学問空間

『承久記』『五代帝王物語』『とはずがたり』『増鏡』『太平記』『梅松論』等を素材として中世史と中世文学を研究しています。

白石城@修復中

2012-06-12 | 東北にて
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2012年 6月12日(火)22時00分55秒

久々の写真投稿です。
白石城近辺は震度6弱だったそうですね。
美観を損ねているというより、これはこれでそれなりの機能美があるように感じます。

※写真
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6427
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東京電力&無主物

2012-06-12 | 東日本大震災と研究者
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2012年 6月12日(火)12時51分28秒

うーむ。
ちょっと気になって、「東京電力&無主物」で検索してみたら、未だに東京電力に対する轟々たる非難の嵐で、中には無主物などと主張する法律家はアイヒマンと同じだ、などと言っている人がいますね。
http://gushou.blog51.fc2.com/blog-entry-585.html

ネット上で、今回の原発事故で飛散した放射性物質は無主物と考えても別に法律的には間違ってないんじゃないですか、などと言っているのはどうも私だけみたいですが、そうすると私もアイヒマンと同類ですかね。
まあ、殆どの人が「無主物」=「無責任」と短絡していますが、私だって東京電力にあらゆる責任がないと言っている訳ではなくて、東京電力の責任を追及する法的なルートは複数存在することを前提に、物権的請求権の主張はまずいでしょ、と言っているだけですけどね。
「無主物」かどうかは法的な価値判断であって、一般の人の認識とはずれることがあってもおかしくはないのですが、ここまで一色に染まってしまうのは何だか怖いですね。


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「鯨缶タンク」撤去

2012-06-12 | 東日本大震災と研究者
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2012年 6月12日(火)09時47分9秒

今日の『河北新報』より。

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「鯨缶タンク」撤去へ 水産加工会社、被災者感情に配慮

 東日本大震災の津波で流され、宮城県石巻市の県道に横倒しとなっていた缶詰をかたどった巨大なタンクが、今月末から解体されることになった。保存を求める声もあったが、所有する水産加工会社が被災者感情に配慮して撤去を決めた。
 「木の屋石巻水産」の本社工場正面にあった鉄製タンクは高さ10.8メートル、直径9メートルで、飼料用の魚油タンクとして使用されていた。2007年に鯨大和煮の缶詰のデザインに塗り替えられ「世界一の鯨缶」として観光客らに親しまれていた。
 震災で津波の直撃を受け、約300メートル離れた県道石巻女川線の中央分離帯に流れ着いた。震災遺構として注目されたが、被災者から「震災を思い出すので見たくない」との声も寄せられた。
 解体したタンクの一部は、同社が市内と宮城県美里町に建設予定の工場のベンチなどに活用する考え。木村隆之副社長(57)は「会社にとっても大切なシンボルで、壊すのは忍びない。震災を風化させないよう、思いを込めて生まれ変わらせたい」と話している。
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/06/20120612t15012.htm

これ、法律的には物権的請求権の問題ですね。
津波という不可抗力により水産加工会社の所有地上にあった「鯨缶タンク」が宮城県所有の県道上に移動すると、宮城県は水産加工会社に対して、土地所有権に基づく物権的妨害排除請求権を有しており、「鯨缶タンク」を県道上から撤去せよ、と請求することができます。
逆に、水産加工会社は宮城県に対して、「鯨缶タンク」の所有権に基づく物権的返還請求権を有するのですが、問題の性質上、宮城県は「ご自由にどうぞ」と言うだけで、訴訟に発展するはずもないですね。
このあたり、理論的な枠組み自体は、放射性物質が「無主物」であるかどうかで争いになった二本松のゴルフ場裁判の場合と同じです。
「鯨缶タンク」は巨大なものだから、誰もそれが「無主物」だなどとは主張しませんが、だんだん小さくなって放射性物質レベルの極限的な小ささまで行ってしまうと、「無主物」だとの主張がおかしい訳ではないですね。

『ヴェニスの商人』と物権的請求権
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6292
「無主物」はオーソドックスな論理
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6293
『週刊現代』と小出裕章助教
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6295
「概念の相対性」と保立道久氏
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/6396
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