学問空間

『承久記』『五代帝王物語』『とはずがたり』『増鏡』『太平記』『梅松論』等を素材として中世史と中世文学を研究しています。

ツイッターの感想

2012-06-11 | その他
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2012年 6月11日(月)20時29分3秒

暫くの間、ツイッターでいろいろ試していたのですが、ある程度長文になると、やはり書きづらいですね。
下の投稿は、茂木健一郎氏の「連続ツイート」というやり方を真似て、140字で10回に分けて書いてみたのですが、かなり面倒くさいです。
ツイッター以外やらないのならともかく、もともと掲示板やブログを持っているのだから、長文はそちらに書いて、ツイッターではリンクにとどめるのが良いみたいですね。
ま、こういうのも、実際に試してみないと分からないものです。

それと、ツイッターで意外に受けてリツイートしてもらったのは次のようなツイートでした。

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ふと抱いた疑問。東京電力元会長の勝俣恒久氏が、『戦国時代史論』の著者、東京大学名誉教授の
勝俣鎮夫氏の弟であることを知っている歴史学研究者はどのくらいいるのだろうか。
常識なのだろうか、それとも中世史研究者に限られるのであろうか。中世史研究者でも知らない人は
けっこういるのだろうか。
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これは本当にふと思いついて書いたのですが、多少の反響があって、中には「知らなかった」と書いている人もいましたね。
掲示板・ブログだと何か感想を抱いても、それをフィードバックしてくれる人は稀ですが、ツイッターの面白味はこの種の反応の速さなんでしょうね。
ま、これからは話題に応じて掲示板・ブログとツイッターを適当に使い分けて行くつもりです。
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波伝谷の不思議な人

2012-06-11 | 東北にて
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2012年 6月11日(月)20時16分40秒

少し前のことですが、4月15日に南三陸町波伝谷(はでんや)地区で行われた春祈祷を見に行きました。
これは「毎年三月の第二日曜に波伝谷地区で行われる行事で、獅子舞が東の村境から一軒づつ家々を廻り、悪気を封じ込めた豆腐をくわえて舞います。日の暮れた頃に西の村境に到着し、身内にたくわえた悪気をすべて海に流して清めます」という行事で「波伝谷契約講」という集落の伝統的組織が主体となっています。
http://www.m-kankou.jp/kanko/index3.php?id=60

波伝谷集落は津波で大半が流されてしまったため、去年は春祈祷は当然中止となり、今年、二年ぶりに行われたのですが、戸倉神社や周辺の小さな祠など、伝統的に廻るものとされている場所に加え、集落の人が入居しているいくつかの仮設住宅を参加者が車輌に乗って廻るという変則的な形態で行われました。
私は少し遅れて行ったため、一行が丘の上の小さな神社に行って、鳥居の前で戸倉神社の神主が祝詞をあげた後、虎舞を奉納する場面から見始めたのですが、正直言ってそれほどレベルの高いものとは思えず、わざわざ来たのに、といささか失望してしまいました。
でもまあ、せっかく来たのだからと思って次の場所である水戸辺仮設住宅にもついて行ったところ、虎舞が始まって暫くの間は山の上で見たのと同様の活気のない踊りが続いたのですが、途中で野球帽をアミダにかぶった、いかにも遊び人風のチャラチャラした雰囲気の人が唐突に虎の前に出てきました。
子供の頃にテレビで見た大宮デン助に似た貧相な感じの人だったのですが、その人が虎の前で踊りをリードし始めると、虎の踊り手の動きが俄然変化して、急に躍動感溢れるものすごい動きになりました。
この人の動きは、ラグビーの天才的な選手が予測不能の絶妙のステップを切るような変幻自在さで、な、何なんだ、この人は、とびっくりしてしまいました。
で、暫くすると、この人は気まぐれに虎の前から離れてしまい、そうするとまた、虎の動きが、最初ほどやる気のない感じではないにしても、どうも今一つだなあという動きになってしまうのでした。
大宮デン助氏(仮称)はどう見ても波伝谷契約講の中で重要な役割を果たしているとは思えず、普段はチャラチャラした生活を送っているのだろうと想像されるのですが、年に一回の春祈祷においては、この人が虎舞の実質的なリーダーなのではないか、とすら思えてきます。
今年の波伝谷春祈祷はマスコミにも大変注目され、大勢の新聞記者・テレビクルーが取材に来ていました。
新聞・テレビは、津波に襲われて壊滅してしまった集落の人々が、再起を願っていくつもの困難を乗り越えて伝統的行事を復活させて行く感動のストーリーを求めており、実際に波伝谷契約講のリーダー達はそのような活躍をしたのですが、他方で芸能には通常の社会秩序・社会規範を超えた独自の内部的論理があります。
大宮デン助氏(仮称)の春祈祷における独自の役割は、津波が来ようが来るまいが全く変わらず、今までもあの人は踊りだけはすごいよな、と周囲から一目置かれていたろうし、今後もそうなのであろうと思います。
そしてその才能と祭りにおける独自の役割は、虎舞を実際に見た新聞記者・テレビクルーの大半は理解したはずですが、予定調和の感動のストーリーには乗らないので、報道には出てこないですね。

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