自分の死をいつも恐れていたA子さんが何故、希望に置き換えられたのでしょうか?健康な人でも、終末治療中の患者さんでも、自分の死は誰でも怖いものですが、健康な恐怖感と病的な恐怖感は明らかに存在しています。どこからどこが健康、病的か、と言いますと、身体症状(食欲などの本能、生き抜く力、自殺願望、自律神経症)で判断します。死の恐怖を軽減する方法は信仰しかありません。心理療法では無理があります。最終的には伝統ある数千年の歴史を持ち、優れた大学で講座をもつような宗教でないと、とかく問題があります。さて自分の死の恐怖をフォーカシングで焦点づけに成功したA子さんは、何故自分の死が怖いのか、その感情をあぶり出す勇気があったせいで、その恐怖感情の意味を悟り信仰を得て今は、健康な死生観を持ち、永遠の生命に期待をかけてたくましく生き抜いています。
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