ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [8月19日(金)~8月21日(日)]

2016-08-24 17:04:40 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 バッテリーパックは交換したものの、今度はルーターが不調でインターネット接続が不安定。どこまでも続くパソコンの不具合、あーあ。しかし気持ちだけはなぜかやる気が出てきたので、映画興行成績以外の記事も続けてアップします。(5時間後くらい?)

 アイルランドの伝説を素材にしたアニメ「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」は期待通り! 絵が美しい。芸術的。→公式サイトで見てみて! アメリカ等の3Dアニメとはラベルが違う。<ぴあ映画生活>の初日満足度ランキング1位もナットク。字幕版は首都圏では恵比寿ガーデンシネマだけ?

 21日未見だった松江哲明監督「あんにょんキムチ」を観てきました。李相日監督「青・chong」同様1999年日本映画学校の卒業制作で(つまり同期)、両監督とも在日3世。その時期(90年代)はもしかして在日3世のアイデンティティをめぐるひとつの画期だったかも・・・。

 現在韓国で観客動員500万人を超えた「徳恵翁主」‘歴史歪曲’について、韓国紙の記事に注目しています。徳恵翁主(トッケオンジュ. 1912~89)は高宗と側室・梁氏との間に生まれ、1930年旧対馬藩主・宗家の当主である宗武志伯爵の夫人となった王女で、光復後離婚して韓国に戻りましたが、長く病に苦しむ等悲運の人生を送った女性です。ところがこの映画では架空の独立運動家を登場させたり、徳恵翁主等の朝鮮の王族も独立の意思を明確に持っていたように描かれています。これに関して「中央日報(日本語版)」では<映画『徳恵翁主』の歪曲議論、韓国史研究の新たな踏み台に>と題した記事(→コチラ)で「決定的なミスは徳恵翁主を独立闘士型のキャラクターとして描いたという点だ」等々と批判的に記しています。また図書館で19日付の「朝鮮日報」を見たら文化面の上半分に<日本人のように育った徳恵翁主・・・李鍝(義親王の息子)は広島原爆の犠牲者>という見出しの大きな記事がありました。(右画像) 副見出しは<映画「徳恵翁主」と異なる朝鮮王朝最後の後裔たちの実際の生>です。被爆死した李鍝(イ・ウ)については→コチラの過去記事でも少し書きました。「朝鮮日報」の記事(→コチラ)によると、彼を知る日本人の証言のように李鍝が民族意識が高かったのは確かだとしても、映画に描かれたように具体的な行動をしたわけではない」ということです。
 私ヌルボ、「暗殺」等々日本の統治期を背景にした韓国映画に独立運動家が登場するのは<お約束>として受けとめるしかないという感じで観ていましたが、韓国メディアの中で<史実>にこだわる主張が出てきたことは「ほほーっ」と思いました。それが保守紙から、という点もそれなりに意味がありそうです。(韓国内の左右両派の歴史認識問題がらみで。)
   
「朝鮮日報」8月19日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ソウル駅」
   監督が語りたかった話 ★★★☆


 「スター・トレック BEYOND」

   BEASTIE BOYSが甦った ★★★

 「クリーピー 偽りの隣人」

   恐怖は一番身近な所に ★★★

 「クリーピー 偽りの隣人」は、日本では6月公開された黒沢清作品。他の2作品は以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(8月24日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(-) KING OF PRISM by PrettyRhythm(日本)  9.40(164)
②(5) 私たち(韓国)  9.24(841)
③(-) 一死覚悟(韓国)  9.19(234)
④(-) オーヴェという男  9.14(1,158)
⑤(-) シーモアさんと、大人のための人生入門  9.13(446)
⑥(-) 名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)(日本)  9.07(2,417)
⑦(-) Twinsters ~双子物語~  9.07(253)
⑧(-) 太陽の下  8.98(709)
⑨(-) ルーム  8.97(780)
⑩(-) 横道世之介(日本)  8.97(36)

 今回から下の【記者・評論家による順位】と同様に再上映の旧作は除外することにしました。原則として韓国で初めて劇場公開され、現在も上映されている作品の中から選びました。
 本ブログ初登場は①と⑩の日本映画2作品です。③と⑦については再度説明。
 ①「KING OF PRISM by PrettyRhythm」は、日本では今年1月に公開された菱田正和監督によるアニメですが、認知度はどのくらいなのでしょうか? 私ヌルボは知りませんでした。現在も一部映画館で上映中ですが・・・。韓国題は「킹 오브 프리즘」です。
 ⑩「横道世之介」は、高良健吾と吉高由里子主演の2013年の作品。これは観たゾ、なぜか大阪で。なかなか好感が持てる映画。韓国題は「요노스케 이야기」。
 ③「一死覚悟」は、日本の統治期に神社参拝が偶像崇拝にあたるとして神社参拝強要を拒否し、拷問の末に殉教した牧師・朱基徹(チュ・ギチョル.1897~1944)の一生を描いたドキュメンタリー映画。原題は「일사각오」です。詳細は→コチラのブログ記事参照。
 ⑥「Twinsters ~双子物語~」は、英・仏・米・韓合作のキュメンタリー。フランス国籍でロンドン在住のデザイナーの勉強をしているアネイさんが「そっくりな女性が動画に出てる」と教えられたのがそもそもの始まり。相手も自分も誕生日は同じ1987年11月9日。アネイさんはアメリカ在住のその女性俳優サマンサさんに連絡を取ると生まれてすぐ養子の斡旋業者によって別々に引き取られていった双子だったことが判明。2013年5月、26年ぶりの再会後、2人はこの物語の映画化のためクラウドファンディングで資金を調達し、サマンサさん自身が監督となって完成した作品です。韓国題は「트윈스터즈」。日本での劇場公開はありませんが、Netflixで「双子物語」のタイトルで配信されています。(→コチラ。)

     【記者・評論家による順位】
             ※評点の後の( )は採点者数
①(1) キャロル  8.96(13)
②(2) アガシ(韓国)  7.68(18)
③(3) 私たち(韓国)  7.66(14)
④(5) ルーム  7.53(9)
⑤(6) BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント  7.45(5)
⑥(8) トンネル(韓国)  7.21(14)
⑦(9) ボーン・トゥ・ビー・ブルー  7.13(6)
⑧(10) 釜山行き(韓国)  7.10(17)
⑨(-) スター・トレック BEYOND  7.10(5)
⑩(-) 海よりもまだ深く(日本)  7.07(11)

 新登場は⑨「スター・トレック BEYOND」だけです。これについては後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月19日(金)~8月21日(日)] ★★★

         「トンネル」が500万人を超えてトップを維持
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・トンネル(韓国)・・・・・・・・・・・8/10・・・・・・・・・・1,119,702・・・・・・・・・5,085,535・・・・・・・・41,422 ・・・・・・・・904
2(2)・・徳恵翁主(韓国)・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・・・・・501,870・・・・・・・・・4,832,903・・・・・・・・・38,568・・・・・・・・722
3(新)・・-スター・トレック BEYOND・・8/17 ・・・・・・・・493,400 ・・・・・・・・・・678,407・・・・・・・・・・6,115・・・・・・・・703
4(4)・・ペット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・・・・・223,584・・・・・・・・・2,246,049・・・・・・・・・17,294・・・・・・・・523
5(3)・・仁川上陸作戦(韓国) ・・・・・7/27・・・・・・・・・・・193,642・・・・・・・・・6,762,044・・・・・・・・・52,944・・・・・・・・511
6(5)・・釜山行き(韓国) ・・・・・・・・・・7/20・・・・・・・・・・・180,580・・・・・・・・11,223,030・・・・・・・・・90,456・・・・・・・・459
7(6)・・-国家代表 2(韓国) ・・・・・・・8/10・・・・・・・・・・・・68,140 ・・・・・・・・・・645,584・・・・・・・・・・5,027・・・・・・・・330
8(72)・・ソウル駅(韓国) ・・・・・・・・・8/17・・・・・・・・・・・・67,572・・・・・・・・・・・121,556 ・・・・・・・・・・・966・・・・・・・・440
9(7)・・スーサイド・スクワッド・・・・・8/03・・・・・・・・・・・・22,769・・・・・・・・・・1,882,718 ・・・・・・・・15,750・・・・・・・・125
10(新)・・ラチェット&クランクTHE MOVIE・・8/17 ・・・22,259・・・・・・・・・・・・34,489 ・・・・・・・・・・・254・・・・・・・・237
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「トンネル」が500万人を超えて前週に続いてトップ。2位の「徳恵翁主」も23日500万人を超えました。なお「釜山行き」の数字は現在のところ「シルミド」を抜いて歴代韓国映画中の第13位です。
 今回の新登場は3・8・10位の韓国映画3作品です。
 3位「スター・トレック BEYOND」は、人気SFアクションシリーズの第3弾。未知の領域を探索したエンタープライズ号のクルーがまた新たな敵と遭遇するようですよ。何を隠そう私ヌルボ、2009年の「スター・トレック」を観た後、<ぴあ映画生活>に100人中1人の「腹立たしかった」というコメントを載せたことがありました。今確認したらいつの間にか消されてるゾ!(怒) 韓国題は「스타트렉 비욘드」。日本公開は10月21日です。
 8位「ソウル駅」は、「釜山行き」のヨン・サンホ監督が「釜山行き」の前日の夜をアニメで描き出した作品。ある日、不治の病に冒された浮浪者がふらふらと歩く中、家出少女(声:シム・ウンギョン)とボーイフレンド(声:イ・ジュン)、娘を探している父(声:リュ・スンニョン)がその場所にいました。やがてソウル駅を起点に異常なウィルスが拡散し始め、瞬く間にソウル駅は制御不能の状態になってしまいます・・・。この映画、記者・評論家の平均評価が6.92と悪くないのに、ネチズンはなぜか4.34。理由はよくわからず。原題は「서울역」です。
 10位「ラチェット&クランクTHE MOVIE」は、アメリカのSFアクション・3Dアニメ。主人公の少年ラチェットと相棒のロボット・クランクは元来はプレステのゲームソフトの人気キャラ。本作ではクランクと出会う前、ラチェットが働いていた宇宙船の修理ガレージに修理を頼んだお客さんがやってくるのですが・・・、というところから銀河の危機を救う壮大な物語になっていく? 韓国題は「갤럭시 히어로즈: 라쳇 앤 클랭크」。日本では劇場公開はなくブルーレイディスク、DVDを発売。詳細は→コチラ

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(30)・・ソウル駅(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・8/17 ・・・・・・・・・・・・・・67,572 ・・・・・・・・・・121,556・・・・・・・・・・・・・966 ・・・・・・・・440
2(11)・・カイ:湖の伝説(韓国)・・・・・・・・・・8/10 ・・・・・・・・・・・・・・11,734 ・・・・・・・・・・・18,576・・・・・・・・・・・・・141 ・・・・・・・・172
3(2)・・海よりもまだ深く(日本)・・・・・・・・・・7/27 ・・・・・・・・・・・・・・・3,801・・・・・・・・・・・・80,233・・・・・・・・・・・・・665・・・・・・・・・24
4(1)・・スーパー・フレンズ(韓国)・・・・・・・・8/10 ・・・・・・・・・・・・・・・3,510 ・・・・・・・・・・・84,304・・・・・・・・・・・・・633・・・・・・・・・28
5(3)・・僕のサンティアゴ巡礼の道・・・・・・7/14 ・・・・・・・・・・・・・・・2,381・・・・・・・・・・・・86,885・・・・・・・・・・・・・667・・・・・・・・・15

 新登場は1・2位の2作品です。
 1位「ソウル駅」については上述しました。
 2位「カイ:鏡の湖の伝説」は、韓国アニメ。少年カイが住んでいた平和な村が、ある日雪の女王ハタンの魔法にかかり氷で覆われてしまいます。村の守護神の川の精霊は、カイにハタンに立ち向かえる唯一の鍵である霊魂の玉を渡し、危機に陥った村を救うように告げます。カイにあたえられた時間は3日間。村を守るためのカイと森の仲間たちとの冒険が始まります・・・。原題は「카이: 거울 호수의 전설」です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする