・・・・15,703・・・・・・・・・73,943・・・・・・・・660 ・・・・・・・231
5(5)・・潔白(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/10 ・・・・・・・・・・4,272 ・・・・・・・894,025・・・・・・7,859 ・・・・・・・・14
6(6)・・ただ悪から救いたまえ(韓国)・・8/05 ・・・・・・・・・・3,434・・・・・・4,350,438・・・・・38,553 ・・・・・・・133
7(新)・・ヴィドック:パリの皇帝・・・・・9/17 ・・・・・・・・・・2,903 ・・・・・・・・・・3,669・・・・・・・・・32 ・・・・・・・182
7(新)・・逃げた女(韓国)・・・・・・・・・・・・・9/17・・・・・・・・・・・2,903 ・・・・・・・・・・4,083・・・・・・・・・35 ・・・・・・・143
9(12)・・OK! マダム(韓国) ・・・・・・・・・・8/12 ・・・・・・・・・・2,861・・・・・・1,228,551・・・・・10,978 ・・・・・・・・23
10(8) ・・映画クレヨンしんちゃん・・・・8/20 ・・・・・・・・・・2,657・・・・・・・・120,580・・・・・・・・982 ・・・・・・・107
       新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は2位と、7位に並んだ2作品で、計3作品です。
 2位「ムーラン」は、いろいろ政治がらみで話題になっていますね。日本ではDisney+での配信のみとなりましたが、韓国では一般劇場公開となりました。(配信の有無は未確認。) 日本での配信については→コチラ参照。料金設定についてはこんなご意見(→コチラ)もありますが・・・。内容については諸情報が出されているので省略します。韓国題は「뮬란」、「ミュルラン」なんですね。
 7位「ヴィドック:パリの皇帝」(仮)は、フランスのアクション&犯罪。原題「L'Empereur de Paris(パリの皇帝)」だと誤解を招きそうなので韓国題「비독: 파리의 황제」をそのまま仮題としました。19世紀ナポレオン帝政時代のパリで暗躍したヴィドック(ヴァンサン・カッセル)という男がいました。無期囚でしたが、フランス最大の刑務所から命がけの脱獄を企て、成功します。彼は失われた人生を取り戻すために、赦免状を条件に警察の手先になり、直接犯罪との戦争を開始します。彼はその後、<世界で最初の探偵>として伝説の存在になったとのことです。本作の日本での劇場公開はなさそうですが、配信で観られるようです。
 同じく7位「逃げた女」は、韓国のドラマ。あのホン・サンス監督によるドラマです。あのでわかる方がどのくらいいらっしゃるか? ついでに主演はもちろんあのキム・ミニです。今年3月<第70回ベルリン国際映画祭>で銀熊賞(監督賞)を受賞した作品。例によって酒を飲んでおしゃべりして・・・という作品だろうと思いつつ一応あらすじを見てみると・・・。夫が出張に行った間ガミ(キム・ミニ)は3人の友人ヨンスン(ソ・ヨンフェ)、スヨン(ソン・ソンミ)、ウジン(キム・セビョク)に会います。2人は彼女が彼女たちの家を訪問したもので、3人目の友人は劇場で出合ったのです。友情の会話が続く中、いつものように、海の水面の上下に複数の波が独立して進行して行く、そんな構成の作品です。原題は「도망친 여자」です。今作はネチズンの評価もさほど低くないような・・・。「おっ! いよいよミニが1億を持って逃走か。サンス型の自虐ギャグ」というカキコがあったが、ちょっと見てみたい。「はちどり」の漢文の先生役だったキム・セビョクも出てるし・・・。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(1)・・奇々怪々 整形水(韓国)・・・・・・・・・・・9/09・・・・・・15,073 ・・・・・・・・・73,943 ・・・・・・・・660 ・・・・・・・231
2(新)・・ヴィドック:パリの皇帝・・・・・・・・・9/17・・・・・・・2,903・・・・・・・・・・・3,669・・・・・・・・・・32 ・・・・・・・182
2(新)・・逃げた女(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・9/17・・・・・・・2,903・・・・・・・・・・・4,083・・・・・・・・・・35 ・・・・・・・143
4(23)・・恐怖分子 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/17・・・・・・・1,335・・・・・・・・・・・3,306・・・・・・・・・・24 ・・・・・・・・52
5(2)・・恐竜が教えてくれたこと ・・・・・・・・・9/10・・・・・・・3,713 ・・・・・・・・・・・5,205 ・・・・・・・・・48 ・・・・・・・・50

 2位の2作品と4位「恐怖分子」が新登場ですが、いずれについても上述しました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿