ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [6月26日(金)~6月28日(日)]と人気順位 ►早くも100万人超えの「#生きている」は自室引きこもり型ゾンビ映画か? ►「見えざる人生」(ブラジル・独)の一般公開希望

2020-07-01 01:20:51 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 ※この1週間に観た「はちどり」「悪の偶像」「前田建設ファンタジー営業部」についての感想その他については、次の記事で書く予定です。

         ★★★ NAVERの人気順位(6月30日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(-) 私の歌は遠く遠く(韓国)  9.66(130)
②(3)私はポリ(韓国)  9.39(105)
③(-) サンティアゴの白い杖(韓国)  9.37(30)
④(4) こんにちは、ミヌ(韓国)  9.35(37)
⑤(5) トムボーイ  9.24(376)
⑥(2) 聞こえますか?(韓国)  9.22(76)
⑦(-) 梨泰院(韓国)  9.18(77)
⑧(新) 見えざる人生  9.17(30)
⑨(10) マローナの素晴らしき旅  9.04(49)
⑩(9) 燃え立つ若い女性の肖像  9.04(1,605)
 ⑧「見えざる人生」が新登場です。ブラジル・ドイツ合作のドラマ。2019年の第72回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の作品賞受賞作品で、日本では同年11月<第16回ラテンビート映画祭>で上映されましたが、一般劇場では未公開のままです。マルタ・バターリャによる同名小説の映画化作品です。物語の舞台は1950年のリオデジャネイロ。18歳のユリディス・グスマン(カロル・ドゥアルテ)はクラシック音楽のピアニストになる夢を叶えるためウィーンの音楽学校を目指しています。彼女には2つ年上の姉ギーダ(ジュリア・ストックラー)がいましたが、2人の人生は厳格な父マヌエル(アントニオ・フォンセカ)に引き裂かれてしまいます。家でも社会でも男性から支配される中で、もがきながら自由を得ようとする女性たちの人生をドラマチックに描いた作品です。韓国題は英題「The Invisible Life of Euridice Gusmao」の前の部分「인비저블 라이프(The Invisible Life)」です。ブラジルでも、フェミニズム映画が・・・って、日本ではどうなのか、問題がないわけじゃ全然ないはず、と思うんだけどなー。上と下の両方のランキングでも高評価ついてるし、ぜひ日本で一般公開してほしいものです。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃え立つ若い女性の肖像  9.22(9)
②(-) 小さな光(韓国)  8.67(3)
③(2) はちどり(韓国)  8.38(13)
④(3) マローナの素晴らしき旅  7.83(6)
⑤(新) 見えざる人生  7.60(5)
⑥(5) 消えた時間(韓国)  7.50(4)
⑦(6) トムボーイ  7.33(9)
⑧(8) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)
⑨(新) 浮力  7.00(3)
⑩(9) 透明人間  7.00(2)

 ⑤と⑨の2作品が新登場です。
 ⑤「見えざる人生」については上述しました。
 ⑨「浮力」(仮)は、オーストラリアのドラマ&犯罪。もう少しいい生活をしたい14歳の少年チャクラ(サーム・ヘング)。タイの漁船の気まぐれで残酷な船長に奴隷労働者として売られていきます。到着したのは海の真ん中。1日22時間労働に苦しめられても受け取るお金はなく、 空腹を満たすものは一握りの冷や飯と汚れた水だけでした。そこではひどい虐待が日常になってしまい、少年を助けてくれる人はいません。「ここは死の海だ」・・・そんな中で、生の意志こそが浮力なのだ。韓国題は「부력」。日本公開は未定のようです。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績6月26日(金)~6月28日(日) ★★★
       パニック&スリラーの韓国映画「#生きている」 コロナ後初めて累積観客数100万人突破

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(30)・・#生きている(韓国) ・・・・・・・・6/24・・・・・・・・・・702,962・・・・・1,060,025・・・・・・8,855・・・・・・1,182
2(1)・・潔白(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・6/10・・・・・・・・・・・98,174・・・・・・・716,071・・・・・・6,368・・・・・・・・647
3(2)・・2分の1の魔法・・・・・・・・・・・・・・・6/17・・・・・・・・・・・87,795・・・・・・・279,848・・・・・・1,433・・・・・・・・661
4(再)・・バットマン ビギンズ・・・2005/6/24・・・・・・・・・・21,215・・・・・・・897,412・・・・・・5,754・・・・・・・・301
5(5)・・グレイテスト・ショーマン・・2017/12/20・・・・・・14,978・・・・・1,682,082・・・・・13,241・・・・・・・・142
6(3)・・消えた時間(韓国) ・・・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・14,355・・・・・・・180,292・・・・・・1,608・・・・・・・・477
7(6)・・野球少女(韓国) ・・・・・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・・・・・6,605 ・・・・・・・・28,388 ・・・・・・・245・・・・・・・・・99
8(77)・・エンディングス、ビギニングス(米・韓)・・6/24・・6,406・・・・・・・・・10,391 ・・・・・・・・85・・・・・・・・246
9(4)・・侵入者(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・6/04・・・・・・・・・・・・5,305 ・・・・・・・529,261・・・・・4,788・・・・・・・・181
10(再)・・スラムドッグ$ミリオネア・・2009/3/19 ・・・・・4,360 ・・・・・1,118,134・・・・・7,425・・・・・・・・・47
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 営業再開後も、週末観客動員数の1位は多くても20万人台に止まってきましたが、今回は一挙に70万人超え。公開日からだと5日間で累積観客数100万人を超えました。これは2月以降初めてです。2位以下は大差をつけられていますが、6位までが5ケタで、だんだん見通しが明るくなってきました。このまま順調にいけばいいのですが・・・。
 新登場は1・8位の2作品です。4・8位の再上映の旧作はよく知られている作品なので説明は略します。
 1位「#生きている」は、韓国のパニック&スリラー。ニュース速報が流れる中、緊急事態を知らせるアラームが鳴り響きます。都市は原因不明の症状の人たちの攻撃によって統制不能の状況に陥ったのです。何もわからないまま眠りから覚めたジュヌ(ユ・アイン)は、自分が誰もいない家に1人で孤立していることを知ります。データ、Wi-fi、メール、電話等、すべての通信手段が切断されたままジュヌの絶望が極に達した時、向こうのアパートで誰かがシグナルを送ってきます。それは別の生存者ユビン(パク・シネ)でした。他の誰かが生きているという事実だけでも希望を持てるようになった2人は、それぞれのやり方で危機に立ち向かおうとします・・・。原題は「#살아있다」です。感染を避けて自室に閉じこもっている状況は、やはり新型コロナの現実と重なる要素が多そうですね。数多いゾンビ映画中、本作はマンションの個室で孤立している者同士のコミュニケーションがキモということで、ある評論家はデジタル版「彼とわたしの漂流日記」(キム氏漂流記)と評していましたが、なるほどマンション内で望遠鏡を握りしめているユビン(右画像)の姿は「彼とわたしの漂流日記」の引きこもり女性と重なりますね。
 8位「エンディングス、ビギニングス」は、アメリカ・韓国合作のドラマ。といっても、制作こそCJエンタですが監督も俳優たちもアメリカで、英語で演じていて、ハングル字幕の作品です。運命だと信じていた男との長年の恋愛を終えたダフネ(シェイリーン・ウッドリー)は、その延長でNo恋愛、Noアルコールと共に禁欲生活を宣言します。そんな彼女の前に2人の男性ジャック(ジェイミー・ドーナン)とフランク(セバスチャン・スタン)が現れます。ダフネは温かく近づいてきて安心感を与えるジャックに引かれながらも、セクシーな目つきで自分を見つめるフランクに心が揺れてしまいます。愛に失敗すると思うと怖い一方で寂しいのもイヤ、というダフネですが・・・。2人の男の間でさまよう女性のロマンス・・・のように見えますが、女性評論家のコメントによれば、実は彼女が憂鬱感と自己嫌悪を克服する過程を描いているのだそうです。韓国題は「엔딩스 비기닝스」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・野球少女(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/18・・・・・・・・6,605・・・・・・・・・28,388・・・・・・・・245・・・・・・・・・99
2(再)・・スラムドッグ$ミリオネア・・2009/3/19・・・・・・・・4,360 ・・・・・1,118,134 ・・・・・・7,425 ・・・・・・・・47
3(4)・・君の名前で僕を呼んで・・・・・・・2018/3/22・・・・・・・・2,915 ・・・・・・・223,910 ・・・・・・1,887 ・・・・・・・・47
4(2)・・イントゥ・ザ・スカイ ・・・・・・・・・・・・・・6/10・・・・・・・・2,352・・・・・・・・・76,290 ・・・・・・・・669・・・・・・・・・42
       気球で未来を変えたふたり
5(51)・・浮力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/25・・・・・・・・2,125・・・・・・・・・・3,642・・・・・・・・・・30・・・・・・・・・88

 5位「浮力」が新登場ですが、この作品については上述しました。
コメント
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