ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [8月11日(金)~8月13日(日)]

2017-08-16 07:08:36 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶8月10日。久しぶり(といっても10日ぶりか)に観た映画は韓国映画「バッカス・レディ」でした。タイトルの意味は、宗廟(チョンミョ)公園やタプコル公園といった高齢者たちのたまり場でバッカス(滋養強壮ドリンク)を差し出しながら「1本飲む?」と男性に声をかけて誘うという売春婦アジュマ(おばさん)のことは、5年ほど前から(?)雑誌等にも<バッカス・アジュマ>とよばれて取り上げられてきました。これをユン・ヨジョン主演ユン・ヨジョン(現在70歳)が演じているのですが、ワケありのフィリピン人の子供を保護したりとなかなか優しい性格。過去は米兵相手のいわゆる<洋公主(ヤンゴンジュ)>だったこともあり、生まれた混血児を海外養子に出したことを今も気に病んでいたり・・・。韓国題が「죽여주는 여자(殺してくれる女)」なのは、病気を患ったり等で今後に希望を持てない年配男性からの「ラクに死なせてくれ」との依頼に彼女がその優しさゆえか応じて・・・というわけ。準主役に全茂松(チョン・ムソン)75歳が起用されていたりして、韓国のまさに現在のさまざまな社会問題を淡々とすくい取ったような、なかなか味わい深い映画でした。

▶「週刊文春」のシネマチャートで破格の高ポイントが2作品そろい踏み。「ベイビー・ドライバー」(8月19日~)が5人のポイント合計が★24個で、「エル ELLE」(8月25日~)が★23個。これは公開が待ち遠しい!
    
「朝鮮日報」7月28日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「エリザのために」
   ルーマニア民主化の姿 ★★★☆


 「終わりの感覚」

   優れた原作を忘れれば ★★★

 「アナベル 死霊館の人形」

   その人形の長い始まり ★★☆

3作品とも以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(8月15日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.39(219)
②(3) 風の踊り手(韓国)  9.35(54)
③(-) ベル&セバスチャン  9.33(24)
④(-) 猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)  9.29(155)
⑤(4) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.28(519)
⑥(2) ファーミング・ボーイズ(韓国)  9,27(64)
⑦(5) KING OF PRISM by PrettyRhythm(日本)  9.24(1,360)
⑧(7) 徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに(韓国)  9.23(526)
⑨(-) 影たちの島(韓国)  9.23(44)
⑩(6) モーディー  9.21(1,490)

 今回の新登場は③と④の2作品です。
 ③「ベル&セバスチャン」は、日本では2015年に公開済みです。韓国題は「벨과 세바스찬, 계속되는 모험」です。
 ④「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」は、おなじみのシリーズの最新作。全世界に広がったウイルスにより進化を続ける類人猿に対し、人間は徐々に退化していきます。そんな中、人間との共存を信じていた猿のリーダー、シーザーは猿たちを全滅させようとする大佐によって家族や同僚を無惨に殺され、これ以上の慈悲と共存はないと戦いを決意します。一方大佐は、進化した猿たちにいつか人間が支配されるもしれないという恐怖と人類の生存のために<人間性>さえも捨てる覚悟です。種の運命と地球の未来を決定する避けられない戦争の結末ははたして・・・。韓国題は「혹성탈출:종의 전쟁(惑星脱出:種の戦争)」、日本公開は10月13日です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 風の踊り手(韓国)  10.00(1)
②(2) ダンケルク  8.60(10)
③(3) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
④(-) 猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)  7.60(5)
⑤(4) アメリカン・ハニー  7.50(6)
⑥(5) オクジャ(韓国・アメリカ)  7,29(14)
⑦(-) エリザのために  7.22(9)
⑧(-) 影たちの島(韓国)  7.14(7)
⑨(7) スパイダーマン:ホームカミング  7.00(10)
⑩(7) 恋物語(韓国)  7.00(7)

 ④と⑦の2作品が今回の初登場です。
 ④「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」(については上述しました。
 ⑦「エリザのために」は、日本では今年1月に公開されています。韓国題は「엘리자의 내일(エリザの明日)」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月11日(金)~8月13日(日) ★★★

         「タクシー運転手」は快調に800万人に到達 「軍艦島」は頭打ち

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・タクシー運転手(韓国)・・・・・・・・8/02 ・・・・・・・・・1,769,893 ・・・・・・・・7,937,970・・・・・・・・62,647 ・・・・・・・1,410
2(13)・・青年警察(韓国) ・・・・・・・・・・・・8/09 ・・・・・・・・・1,325,883 ・・・・・・・・1,948,261・・・・・・・・15,457 ・・・・・・・1,058
3(新)・・アナベル 死霊館の人形・・・・8/10・・・・・・・・・・・751,052 ・・・・・・・・・・934,800・・・・・・・・・7,551 ・・・・・・・1,006
4(3)・・怪盗グルーのミニオン大脱走・・7/26・・・・・・・・・・174,288 ・・・・・・・・3,028,324・・・・・・・・22,095・・・・・・・・・532
5(2)・・軍艦島(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・7/26 ・・・・・・・・・・・115,659 ・・・・・・・・6,462,093・・・・・・・・49,598 ・・・・・・・・・538
6(28)・・ビッグフット・ジュニア ・・・・・・・8/09 ・・・・・・・・・・・・87,635 ・・・・・・・・・・131,847 ・・・・・・・・・・941 ・・・・・・・・・437
7(67)・・映画ドラえもん ・・・・・・・・・・・・・8/10 ・・・・・・・・・・・・65,703 ・・・・・・・・・・・84,133 ・・・・・・・・・・607 ・・・・・・・・・351
        のび太の南極カチコチ大冒険(日本)
8(5)・・ダンケルク・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/20 ・・・・・・・・・・・・45,125・・・・・・・・・2,716,832 ・・・・・・・・23,760・・・・・・・・・117
9(4)・・名探偵コナン・・・・・・・・・・・・・・・・8/02・・・・・・・・・・・・31,476・・・・・・・・・・・414,158 ・・・・・・・・・3,003・・・・・・・・・169
        から紅の恋歌(からくれないのらぶれたー)(日本)
10(9)・・ボンジュール、アン・・・・・・・・・・8/03 ・・・・・・・・・・・・15,046 ・・・・・・・・・・・53,208 ・・・・・・・・・・422 ・・・・・・・・・・58
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 頭打ちの感がある「軍艦島」に対し、「タクシー運転手」は順調に数字を伸ばしてもう800万人にとどいています。続いて「青年警察」もまずは好スタートを切りました。
 夏休みとあって子供向きのアニメが目につきます。このジャンルはやはり日本が強いですね。
 今回の新登場は2・3・6・7位の4作品です。
 2位「青年警察」は、韓国のアクション。意欲満々のキジュン(パク・ソジュン)、そして理論派のヒヨル(カン・ハヌル)は共に警察大の学生。この親友同士の2人が偶然拉致事件を目撃します。目撃者は彼ら2人だけ。教わった通り遅滞なく警察に通報しますが、手続きが複雑な上証拠も不足していて捜査は進行の兆しが全然見えません。貴重な時間が無為に流れる中、キジュンとヒヨルは「ボクらが捕まえますよ」と直接捜査に乗り出すことにしますが、やがて予測不可能な状況に直面することになります・・・。原題は「청년경찰」です。
 3位「アナベル 死霊館の人形」は、「アナベル 死霊館の人形」(2013)に続くホラー。どのようにして人形に<邪悪な存在>が宿るようになったか、その来歴が物語られます。・・・人形職人と彼の妻は悲劇的な事故で幼い娘を亡くします。12年後、その家に孤児院の少女たちと修道女が一緒に暮らすことになります。人形職人は「娘ともう1度会えたらどんな存在でも受け入れます」と祈ると、<それ>は人形の中に入って一生私たちと一緒にいると言います。自分の娘に間違いないと思ったのですが・・・。韓国題は「애나벨:인형의 주인」。日本公開は10月13日です。(ホラーの季節が終わっちゃうんじゃないの?)
 6位「ビッグフット・ジュニア」(仮)は、ベルギー・フランス合作のアニメ。寝て起きると髪がボーボー! 怒るとクツから足が突き出る! 他の連中と違ってるアダムは学校ではいじめられっ子。ある日アダムはママの秘密箱の中から死んだとばかり思っていたパパの写真と手紙を発見し、こっそりパパを探し始めます。手紙の住所を手がかりに訪ねたその場所は巨大な森! そこで出会ったパパは・・・えっ!? このでかい毛むくじゃら? しかしパパのスーパーDNAのおかげで、自分でも信じられないほどの能力があることを知ったアダム。パパと幸せな時間を過ごしますが、スーパーDNAを狙うウォレスがパパを拉致するという事件が発生。アダムは勇敢にもパパを助けに行きます・・・。韓国題は「빅풋 주니어」。日本公開はなさそうな・・・。
 7位「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」は、韓国でも長く人気を維持しているシリーズ。韓国でもドラエモンはそのまま<도라에몽(ドラエモン)>です。韓国題は「극장판 도라에몽:진구의 남극 꽁꽁 대모험」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(12)・・ビッグフット・ジュニア ・・・・・・・・・・8/09・・・・・・・・・・・・・87,653 ・・・・・・・・・・131,847・・・・・・・・・・・・・941・・・・・・・・・437
2(2)・・ボンジュール、アン・・・・・・・・・・・・・・8/03 ・・・・・・・・・・・・15,046・・・・・・・・・・・・53,208・・・・・・・・・・・・・422・・・・・・・・・・58
3(1)・・モーディー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/12 ・・・・・・・・・・・・10,588 ・・・・・・・・・・277,615 ・・・・・・・・・・・2,055・・・・・・・・・・50
4(8)・・終わりの感覚 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/10 ・・・・・・・・・・・・・9,483 ・・・・・・・・・・・15,880 ・・・・・・・・・・・・・127・・・・・・・・・・85
5(4)・・ナザレのイエスは神の子か? ・・・7/13・・・・・・・・・・・・・・3,150 ・・・・・・・・・・156,721 ・・・・・・・・・・・1,128・・・・・・・・・・20

 1・4位の2作品が今回の新登場です。
 1位「ビッグフット・ジュニア」については上述しました。
 4位「終わりの感覚」(仮)は、イギリスのドラマ。ジュリアン・バーンズによる同名の2011年ブッカー賞受賞作(新潮クレストブックス刊)の映画化作品です。ロンドンでヴィンテージカメラ店を運営するトニー(ビリー・ホール、ジム・ブロードベント)のもとに、「日記と500ポンドをあなたに遺した女性がいる」と見知らぬ弁護士から手紙が届きます。記憶をたどると、その女性は学生時代の恋人ベロニカ(フレイア・マバー、シャーロット・ランプリング)の母親です。そして託された日記は、学生時代に自殺をした親友エイドリアンのものでした。トニーは記憶を懸命に探りつつ、かつての恋人を探しあてるが……。日記を受け取るためにベロニカを探し、紆余曲折の末2人は再会しますが、彼女がトニーに渡した別の手紙の内容は彼自身の記憶と全く異なるもので、トニーは混乱に陥ります・・・。記憶と時間をめぐるサスペンスフルな展開の末に、え、衝撃的なラスト? これは観てみたいな。韓国題は「예감은 틀리지 않는다(予感は間違っていない)」。日本公開は未定のようです。
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