ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

金沢&石川県と、韓国・朝鮮についてのいろいろ

2011-10-10 23:57:50 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 私ヌルボ、昨日からゆえあって金沢に来ています。金沢は20数年ぶり、かも・・・。
 金沢在住の学生時代の友人がいたので連絡をとって会うことにしました。案内してくれるという彼に「どこに行きたいか?」と訊かれて「泉野図書館に行きたい」などと答えるヘンな人はまずいないでしょう。
 私ヌルボはヘンな人です。

 なぜそう答えたかというと、金沢の観光ポイント等について全然事前に調べていなかったことと、たまたま前日に<高麗書林>のサイト中の「韓国書が借りられる全国図書館」のリストを見ていたら、石川県で唯一名前があったのがこの図書館だったから。偶然彼の住まいのごく近所だったので、現地で落ち合うことにして、金沢駅前からバスで行ってみました。

     
           【金沢市立泉野図書館】

 すると思っていたよりも外観も中も立派な図書館で、祝日ということもあってか多くの利用者がいました。ここの図書館に韓国書がある理由は、地域性ということではなく、ジモティーの友人が説明したくれたように、この図書館が「国際連合寄託図書館」になっているからだそうです。
 全国でもわずか14館、それも国会図書館のほかは大学図書館が大半を占める中で、こんなフツーの町の図書館が国連寄託図書館になった経緯まではわかりません。
 ともあれ、そういうわけで、韓国書があるというよりも、諸外国の本がいろいろたくさんある中に韓国書もある、というわけです。

 韓国書についていえば、5段の書架1つ分、それも隙間が目立つくらいで冊数はさほど多くはありません。ざっと数えてみましたが160~170冊程度。これに韓国語の絵本約30冊を合わせて約200冊といったところ。あとは「주간조선(週刊朝鮮)」があるくらいで、中国語の本が書架3つ分あるのに比べると寂しい感じ。
 韓国書の品ぞろえも基本中の基本に止まっているなー・・・と見ていった中で、あっと驚いたのが李朝語辞典。たいていの本がそろっている横浜市立図書館にもないのに・・・。高麗書林の通販サイトでは5250円で出てるからベラボーに高いというわけではないにしても、うーむ・・・・・・。

 この図書館、郷土資料もたくさんそろっていました。
 その中の歴史関係資料はとくに興味深いものがいろいろ。
 図書館の次に見学に行った県立歴史博物館にも展示&説明がありましたが、古代から大陸、とくに朝鮮半島と北陸との関係の深さを物語る事例は実にたくさんあるんですね。
 渤海との交流等についてはなんとなくは知っていましたが、「蝦夷穴古墳出土の枘穴(ほぞあな)石斧は朝鮮半島に類例が多い」というような考古学関係のことや、「570年に高句麗の使人が越(こし)に漂着した」という「日本書紀」の記録、民俗関係では、「七尾市の<お熊甲祭(くまかぶとまつり)>という祭も朝鮮が起源といわれている」等々については初めて知りました。

 また、友人は「小松という地名は明らかに高麗(こま)+津だよ」と言っていましたが、実際郷土史家の岸豊則さんという方による「小松は高麗津だった」という本もあります。

 江戸時代の伯耆~蝦夷に及ぶ漂流民の記録等々も(詳細はあえて割愛しますが)興味深いものがあります。
 そこで思い出したのがつい最近の脱北者のニュース。先月(9月)13日木造船に乗った9人が発見されたのが石川県輪島沖でした。

 別に韓国・朝鮮ネタを求めて金沢に行ったわけでもないのに、思いのほかいろんなネタに遭遇してしまって、とりあえずメモ的にこの記事をでっちあげたような次第です。

 そういえば、3年前私ヌルボが仲間たちと一緒に全州に行った時、歓待して下さった日本語の堪能な全州市の国際交流担当の潘さん(女性)から、「金沢は姉妹都市なのでしばしば行っています」ということを聞きました。
 なるほど、金沢の博物館等でも全州や全羅北道を紹介したり、贈られた物を展示しているコーナーがありました。しかしわが友人も含め金沢市民の何人かの方と話したかぎりでは全州の認知度はまだまだのようで、全州の魅力をアピールしたいヌルボとしてはちょっと残念。全州は人口65万人で金沢(46万人)を上回り、歴史的・文化的にも見どころの多い都市です。有名なピビンパをはじめ食べ物も美味しいです。市民レベルの交流をもっと深めるといいと思うんですけどねー・・・。