ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [3月20日(金)~3月22日(日)]

2015-03-24 20:00:00 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 横浜のシネマ・ジャック&ベティでやっと今週[3月28日(土)から始まる「ふたつの祖国、ひとつの愛 ~イ・ジュンソプの妻~」。初日には酒井充子監督による舞台挨拶があるとか。ぜひ行かなければ・・・。ユーロスペースや新宿武蔵野館等で5月1日公開のオススメ韓国映画「私の少女」も6月6日から上映。インド映画「女神は二度微笑む」は4月18日からか。待ち遠しいなー。

 このところ、韓国の動員数ランキングを見てもこれといったヒット作・注目作なし。毎度お世話になっているSARUさんのツイッターに<ExtremeMovie>という韓国サイト中の「2015年韓国映画開封予定作」という記事(→コチラ.韓国語)が紹介されていました。監督と主な出演俳優の名前入り。それをたよりに情報収集すると、<Kstyle>のサイトいろいろ関連記事が載っています。たとえば・・・。
 チェ・ドンフン監督「暗殺」(→コチラ)は1930年代の上海臨時政府と独立軍を描いた作品でハ・ジョンウ、チョン・ジヒョン、イ・ジョンジェという豪華キャスト。イ・ソクフン監督「ヒマラヤ」(→コチラ)は2005年のエベレスト登山で死亡した後輩隊員たちの遺体を回収するため、命がけで再びエベレストに登った登山家のオム・ホンギル隊長と隊員たちの物語で、ファン・ジョンミンとユソンが夫婦役。イ・ユンギ監督「男と女」(→コチラ)では、コン・ユとチョン・ドヨンが<正統派メロ映画>で共演とか。そのチョン・ドヨンは、パク・フンシク監督の時代劇「侠女」(→コチラ)ではイ・ビョンホンと共演。これ2014年公開予定って・・・。遅れてるの? イ・ジュンイク監督「使徒」は、ドラマや「王の涙」で日本でもかなり知られるようになった(?)米びつに閉じ込められて死を迎えた思悼世子の話を描いた時代劇で、ソン•ガンホ、ムン•グニョン、ユ•アイン等の人気俳優が出演。これについては→コチラのブログ記事参照。

「朝鮮日報」3月20日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

 「シンデレラ」

   久しぶりのガラスの靴 ★★★☆

 「グラウンドの異邦人」

   在日同胞野球団の追憶 ★★★☆

 「思い出のマーニー」

   微かな思い出の錬金術 ★★★☆

 「アンリミテッド」

   逆転につぐ逆転で混乱 ★★★

 「モンゴリアン・プリンセス」

   実にかわいいヒロイン ★★

 「リヴァイアサン」

   人間野蛮の冷酷な素顔 ★★★★

 「モダン・タイムス」

   彼はすべての喜劇の父 ★★★★

 「大統領の料理士」

   よく出来た仏蘭西料理 ★★★

「グラウンドの異邦人」は1982年韓国の鳳凰大旗争奪全国高校野球大会に参加した在日同胞学生野球団についてのドキュメンタリー。(→参考。) 日本でも公開してほしいなあ。「アンリミテッド」はアメリカのサスペンス・アクションで3月28日日本公開。「モンゴリアン・プリンセス」は、恋愛とは無縁だった34歳の独身男性ダヌが映画館で知り合ったフランス人女性と出会って心をときめかせて・・・という独立系韓国映画。他の5作品は以下の記事中に説明あり。

           ★★★ Daumの人気順位(3月24日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①千と千尋の神隠し(日本)  9.3(1111)
②犬どろぼう完全計画(韓国)  9.2(1071)
③モダン・タイムス  9.2(83)
④ポンヌフの恋人たち9.1(52)
⑤ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー  9.0(27)
⑥ポリス・ストーリー 香港国際警察  8.9(36)
⑦スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo(う~)!  8.9(221)
⑧あなた、あの川を渡らないで(韓国)  8.9(1224)
⑨チャイニーズ・ゴースト・ストーリー  8.8(170)
⑩妻への家路  8.7(105)

 ③⑥⑨の3作品が今回の新登場なのですが、すべて旧作の再上映。日本映画の新作のほとんどが人気小説や漫画を原作としていたり、ハリウッド映画も他国のヒット作をリメイクしたりと、ここに至って世界の映画界はアイディア枯渇の危機に直面してる?・・・ということをなんとなく考えてしまいました。
 ③「モダン・タイムス」は1936年の作品。79年前か。2.26事件の年。韓国題は「모던 타임즈」。「モダンタイムジュ」とちゃんと濁ってます。
 ⑥「ポリス・ストーリー 香港国際警察」は1985年。ちょうど30年前。ポスターの画像を見て、ジャッキー・チェンの若い頃(30歳くらい)の顔を再確認しました。彼、この作品のアクションで脊椎骨折・骨盤脱臼という大怪我をしてるんですね。(彼のことを韓国では성룡(成龍.ソンニョン)といってます。) 韓国題は「폴리스 스토리」。
 ⑨「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」も80年代(1987年)の香港映画。コチラの韓国題は「천녀유혼(倩女幽魂)」と原題そのまま。

     【専門家による順位】

①6才のボクが、大人になるまで。  9.5(8)
②サンドラの週末  8.6(5)
③リヴァイアサン  8.5(4)
④セッション  8.4(7)
⑤大統領の料理人  8.0(1)
⑥フォックスキャッチャー  7.8(6)
⑥イーダ  7.8(6)
⑧自由が丘で(韓国)  7.7(4)
⑨インターステラー  7.6(9)
⑩バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  7.6(6)

 新登場は③と⑤の2作品です。
 ③「リヴァイアサン」は、ロシアのアンドレイ・ズビャギンツェフ監督作品で、カンヌ国際映画祭最優秀脚本賞、ロンドン映画祭最優秀賞、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞等を受賞しています。物語の舞台はフィンランドに近いバレンツ海に面した小さな町で、入り江にはクジラもやってくる。ところがそんな自然がいっぱいの町にも開発の手が伸びる。自動車修理業を営む主人公コリアに、ある日町長が土地と家の買収をもちかけるが、そこには魂胆が・・・。コリアは同意せず、強欲な町長の策略に対抗するためモスクワの弁護士を雇うのだが・・・。急速な経済発展の裏面で庶民の生活も社会のモラルも崩れていく現実を描くというと、ジャ・ジャンクー監督「罪の手ざわり」と共通するものがありそう。韓国題は「리바이어던」。原題「Leviathan」を韓国では「リバイアドン」と読みます。
 ⑤「大統領の料理人」は、日本では2013年公開されました。韓国題は「엘리제궁의 요리사(エリゼ宮の料理士)」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[3月20日(金)~3月22日(日)] ★★★

         ずっとメガヒットなく、1位の「セッション」の動員数も40万以下

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(4)・・セッション・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/12 ・・・・・・・・・・・374,421 ・・・・・・・・・・・825,155・・・・・・・・・6,633・・・・・・・・574
2(1)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・317,719 ・・・・・・・・・5,334,107・・・・・・・・43,977・・・・・・・・546
       ザ・シークレット・サービス
3(14)・・シンデレラ・・・・・・・・・・・・・・・・3/19 ・・・・・・・・・・・311,240 ・・・・・・・・・・・353,581・・・・・・・・・2,786・・・・・・・・530
4(29)・・ラン・オールナイト・・・・・・・・・3/19 ・・・・・・・・・・・151,061 ・・・・・・・・・・・180,431・・・・・・・・・1,460・・・・・・・・410
5(1)・・殺人依頼(韓国)・・・・・・・・・・・・3/12 ・・・・・・・・・・・139,758 ・・・・・・・・・・・780,580・・・・・・・・・6,412・・・・・・・・447
6(3)・・チャッピー・・・・・・・・・・・・・・・・・3/12・・・・・・・・・・・・・94,347 ・・・・・・・・・・・544,403・・・・・・・・・4,400・・・・・・・・365
7(5)・・ソーシャルフォビア(韓国)・・・3/12・・・・・・・・・・・・・41,192 ・・・・・・・・・・・232,946・・・・・・・・・1,835・・・・・・・・245
8(6)・・ヘルモニ(韓国) ・・・・・・・・・・・・3/05・・・・・・・・・・・・・33,885 ・・・・・・・・・・・493,290・・・・・・・・・3,902・・・・・・・・207
9(新)・・思い出のマーニー(日本)・・・3/19 ・・・・・・・・・・・・19,471 ・・・・・・・・・・・・22,748・・・・・・・・・・・175・・・・・・・・242
10(7)・・イミテーション・ゲーム ・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・・18,207 ・・・・・・・・・・1,716,585・・・・・・・・13,488 ・・・・・・・114
       /エニグマと天才数学者の秘密
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は3・4・9位の3作品です。
 3位「シンデレラ」は、誰でも知ってるお話をディズニーがケネス・ブラナー監督により実写化。ケイト・ブランシェットも継母役として起用されるお年となりましたか。韓国題は「신데렐라」。日本公開は4月25日です。
 4位「ラン・オールナイト」はアメリカのアクション。元殺し屋のジミー(リーアム・ニーソン)が、息子マイクル(ジョエル・キナマン)を守るため殺した男は親友でもあるマフィアのボス・ショーン(エド•ハリス)の息子だった。組織を敵に回したジミーの緊迫の一夜がやってくる・・・。韓国題は「런 올 나이트」。日本公開は5月16日です。
 9位「思い出のマーニー」。ジブリ作品は韓国でも人気大ですが、ベスト10入りとはいえ数字的にはイマイチかな? 韓国題は「추억의 마니(追憶のマーニー)」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・セッション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/12・・・・・・・・・・・・374,421・・・・・・・・・・・・825,155・・・・・・・・・6,633 ・・・・・・・・574
2(2)・・ソーシャルフォビア(韓国)・・・・・・・・・3/12・・・・・・・・・・・・・41,192 ・・・・・・・・・・・・232,946 ・・・・・・・・1,835 ・・・・・・・・245
3(新)・・思い出のマーニー(日本)・・・・・・・・3/19・・・・・・・・・・・・・19,471 ・・・・・・・・・・・・・22,748・・・・・・・・・・・175 ・・・・・・・・242
4(新)・・大統領の料理士 ・・・・・・・・・・・・・・・3/19・・・・・・・・・・・・・・8,316 ・・・・・・・・・・・・・11,805・・・・・・・・・・・・91 ・・・・・・・・111
5(4)・・オズ めざせ!エメラルドの国へ・・2/12・・・・・・・・・・・・・・2,725 ・・・・・・・・・・・・292,948・・・・・・・・・2,137 ・・・・・・・・・35

 3位「思い出のマーニー」と4位「大統領の料理士」が新登場ですが、いずれも上述しました。