3月6日夜、シアター・イメージフォーラムの「SHOAH/ショア」第4部は満席+立見。私ヌルボは奇跡的に最前列真ん中に空席を見つけかろうじて座れました。最終日とはいえ、こうした映画がこれだけの集客力があるのですね。で、奇跡的に生き延びたユダヤ人の人たちの証言もさることながら、私ヌルボがとくに興味を覚えたのが当時収容所等で任務に当たっていたドイツ人たち。平時でれば、いや当時にあってもフツーの人間があのようなことをフツーに(?)為し、今もそのことをさほど痛切には自問したり反省したりはしていない(?)ことを、同じようにフツーの人間であるわれわれは(ひどい!と憤る前に)自分の問題として考えてみなければ、と思います。
日本公開の韓国映画。今月はナシ、のようです。4月は「海にかかる霧」や「群盗」もちょっと注目ですが、「国際市場」で注目のファン・ジョンミンがその前に出演したのが「남자가 사랑할 때(男が愛する時)」。これが「傷だらけのふたり」の邦題で4月4日公開。ということで公式サイトもできています。(→コチラ。)
あ、シネマートといえばシネマート六本木が6月14日(予定)に閉館するということですが、それまでいろいろ特集上映。サイト(→コチラ)をこまめにチェックして見逃したりしないよう注意しなくては。
★★★ Daumの人気順位(3月10日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①千と千尋の神隠し(日本) 9.3(1107)
②クォ・ヴァディス(韓国) 9.3(219)
③犬どろぼう完全計画(韓国) 9.3(1054)
④ユー・アー・ノット・ユー 9.1(33)
⑤ポンヌフの恋人たち9.1(52)
⑥ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー 9.0(27)
⑦スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo(う~)! 8.9(220)
⑧ラストエンペラー 8.9(87)
⑨あなた、あの川を渡らないで(韓国) 8.9(1217)
⑩名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の二日間〜 8.8(23)
今回の新登場はありません。
【専門家による順位】
①6才のボクが、大人になるまで。 9.5(8)
②サンドラの週末 8.6(5)
③クラウズ・オブ・シルス・マリア 8.3(6)
④フォックスキャッチャー 7.8(6)
④イーダ 7.8(6)
⑥自由が丘で(韓国) 7.7(4)
⑦インターステラー 7.6(9)
⑧バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 7.6(6)
⑨キングスマン ザ・シークレット・サービス 7.4(7)
⑩ターナー、光に愛を求めて 7.2(5)
新登場は⑧「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」だけです。もちろんあのアカデミー賞作品賞受賞作。モチーフとしたブラック・コメディ。スーパーヒーロー「バードマン」を演じた映画での人気も今は昔。俳優リーガン(マイケル・キートン)は復活を期してレイモンド・カーヴァーの短編「愛について語るときに我々の語ること」を舞台向けに脚色し、自ら演出してブロードウェー進出にかけるが、ケガで降板したキャストの代役を務める俳優マイク(エドワード・ノートン)の身勝手な言動に振り回される中で、自分を嘲る心の声にも悩まされるようになり・・・。韓国題は「버드맨」。日本公開は4月10日です。
この作品で、リーガン娘エマが韓国人が運営している(?)花屋で花を指しながら「It all smells like fucking kimchi」と言うセリフがあり、これに対して海外在住韓国人ネットコミュニティにコメントを載せたネチズンから「韓国人を見下す発言だ」との非難があり、韓国内の広報担当者が釈明したということがメディア(→例: 「中央日報日本語版」)でも報じられ、「ただ映画のキャラクターセリフであるだけ」という意見も当然あって「キムチ論議」が起こったとのこと。韓国のいろんな掲示板等を見ていたら「日本人だったら笑って済ませるだろう。なんで韓国人はいちいち反発するのか・・・」というのもありました。私ヌルボもほぼ同感で、こんなのにクレームつけること自体笑いのネタを提供するようなもの、とということがわかってないのかな、と思います。キムチ自体を忌避するのではなく、「キムチ」を通して韓国人を見下したものなら明確な差別なのでダメですが、そうではないようです。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[3月6日(金)~3月8日(日)] ★★★
「キングスマン ザ・シークレット・サービス」が連続1位
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・510,430 ・・・・・・・・・4,188,225・・・・・・・・34,627・・・・・・・・633
ザ・シークレット・サービス
2(新)・・純粋の時代(韓国)・・・・・・・・・3/05 ・・・・・・・・・・・252,387 ・・・・・・・・・・・324,309・・・・・・・・・2,646・・・・・・・・546
3(2)・・イミテーション・ゲーム ・・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・195,067 ・・・・・・・・・1,547,408・・・・・・・・12,162 ・・・・・・・396
/エニグマと天才数学者の秘密
4(新)・・ヘルモニ(韓国) ・・・・・・・・・・・3/05 ・・・・・・・・・・・192,304 ・・・・・・・・・・・232,144・・・・・・・・・1,887・・・・・・・・442
5(70)・・バードマン・・・・・・・・・・・・・・・・3/05 ・・・・・・・・・・・・96,696 ・・・・・・・・・・・119,049・・・・・・・・・・・981・・・・・・・・380
あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
6(3)・・朝鮮名探偵・・・・・・・・・・・・・・・・2/11・・・・・・・・・・・・・81,326 ・・・・・・・・・3,832,935・・・・・・・・30,172・・・・・・・・397
:消えた役夫の娘(韓国)
7(70)・・セイント・ヴィンセント ・・・・・・2/26 ・・・・・・・・・・・・45,589 ・・・・・・・・・・・・63,025・・・・・・・・・・・497・・・・・・・・308
8(6)・・寄生獣(日本) ・・・・・・・・・・・・・・2/26 ・・・・・・・・・・・・35,995 ・・・・・・・・・・・166,226・・・・・・・・・1,375・・・・・・・・177
9(4)・・フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ・・2/26 ・・・・・・・・33,421 ・・・・・・・・・・・343,629・・・・・・・・・2,754・・・・・・・・270
10(5)・・プロジェクト・アルマナック(仮)・・2/26 ・・・・・・・・257,032 ・・・・・・・・・・・257,032・・・・・・・・・1,943・・・・・・・・258
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
先週、ベスト10作品はどれも勢いがないので「来週は新作がどっとベスト10入りかな?」と書きましたが、その新作もさして勢いがあるわけでもなく、数字をみると全体的に一段と低調。
今回の新登場は2・4・5・7位の4作品です。
2位「純粋の時代」は、朝鮮王朝成立間もない頃(1398年)を背景とした時代劇。少し前のKBSの大河ドラマの主人公鄭道伝(イ・ジェヨン)が王朝を開いた太祖李成桂(ソン・ビョンホ)の意思で世子となった幼い末息子(8男)李芳碩を庇護したのに対して、建国にも功のあった実力者の5男・靖安君[李芳遠](チャン・ヒョク)はあくまでも権力への野心を持ち続ける・・・という当時の政治状況は、複雑ながらも韓国では(たぶん)よく知られています。で、以下の人物はフィクションなんですが、主人公キム・ミンジェ(シン・ハギュン)は女真族出身ながら鄭道伝の下で働く武将で、北は女真族、南は倭寇の侵攻で危機に陥った南北の国境を守る軍の総司令官となります。そして彼の息子ジン(カン・ハヌル)は鄭道伝の婿で太祖の婿(←なんなんだ?)で、出生の秘密を知りながら快楽だけを求め、ミンジェはまた母に似た妓女カヒ(カン・ハンナ)に出会って・・・と、複雑な時代の中で、なんか物語も複雑そうだなー。原題は「순수의 시대」です。
4位「ヘルモニ」は韓国のコメディ。タイトルは、ハルモニ(おばあさん)とヘル(地獄)の合成語です。賞金総額3億ウォン! 8千倍という激しい競争率を勝ち抜いた者たちが集まって競うのは、歌手や俳優選びではなく、なんと「悪口の味」オーディション。参加者はとみると、ディスる歌専門の高校生ラッパー、チャガルチ市場のおばあちゃん、悪口ばかり言う警官、電話相談員、地下鉄で暴言を吐く女(막말녀)、「社長ワルイ!」と叫ぶ外国人労働者等々・・・。 で主人公のヘルモニ(キム・スミ)はというと、前科3犯で15年間の服役を終えてシャバに帰って来た女性なんですが、こうした人たちの悪口レベルはまあ→予告編で確認してみてください。韓国社会をもろ反映したような内容(笑)なので、そこらへん知っていないとどうなのかな? 原題は「헬머니」です。
5位「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」については上述しました。
7位「セイント・ヴィンセント」はアメリカのコメディ。両親が離婚し、母親と共に引っ越してきた 12歳の少年オリバー(ジェイデン・リープヘル)は、登校初日からいじめを受けカギをとられて家に入れず・・・という一件を契機に隣家の老人ヴィンセント(ビル・マーレイ)と知り合いますが、この老人、人間嫌いの快楽主義者。遊ぶ金がなくなったため少年の子守して稼ぎを得る(?)ことに・・・。そしてヴィンセントがオリバーを立派な男にしようと連れて行く先というのがバーとか競馬場とか。そして唯一の友人として紹介した女性というのがロシア出身の妊婦ストリッパー・ダカ(ナオミ•ワッツ!)だったりして・・・。そのようにして2人の相互理解が深まっていくのですが・・・。韓国題は「세인트 빈센트」。日本公開は今年秋頃とのことです。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(25)・・セイント・ヴィンセント ・・・・・・・・・・・・3/05・・・・・・・・・・・・・45,589・・・・・・・・・・・・・63,025・・・・・・・・・・・497 ・・・・・・・・308
2(1)・・間奏曲はパリで・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/26・・・・・・・・・・・・・・1,538 ・・・・・・・・・・・・・・7,213・・・・・・・・・・・・55 ・・・・・・・・・26
3(2)・・イーダ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/18・・・・・・・・・・・・・・1,167 ・・・・・・・・・・・・・13,662・・・・・・・・・・・105 ・・・・・・・・・・3
4(18)・・るろうに剣心 伝説の最期編(日本)・・3/05・・・・・・・・・・・1,152 ・・・・・・・・・・・・・・1,725・・・・・・・・・・・・13・・・・・・・・・・21
5(新)・・犬:dog eat dog(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・3/05 ・・・・・・・・・・・・555 ・・・・・・・・・・・・・・1,127・・・・・・・・・・・・・9 ・・・・・・・・・12
1・4・5位の3作品が新登場です。
1位「セイント・ヴィンセント」は前述の通り。
4位「るろうに剣心 伝説の最期編」は「京都大火編」から1週間遅れで公開。韓国題は「바람의 검심 : 전설의 최후편」です。
5位「犬:dog eat dog」は、近年フィリピンで多発している韓国人拉致事件を素材とした犯罪ドラマ。(この事件については→コチラ
http://oboega.blog.jp/archives/35470196.html
の記事参照。) この作品で“犬”とは、海外で旅行中の韓国人だけを狙う者たち。少しの罪悪感もなく、拉致・強盗を繰り返すヒョンシン(キム・ソンビン)やジフン(クァク・ミンホ)たち。彼らは韓国に帰ってからも被害者とその家族たちを執拗に追いかける・・・。証拠がなく、悠々とした誘拐犯と、その蹂躙に苦しむ被害者や残された家族たち。この映画は韓国に多い勧善懲悪的な復讐劇ではなく、戻らない被害者や家族たちの苦しい現実の一断面に焦点を合わせます。原題は「개: dog eat dog」。
日本公開の韓国映画。今月はナシ、のようです。4月は「海にかかる霧」や「群盗」もちょっと注目ですが、「国際市場」で注目のファン・ジョンミンがその前に出演したのが「남자가 사랑할 때(男が愛する時)」。これが「傷だらけのふたり」の邦題で4月4日公開。ということで公式サイトもできています。(→コチラ。)
あ、シネマートといえばシネマート六本木が6月14日(予定)に閉館するということですが、それまでいろいろ特集上映。サイト(→コチラ)をこまめにチェックして見逃したりしないよう注意しなくては。
「朝鮮日報」3月6日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。) | |
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」 墜落するものは美しい ★★★★☆ 「ヘルモニ」 涼やかに悪口言うかな? ★★☆ | 「純粋の時代」 ハギュンの才能 役不足 ★★☆ 「セイント・ヴィンセント」 聖者は隣人の中にいる ★★★ |
上の4作品はすべて以下の記事中で紹介しています。 |
★★★ Daumの人気順位(3月10日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①千と千尋の神隠し(日本) 9.3(1107)
②クォ・ヴァディス(韓国) 9.3(219)
③犬どろぼう完全計画(韓国) 9.3(1054)
④ユー・アー・ノット・ユー 9.1(33)
⑤ポンヌフの恋人たち9.1(52)
⑥ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー 9.0(27)
⑦スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo(う~)! 8.9(220)
⑧ラストエンペラー 8.9(87)
⑨あなた、あの川を渡らないで(韓国) 8.9(1217)
⑩名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の二日間〜 8.8(23)
今回の新登場はありません。
【専門家による順位】
①6才のボクが、大人になるまで。 9.5(8)
②サンドラの週末 8.6(5)
③クラウズ・オブ・シルス・マリア 8.3(6)
④フォックスキャッチャー 7.8(6)
④イーダ 7.8(6)
⑥自由が丘で(韓国) 7.7(4)
⑦インターステラー 7.6(9)
⑧バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 7.6(6)
⑨キングスマン ザ・シークレット・サービス 7.4(7)
⑩ターナー、光に愛を求めて 7.2(5)
新登場は⑧「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」だけです。もちろんあのアカデミー賞作品賞受賞作。モチーフとしたブラック・コメディ。スーパーヒーロー「バードマン」を演じた映画での人気も今は昔。俳優リーガン(マイケル・キートン)は復活を期してレイモンド・カーヴァーの短編「愛について語るときに我々の語ること」を舞台向けに脚色し、自ら演出してブロードウェー進出にかけるが、ケガで降板したキャストの代役を務める俳優マイク(エドワード・ノートン)の身勝手な言動に振り回される中で、自分を嘲る心の声にも悩まされるようになり・・・。韓国題は「버드맨」。日本公開は4月10日です。
この作品で、リーガン娘エマが韓国人が運営している(?)花屋で花を指しながら「It all smells like fucking kimchi」と言うセリフがあり、これに対して海外在住韓国人ネットコミュニティにコメントを載せたネチズンから「韓国人を見下す発言だ」との非難があり、韓国内の広報担当者が釈明したということがメディア(→例: 「中央日報日本語版」)でも報じられ、「ただ映画のキャラクターセリフであるだけ」という意見も当然あって「キムチ論議」が起こったとのこと。韓国のいろんな掲示板等を見ていたら「日本人だったら笑って済ませるだろう。なんで韓国人はいちいち反発するのか・・・」というのもありました。私ヌルボもほぼ同感で、こんなのにクレームつけること自体笑いのネタを提供するようなもの、とということがわかってないのかな、と思います。キムチ自体を忌避するのではなく、「キムチ」を通して韓国人を見下したものなら明確な差別なのでダメですが、そうではないようです。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[3月6日(金)~3月8日(日)] ★★★
「キングスマン ザ・シークレット・サービス」が連続1位
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・510,430 ・・・・・・・・・4,188,225・・・・・・・・34,627・・・・・・・・633
ザ・シークレット・サービス
2(新)・・純粋の時代(韓国)・・・・・・・・・3/05 ・・・・・・・・・・・252,387 ・・・・・・・・・・・324,309・・・・・・・・・2,646・・・・・・・・546
3(2)・・イミテーション・ゲーム ・・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・195,067 ・・・・・・・・・1,547,408・・・・・・・・12,162 ・・・・・・・396
/エニグマと天才数学者の秘密
4(新)・・ヘルモニ(韓国) ・・・・・・・・・・・3/05 ・・・・・・・・・・・192,304 ・・・・・・・・・・・232,144・・・・・・・・・1,887・・・・・・・・442
5(70)・・バードマン・・・・・・・・・・・・・・・・3/05 ・・・・・・・・・・・・96,696 ・・・・・・・・・・・119,049・・・・・・・・・・・981・・・・・・・・380
あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
6(3)・・朝鮮名探偵・・・・・・・・・・・・・・・・2/11・・・・・・・・・・・・・81,326 ・・・・・・・・・3,832,935・・・・・・・・30,172・・・・・・・・397
:消えた役夫の娘(韓国)
7(70)・・セイント・ヴィンセント ・・・・・・2/26 ・・・・・・・・・・・・45,589 ・・・・・・・・・・・・63,025・・・・・・・・・・・497・・・・・・・・308
8(6)・・寄生獣(日本) ・・・・・・・・・・・・・・2/26 ・・・・・・・・・・・・35,995 ・・・・・・・・・・・166,226・・・・・・・・・1,375・・・・・・・・177
9(4)・・フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ・・2/26 ・・・・・・・・33,421 ・・・・・・・・・・・343,629・・・・・・・・・2,754・・・・・・・・270
10(5)・・プロジェクト・アルマナック(仮)・・2/26 ・・・・・・・・257,032 ・・・・・・・・・・・257,032・・・・・・・・・1,943・・・・・・・・258
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
先週、ベスト10作品はどれも勢いがないので「来週は新作がどっとベスト10入りかな?」と書きましたが、その新作もさして勢いがあるわけでもなく、数字をみると全体的に一段と低調。
今回の新登場は2・4・5・7位の4作品です。
2位「純粋の時代」は、朝鮮王朝成立間もない頃(1398年)を背景とした時代劇。少し前のKBSの大河ドラマの主人公鄭道伝(イ・ジェヨン)が王朝を開いた太祖李成桂(ソン・ビョンホ)の意思で世子となった幼い末息子(8男)李芳碩を庇護したのに対して、建国にも功のあった実力者の5男・靖安君[李芳遠](チャン・ヒョク)はあくまでも権力への野心を持ち続ける・・・という当時の政治状況は、複雑ながらも韓国では(たぶん)よく知られています。で、以下の人物はフィクションなんですが、主人公キム・ミンジェ(シン・ハギュン)は女真族出身ながら鄭道伝の下で働く武将で、北は女真族、南は倭寇の侵攻で危機に陥った南北の国境を守る軍の総司令官となります。そして彼の息子ジン(カン・ハヌル)は鄭道伝の婿で太祖の婿(←なんなんだ?)で、出生の秘密を知りながら快楽だけを求め、ミンジェはまた母に似た妓女カヒ(カン・ハンナ)に出会って・・・と、複雑な時代の中で、なんか物語も複雑そうだなー。原題は「순수의 시대」です。
4位「ヘルモニ」は韓国のコメディ。タイトルは、ハルモニ(おばあさん)とヘル(地獄)の合成語です。賞金総額3億ウォン! 8千倍という激しい競争率を勝ち抜いた者たちが集まって競うのは、歌手や俳優選びではなく、なんと「悪口の味」オーディション。参加者はとみると、ディスる歌専門の高校生ラッパー、チャガルチ市場のおばあちゃん、悪口ばかり言う警官、電話相談員、地下鉄で暴言を吐く女(막말녀)、「社長ワルイ!」と叫ぶ外国人労働者等々・・・。 で主人公のヘルモニ(キム・スミ)はというと、前科3犯で15年間の服役を終えてシャバに帰って来た女性なんですが、こうした人たちの悪口レベルはまあ→予告編で確認してみてください。韓国社会をもろ反映したような内容(笑)なので、そこらへん知っていないとどうなのかな? 原題は「헬머니」です。
5位「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」については上述しました。
7位「セイント・ヴィンセント」はアメリカのコメディ。両親が離婚し、母親と共に引っ越してきた 12歳の少年オリバー(ジェイデン・リープヘル)は、登校初日からいじめを受けカギをとられて家に入れず・・・という一件を契機に隣家の老人ヴィンセント(ビル・マーレイ)と知り合いますが、この老人、人間嫌いの快楽主義者。遊ぶ金がなくなったため少年の子守して稼ぎを得る(?)ことに・・・。そしてヴィンセントがオリバーを立派な男にしようと連れて行く先というのがバーとか競馬場とか。そして唯一の友人として紹介した女性というのがロシア出身の妊婦ストリッパー・ダカ(ナオミ•ワッツ!)だったりして・・・。そのようにして2人の相互理解が深まっていくのですが・・・。韓国題は「세인트 빈센트」。日本公開は今年秋頃とのことです。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(25)・・セイント・ヴィンセント ・・・・・・・・・・・・3/05・・・・・・・・・・・・・45,589・・・・・・・・・・・・・63,025・・・・・・・・・・・497 ・・・・・・・・308
2(1)・・間奏曲はパリで・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/26・・・・・・・・・・・・・・1,538 ・・・・・・・・・・・・・・7,213・・・・・・・・・・・・55 ・・・・・・・・・26
3(2)・・イーダ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/18・・・・・・・・・・・・・・1,167 ・・・・・・・・・・・・・13,662・・・・・・・・・・・105 ・・・・・・・・・・3
4(18)・・るろうに剣心 伝説の最期編(日本)・・3/05・・・・・・・・・・・1,152 ・・・・・・・・・・・・・・1,725・・・・・・・・・・・・13・・・・・・・・・・21
5(新)・・犬:dog eat dog(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・3/05 ・・・・・・・・・・・・555 ・・・・・・・・・・・・・・1,127・・・・・・・・・・・・・9 ・・・・・・・・・12
1・4・5位の3作品が新登場です。
1位「セイント・ヴィンセント」は前述の通り。
4位「るろうに剣心 伝説の最期編」は「京都大火編」から1週間遅れで公開。韓国題は「바람의 검심 : 전설의 최후편」です。
5位「犬:dog eat dog」は、近年フィリピンで多発している韓国人拉致事件を素材とした犯罪ドラマ。(この事件については→コチラ
http://oboega.blog.jp/archives/35470196.html
の記事参照。) この作品で“犬”とは、海外で旅行中の韓国人だけを狙う者たち。少しの罪悪感もなく、拉致・強盗を繰り返すヒョンシン(キム・ソンビン)やジフン(クァク・ミンホ)たち。彼らは韓国に帰ってからも被害者とその家族たちを執拗に追いかける・・・。証拠がなく、悠々とした誘拐犯と、その蹂躙に苦しむ被害者や残された家族たち。この映画は韓国に多い勧善懲悪的な復讐劇ではなく、戻らない被害者や家族たちの苦しい現実の一断面に焦点を合わせます。原題は「개: dog eat dog」。